【実録レポート②】ザグレブのトラム車内に出没する不審な女(治安情報)
度々当サイトでも注意喚起していますが、冬の観光オフシーズンになってからもザグレブ市内を走るトラム車内でのスリ被害が多発しています。
先日、ザグレブ大学にご留学中のR・Yさんより、ザグレブのトラム車内で実際に体験されたスリ被害に関する詳細なレポートをお寄せいただきました。
昨年10月に当サイトでご紹介させていただいた日本人旅行者のTomonobuさん(※)からお寄せ頂いた被害状況と非常似た手口ですが、実際に起きた詳細なケースを多く知っているほど、スリに対する防犯意識が高まり、非常に効果的だと思いますので、R・Yさんからご提供いただいた貴重な情報をご紹介させていただきますね。
スリ被害の詳細
【発生日時・場所】
発生日時 : 2019年 1月10日 17:00頃
発生場所 : トラム6番線(črnome)行きの車内
中央バスターミナル前の駅( Autobusni kolodvor)にて乗車、ブラニミル駅(Branimirova)にて降車
(※ブラニミル駅は中央バスターミナル前駅よりわずか2駅目(時間にして3分程度)です。このことからも、犯行は乗車後すぐに行われたことがわかりますね)
【犯人の特徴】
犯人は3人組。 見た目は3人ともクロアチア人(ヨーロピアン)
<女1>
財布を盗もうとした実行犯。どっしりとした体格。細いきつめの眉。身長170以上。ベージュのニット帽。黒の長めのダウン。30代くらい。
<女2>
「チケットの打刻法を教えてあげる」としつこく話しかけてきた女ふたり組のうちのひとり。中肉。身長160ちょっとくらい。ピンクのセーター。おそらく黒のダウンを着ていた。20代か30代くらい。
<女3>
「チケットの打刻法を教えてあげる」としつこく話しかけてきた女ふたり組のうちのもうひとり(後に逃げた女)。痩せ型。身長150ちょっとくらい。白のセーター。アウターの有無は覚えていない。11~15歳くらい。
【被害発生時の状況】
その日は父と一緒にプリトヴイッツェ湖群国立公園に行き、17:00頃に中央バスターミナルに到着しました。
小坂井さんのブログをいつも読んでいたので、「中央バスターミナルから街の中心部を結ぶトラム6番線と2番線は、特にスリ被害に注意が必要」ということは知っていたのですが、宿泊していたホテルがその間に位置していたので、父とトラムに乗車することにしました。
また、「ザグレブのトラムでは、チケットを打刻するのは先頭車両と後方車両だけ。定期(IC)カードではなく紙のチケットしか持っていない観光客が、打刻のために集中するその車両(先頭車両と後方車両)が特に危ない」ということも知っていましたが、チケットを打刻するために、後方車両に乗車したのです。
(※R・Yさんが仰るとおり、観光客が集中する先頭車両と後方車両はスリが非常に多いです)
打刻して中央部分の車両に移動するつもりでしたが、スリ犯は少し肌の色が浅黒いという情報をよく聞いていて、周りを見渡して大丈夫そうだと思い後方車両に留まってしまいました。
でも、実際私が出遭ったスリは地元風の人でした。ここで少し油断してしまったのかもしれません。スリ犯の特徴を知っておくことは大切ですが、その特徴と違う人もいるので「この人たちは大丈夫そう」と思い込みで、勝手に決めつけない方がいいと思いました。
当日の車内は「ひとつ空席があり、何人かが立っている」というような、さほど混んでいないような状況。
そんな状況にも関わらず、チケットを打刻して数分後・・・。体格のいい女性が急に私の前に仁王立ちになってつり革を持ち、ぐいぐい迫ってきて私を一番後ろ(車内奥)に追いやってきました。
そして気がつけば、若い女2人が父に話しかけ、父はチケットを打刻しているにもかかわらず、チケットの打刻の仕方をしつこく教えようとしていました。
私はそれを見て(父に話しかける女2人が)スリだと気づいたのですが、そちらに気を取られしまい、目の前の女性を「邪魔だな」と思う程度で、グルだということに気がつけませんでした。
私は父のところに行こうとしましたが、目の前の女は私をずっと押してきてなかなか移動できませんでした。少し移動したり、立つ場所を変えようとしても、その女は身体を押し付けながら私にくっついてきました。
そして、ついに移動できなくなった状態で、女と体が向かい合わせで密着状態になっていることに気がつきました。
そこでやっと小坂井さんのブログで以前書かれていた、そんなに混んでもいないのに無理やり押してくる1人とチケットの打刻を教えようとして気をひく2人の「スリの3人組」がいるという記事を思い出し、慌ててカバンを確認しました(貴重品を入れていたカバンは前がけにしていました)。
しかし気づいた時には、カバンが開いており、財布がなくなっていました。
そこで私は声を出し、財布を盗ったことを女に指摘すると、女は自分のカバンの中を見せ「この中に財布はないでしょ」と無罪を主張してきました。
しかし私にカバンの中を見せている間に、女は片方の手で私の財布を床に落とし、それを見ていた父が拾い上げてくれました。財布も開いていましたが、すべてのカードとお金は無事。続いてカバンの中を確認したら、パスポートも携帯もあったので、本当に危機一髪だと思いました。
しかし何か違和感を感じ「何か他にも盗まれているかもしれない」と思い、女3人組が降りた駅で一緒に降車しました。そして父と一緒に、女3人組を歩いて追いかけました。
女3人組のうちのひとりである11~15歳の女は、途中でひとりだけ違う道に逸れて行ったので、見失ってしまいました。
降車した後、私たちの事情を知った見知らぬクロアチアの男性が警察に電話してくれました。
女2人は中央鉄道駅の奥に停まっている列車に逃げ込んでいたので、5分くらい経って「もういいかな・・・」と諦めかけていたところに警察官が来てくれて、女2人を捕まえてくれました。そして、私たちも事情聴取のため警察に連れて行かれました。
警察署に行くと、その女たちの前科に関する書類があったので、常習犯なのだと思います。
警察署で手荷物の確認をした時は「パスポート、財布、携帯があるから大丈夫」と思っていた一方で「カバン、こんなにスカスカだったかな?」という違和感はあったものの、何か他に盗まれていたものがあったことに気づくことができませんでした。
しかし、後に警察署から帰宅した後、ポーチがなくなっていることに気づきました。
3日後、同じ6番線のトラム(トミスラブ広場前から中央バスターミナル行き)に乗ると、またスリの女二人に出くわした(女1・女2の二人組。女3はこの時見かけませんでした)ので本当に気をつけた方がいいと思います。
彼女たちの様子を観察してみると、中央バスターミナル前駅でトラムから降りた後、中央バスターミナルにある一階のカフェの窓際に行って、そこで座って周りの様子を見ていたので、バスから降りてくる観光客の様子を伺い、早くから「ターゲット」を物色していたのかもしれないです。
カバンは前がけに(身体の正面に持ってくるように)していれば大丈夫だと思っていましたが、相手は巧みに気を引いて盗もうとするので、冬は貴重品が入ったカバンをすっぽりコートの中に入れるくらいの対策を取った方がいいと思います。
今回私はポーチだけで済んだのでよかったですが、小坂井さんのブログのおかげで貴重品は未遂で防ぐことができたので、少しでも同じような目に遭う人が増えてほしくないと思い、情報提供をすることにしました。
クロアチアは比較的治安も良く、とてもよい国です。
しかし、アジア人(あきらかに観光客であるとわかる人)である限り狙われやすいので、スリだけは気をつけて観光をぜひ楽しんでください。
(※上記「スリ被害の情報」はR・Yさんより頂戴した内容ほとんどそのまま掲載していますが、一部加筆・修正して編集させていただきました)
被害に遭わないためのポイント
ポイント① 思い込みにご用心
「スリ犯は少し肌の色が浅黒いという情報をよく聞いていて、周りを見渡して大丈夫そうだと思い後方車両に留まってしまいました。
ここで少し油断してしまったのかもしれません。スリ犯の特徴を知っておくことは大切ですが、その特徴と違う人もいるので「この人たちは大丈夫そう」と思い込みで、勝手に決めつけない方がいいと思いました」とR・Yさんも仰っているように、実際みなさんを狙うスリは、よく耳にする犯人の特徴と異なることがある可能性があります。
実際、私が数か月前、ザグレブのトラム車内で遭遇したスリの女も、見た目は肌が白い「地元民風」でした。(その時の様子は「【体験談】ザグレブのスリに狙われてみました…!」をご覧ください)
(見た目は地元民風でしたが、私が見かけた女3人組はクロアチア語・スラブ語ではない言葉を話していたので、クロアチア国外からやってきた犯罪グループの一味だと思われます)
今回R・Yさんが被害に遭われた女集団の特徴は、「女3人組」という点では一致しているものの、私が数か月前に遭遇したスリ集団と少し特徴が違うように思うので、おそらく異なるスリグループでしょう。
去年、よくザグレブ旧市街エリアで見かけたスリ集団は肌が浅黒い、いわゆるロマと呼ばれる人たちによるグループでしたが、もちろん「肌が浅黒い、ロマ風の人=スリかもしれない」「地元民風のヨーロッパ人(白人)、クロアチア人=スリではない」というわけでは決してありません。ロマの方の中にも良い人はいるでしょうし、クロアチア人の中に悪い人はいます。
私はザグレブに住んで6年経ちますが、優しくて気さくな人が非常に多いこの町は、住み心地も良くて大好きです。
そんな町について、こんなことを言うのは非常に残念ですが、最近のザグレブ車内でのスリ被害の多さを耳にしていると、もはや「トラムに乗ったら、周りにいる人は全員スリかもしれない」というくらいの勢いで警戒する方がよいのではないか・・・と思い始めています 😥
ポイント② 話かけてくる人に注意
トラム車内でのスリの手口に多く共通しているのが、今回のR・Yさんケースや以前お伝えしたTomonobuさんのケースのように「チケットの打刻の仕方を教えてあげる」としつこく話しかけてくるというもの。
気さくで親切な人、お話好きな人が多いクロアチアですので、なかには悪意なんて全くなく「ひょっとして、困っているのかな?」という親切心や「どこから来たのかな?」というみなさんへの好奇心から話かけてくる人もいるかもしれませんが、被害に遭わないためにも「トラム車内で話しかけてくる人はスリである可能性が高い」と警戒していただいた方が無難でしょう。
ポイント③ 身体を押し付けてくる人はスリ
特に声を大にして言いたいのが「身体を不自然に押し付けてくる人がいたら、ほぼ間違いなくスリ」だということ。スリでなければ、おかしな変態でしょう(笑)
不運なことに、そのようなシチュエーションに遭ってしまったら次のことを心がけてください。
1.「周囲にスペースがあるなら、無理矢理にでも移動する」(相手と距離をとる)
2.「周りが混雑して動けないなら“押さないでください!”などと声に出す」(声を出すことによって、相手に「警戒しているぞ」ということをアピールする)
外国語が苦手なら、日本語でもいいのでひと言声に出しましょう。むしろこのようなシチュエーション、トラブルの際は自信なさげに外国語で言うよりも、母国語である日本語で毅然とした態度で言った方が効果があります。
また、当たり前ですが貴重品が入っているカバンに注意を最大限に注いでください(スリは、あなたの注意が貴重品から逸れることを狙っています)
ポイント④ 怪しいと感じたら、すぐに貴重品を確認する
今回R・Yさんが貴重品の被害に遭わなかった最大のポイントは「怪しい」と感じた時点ですぐに貴重品の確認をされたこと。
その場ですぐに確認しなかったら、お財布が盗られていることに気が付かず、ポーチだけではなくお財布まで盗られていたことでしょう。
また「他に盗られたものがあるかも・・・」と、犯人たちが下りた駅で一緒に降りたという点も(今回のR・Yさんのように)場合によっては良い判断でしょう。なぜなら、ザグレブのスリ集団は「犯行に及んだ後は、すぐにトラムから降りる」という特徴があるためです。
「ひょっとしたら何か盗られたかもしれない。でもトラムはもうすぐ次の駅に到着・・・。犯人らしき人物も、次の駅でおそらく降りる。ゆっくりと確認している時間はない・・・」という際は、ひとまず犯人が降りた駅で降りるのも一案かもしれません。
ただし、これは危険が伴う可能性も否定できないので、判断が非常に難しいところ。少なくとも、今までクロアチア、ザグレブではこのような凶悪なケースを耳にしたことはありまんが、スリに盗られたものを取り返そうとしたり、スリを捕まえようとして「逆切れした犯人に暴行を加えられる」なんていう事態にならないとも言い切れません。
そのため、やはりまずは「スリ被害に遭わない」のが一番です!
これから春に向けて観光客が少しずつ増えていきますが、これを読んでくださっているみなさんが被害者にならないことを心から願っています。
スリ被害に遭ってしまったら?
お財布の中にクレジットカードを入れている人は、盗難被害に遭ってしまったらすぐにクレジットカード会社に連絡してください。
そのため、万が一の場合にすぐに連絡がつくよう、クレジットカード会社の連絡先とクレジットカード番号を手帳などに控えておくことをおすすめします。
このようにクレジットカードは電話一本でひとまず処理ができますが、スリ被害に遭った時、一番困るのがパスポート。
パスポートがないと日本に帰ることができません。
パスポートを紛失した際に、スムーズに手続きを進められるように知っておきたい手順について詳しくは「【クロアチア治安情報】旅行中スリ・盗難に遭ったらどうする?」をご覧ください。
あなたはスリに狙われやすい?あわせてチェック!(↓↓)
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(2019年2月4日 小坂井真美)