【必見】日本大使館に聞いた、クロアチアの治安&日本人が遭いやすいトラブル
クロアチアでスリに遭った日本人観光客の実例
前ページでは、クロアチアでスリが多発している地域・場所についてお伝えしましたが、ここでは、残念ながらクロアチアでスリ被害に遭ってしまった日本人観光客のみなさんの実例を教えていただきました。
「自分は大丈夫!」と思い込まず、みなさんが次の被害者にならないように、ぜひヒントにしてくださいね。
トラムに乗る時、後ろから押されたが、その際にリュックサックから財布を盗まれたようだ。
リュックサックを背負って(ザグレブの)トラムに乗車していた。すると観光客のような女性から地図を見せられ英語で道を聞かれた。気が付くと、別の女性が後方で私のリュックサックを開けていた。
写真を撮る時、ショルダーバッグを背中に回していたら、その隙に財布を盗まれた。団体旅行中だったので、自分の周りは同じグループの日本人ばかりだと思い込んでて安心しきっていた。
団体旅行中、昼食のためレストランに入った。バッグを隣の椅子の上に置いていたのに、気が付くとバッグに入れていた財布がなくなっていた。
スーツケースを引きながら歩いていると、見知らぬ子どもが「持ってあげる」といって、いきなりスーツケースを引っ張ってきた。それに気を取られていると、後ろから別の子供が私のリュックサックを開けていた。(※特にザグレブの長距離バスターミナル周辺で多発している手口だそうです)
駅でチケットを買うために財布を取り出してリュックサックにしまった。その後、男性が後ろをつけてくるような気がしたので注意していたが、いつの間にか財布がなくなっていた。
歩いていると、うしろから観光客のような女性グループが話しながら私の背後にくっついて歩いて来た。そのうちの一人がいつの間にか私のリュックサックを開けており、私が叫ぶと、このグループは逃げていった。
どれも、ヨーロッパ全土でよく見受けられるスリの手口ですね。
治安が良いクロアチアでは、現状、お隣イタリア等で報告されている「首絞め強盗)」や「ケチャップスリ」「切り裂きスリ(気づかぬうちにバッグを切り裂いて貴重品を盗む)」のような、凶悪な強盗やスリ被害は耳にしませんが、油断によるスリ被害がほとんどです。
次にはスリ被害を防ぐために気を付けて頂きたいことをお伝えします。ぜひ安全で楽しい旅のヒントにしてください。
スリ被害を防ぐために
スリ被害に遭わないように、次の点を心がけてください。
1.貴重品をリュックサックや口が開いたバッグに入れない
「死角になるところ、手が届きやすいところに貴重品を入れない」「口がしっかりと閉まらないバッグを使用しない」というのは、スリ被害に遭わないために最も大切なこと。
口がしっかり閉まるバッグを利用していても、特にバッグ内の取り出しやすい所にお財布を入れている方は要注意。「自分の手が届きやすいところは、スリの手も届きやすい」と肝に銘じてくださいね。
また、どうしてもリュックサックを利用したい方は「貴重品はリュックサックの内ポケットに入れる」「簡単に開かないよう、チャックに鍵(南京錠など)をかける」「さいあく盗られてもいいような荷物はリュックサックの中へ。貴重品は死角にならない、別の小さなバッグに入れる」など、防犯を徹底してくださいね。
2.貴重品を体から離さない
日本では「レストランやカフェで席とりのためにスマホやバッグを置いて席を立つ」という人の姿をよく見ますが、海外でこのような行動をすると置き引きに遭う可能性大。クロアチアも例外ではありません。
ホテルの朝食会場も油断禁物ですよ!
なくなって困るもの、貴重品からは目を、体を放さない!何が起こっても自己責任です。
3.話しかけてくる人に注意
気さくでお話好きな人が多いクロアチア。「困っている人がいたら、放っておけない」という、心優しい人が多い素敵な国です。
「道に迷ってオロオロしていたら、地元の人が“どうしたの?どこに行きたいの?”と、声をかけて助けてくれた」
「宿泊先の宿を地図で探しながら、石畳の階段を女性一人で必死でスーツケースを引っ張り上げていたら、どこからともなくおじさんが現れて”僕が手伝ってあげるよ”と助けてくれた。おまけに宿まで荷物を運んでくれた。特にチップなど見返りを求めるわけでもなく、ただただ親切でびっくり。おかげで無事に宿まで辿り着くことができた」
「街中でローカルバスを待っていたら、おじいちゃんにいきなり”どこから来たんだい?”と話しかけられた。英語が堪能なおじいちゃんで、トラムが来るまでの間、楽しいお話を聞かせてもらった。いい思い出になりました」
・・・というようなエピソードを、たくさんの旅人から耳にします。
ですので、話しかけてくる人すべてに対して必要以上に敏感になる必要はないかもしれませんが、やはり警戒心は必要です。
あなたを狙う悪い人(スリ)なのか、ただただ親切な人なのか、見極めが難しいかもしれませんが「突然話しかけてくる人がいたら、まずは心の中で貴重品に気を配る」という点を心がけてくださいね。
なお、前ページでもお伝えしましたが、特に「ザグレブのトラム内で話しかけてくる人がいたら要注意!」ですよ!
4.混雑した場所では特に注意
人が多い場所、混雑した場所はスリが好む場所。
特に死角が多いリュックサックを利用される方は要注意!「混雑した所では、リュックサックを前抱えにして歩く」など、防犯意識を徹底してくださいね。
5.チケット売り場に注意
スリは「チケット等を購入した後、お財布をどこにしまうか」というあなたの行動を観察しています。
お財布を使った後、ついつい無意識のうちにズボンの後ろポケットにつっこんだり、カバンをパッと開けて放り込んでしまう・・・という方も多いと思いますが、「スリが狙っているかもしれない」と意識しながら、ゆっくりと落ち着いて、カバンの内ポケット等にしっかりとしまってくださいね。
繰り返しますが、「自分の手が届きやすいところは、スリの手も届きやすい」と肝に銘じてくださいね。
6.団体旅行でも注意
実際に被害に遭われた日本人観光客の方のエピソードにもありましたが「団体旅行中だったので、自分の周りは同じグループの日本人ばかりだと思い込んでて安心しきっていた」という声もよく耳にします。
楽しい街歩きの最中に、常に周りを警戒しながら歩く・・・というのは難しいかもしれませんが、やはり頭の片隅に「ひょっとしたらスリがいるかもしれない」という意識をおいて、ここまでお伝えしたことをきっちりと守ってもらえれば、まず心配はないでしょう。
それから、上記以外にも「貴重品を一か所にまとめない」という点も心がけてください。
時々「貴重品をポーチ等にまとめて、バッグに入れている」という几帳面な方がいらっしゃいますが、これが致命的な仇となる場合があります。”貴重品入れ”をそのままごっそり盗られると一巻の終わりです!
貴重品はまとめず、必ず安全な場所に分散して管理するようにしてくださいね。
病気・怪我について
ここまでスリ被害状況について詳しくお話をお伺いしましたが、次は日本人旅行者が遭いやすい「病気や怪我」についての領事さんのお話をお伺いしましょう。
「残念ながら、クロアチア観光中に病院や怪我で入院してしまうケースも見受けられます。
クロアチアは、真夏でも夜になると急に冷え込むことがあるので、事前にクロアチア現地の気候や旅に適した服装をチェックして、準備してきてくださいね。
(関連記事: 【保存版】クロアチアの季節・気候・服装アドバイス )
また、服装で特に注意してほしいのが、プリトヴィッツェ湖群国立公園。プリトヴィッツェは自然公園なので、急な階段や足場の悪いところもあり、ハイキングにふさわしい靴で訪れる必要があります。
(関連記事: 【観光前にチェック】プリトヴィッツェ散策 服装と持ち物 )
それから万が一、旅行中に体調が悪くなった場合は、早めに医師の診断を受けることをおすすめします。団体旅行であっても、早めに添乗員さんに相談して、無理をしないでくださいね。
せっかくの旅行だから・・・と無理をしたために病状が悪化し、クロアチアで長期入院することにもなりかねません。早めに受診すれば、数千円の診察料と薬代で済むことも珍しくありません。
それから、病気や怪我に備えて海外旅行保険にも必ず加入していらしてください。今まで、様々なケースを見てきましたが、なかにはICU(集中治療室)に数か月入院され、治療費が数千万円に上った・・・というケースも実際にありました。
トラブルなく帰国してもらえることを願っていますが、やはり万が一の際に海外旅行保険はとても心強い存在です!お守りだと思って、ぜひ加入していらしてくださいね。
あと、ぜひクロアチア現地でも利用できる携帯電話やスマートフォンもお持ちください。
特にご高齢の方に“普段日本で利用している携帯電話を海外に持っていくと通信費が高くなりそうだから怖い”と仰る方が多いですが、何かあった時に携帯電話がないと、とても不便です。
各方面に連絡するために電話が必要となってきますし、日本のご家族の方や日本大使館が(みなさんに)連絡を取りたい時、(みなさんに)つながる携帯電話があると非常にスムーズに物事が運ぶ場合があります。
例えば、貴重品(お財布やパスポート等)が盗難に遭った場合、あとでパスポートだけゴミ箱に捨てられているのが発見された・・・なんてケースもたまにあります。
海外で(落としたり、盗難にあった)邦人のパスポートが発見された場合は、まずは日本大使館に連絡が入ります。
すると大使館では、パスポート申請の際、みなさんに用紙に記入してもらった”緊急連絡先”などを頼りに、みなさんにコンタクトを図ります。(緊急連絡先として、日本のご家族を登録されている人が多いと思いますが、まずは、そこに連絡がいきます。連絡を受けたご家族が、みなさんへスムーズに連絡を取ることができれば、より早く物事が進みますね)
緊急連絡先のご家族と連絡が取れても、肝心のご本人にクロアチア現地で連絡が取れないと、早く解決できたはずのトラブルが長引いてしまいます。
海外でもつながる携帯電話を持っていると、様々なトラブルの際に対処しやすいです!今は、気軽に利用できる海外用携帯レンタルサービスや海外WiFiレンタルサービスなどもたくさんありますので、ぜひご用意していらしてください。
あと、旅先の安全最新情報を入手できるたびレジもぜひご活用くださいね」と領事さん。
筆者も仕事柄、クロアチアを旅行中に体調を崩された方の病院の付き添い(通訳)のお仕事などをお受けすることもありますが、領事さんがおっしゃる通り「早めの診察」と「海外旅行保険への加入」を強くおすすめします。
海外旅行保険に入っていれば、万が一の際、保険会社のオペレーターさんたちが日本語で対応、的確なアドバイスを行ってくれます。
特に個人旅行では「体調が悪くなっても、海外でなんて、どこの病院に行けばいいか、さっぱり見当もつかない」「現地語はもちろん、英語もさっぱりなので、とても不安」という方もいらっしゃると思いますが、海外保険に入っていれば、現地の病院を案内してくれたり、現地の日本語通訳の手配を行ってくれることもあります。
また「お医者さんの診察を希望する場合、保険会社に病院を教えてもらう、という手段の他、ホテルのフロントスタッフに頼めば、ホテルのお部屋までお医者さんを呼んでくれる場合もあります」と領事さん。
どんな症状であれ、我慢しすぎずに「早めの受診」に越したことはありません。
特に60歳以上の方に注意していただきたいのが、肺炎。
「“ただの風邪、きっと旅の疲れが溜まっているんだろう・・・たいしたことはない”と思って我慢していたら、夜突然高熱が出て、ホテルで倒れてクロアチアで入院することに。ただの風邪だと思っていたら、肺炎だった」という患者さんに、筆者も実際、今まで何度かお会いしてきました。
特に、団体ツアーでお越しになられる方は「ちょっとしんどいけれど、添乗員さんやツアーのみんなに迷惑をかけたくないし・・・」と、ついつい無理をしてしまう方が多いようです。
自分のペースで旅ができる個人旅行なら、当日の気分や体調に合わせた旅ができますが、1日のスケジュールが予め決まってしまっているツアーなら「ちょっとしんどいから、この辺りで休憩したい・・・」とは、なかなかいきませんよね。
そのため「みんなに心配、迷惑をかけたくないから・・・」と、ついつい無理をしてしまう方が多いよう。団体ツアー中、「なんだかちょっと体調が優れないな・・・」「あれ?なんだか疲れがたまっているのかな?」と思ったら、無理をせずに早めに添乗員さんにご相談してくださいね。
(おわりに)クロアチアの治安
最後に領事さんからのメッセージをお伝えします。
「よく“クロアチアは安全ですか?”との質問を頂きます。
クロアチアは安全な観光地で、私も自信を持っておすすめしますが、“ここは日本ではない”という緊張感を持つことは必要です。
スリ、病気、怪我には十分に注意して観光を楽しんでくださいね」
筆者も、クロアチアにお越しくださるみなさんが、トラブルに巻き込まれることなく、お土産とたくさんの楽しい思い出だけと共に、無事に帰国してくださることを心から願っています!
それでは、どうか安全で楽しい旅を・・・!
(小坂井真美)
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