【現地ガイド伝授】「いくら払えばいい?」気になるクロアチアのチップ事情

「クロアチアではチップの習慣があるの?」「どんな時にチップを渡せばいい?どれくらい必要?」などなど、気になるクロアチアのチップ事情を現地在住ガイドがお伝えします。

クロアチアのチップ事情

 

日本ではチップの習慣がないので、海外旅行の際に「どれくらいチップを払うべきか?」と悩む方が多いのではないでしょうか。

 

「ヨーロッパではチップを払うのが当たり前の習慣だ」というイメージがあるかもしれませんが、クロアチアではもともとチップは「絶対に払うべき」という習慣はありませんでした。

 

ですが、”チップ必須”の国ではないとはいえ、感謝の気持ちを表すためにサービスの満足度に見合ったチップを渡すことは習慣的。

 

また最近はチップを渡してくださる観光客が増えたため、特に観光地を中心にチップの習慣がかなり定着してきました。

 

 

ですが、日本のガイドブックや一部のネット記事等では「クロアチアではチップの習慣がない」と紹介されているものも。きっとそのためなのでしょう、クロアチアではチップを渡さない日本人観光客の方が多いみたいです。

 

そのためレストランやカフェ、ホテルのスタッフやドライバーの仕事をしているクロアチア人の知り合いから「日本人観光客のみなさんは、マナーも良く、私たちスタッフに対してもすごく礼儀正しく接してくれるので大好き。

 

別れ際にも「フヴァラ(クロアチア語で「ありがとう」)」ってクロアチア語で挨拶してくれる日本人観光客の人もいたり、いつも接していて思わずほっこり、嬉しくなることもいっぱいある。

 

でも、チップを渡してくれる人が他の国の人と比べてかなり少ないのが、正直残念かな・・・(笑) でも、日本ではチップの習慣がないって聞くから、仕方がないなって思ってるよ」という声を時折耳にします。

 

一部なのかもしれませんが「日本人はあまりチップをくれない」という、残念なイメージが定着しつつあるみたいです。

 

ですが一方で「日本の方からチップを頂いた!」というクロアチア人のドライバーさんやガイドさんからは「この間、日本人観光客の方をご案内したら、別れ際にチップを頂いた。しかも“小さくてきれいな袋”に小さくお札を折りたたんで・・・!すごく日本的で、とっても感動した!」という声を耳にすることもあります。

 

“小さくてきれいな袋”とは「ぽち袋」のこと。海外ではチップ(現金)をそのまま渡すのが一般的ですが、ぽち袋に入れて渡す…という日本的なチップの渡し方に感銘を受けるクロアチアの人もいます。

 

やはり素晴らしいサービスを提供してもらった時に感謝の気持ちを表す方法のひとつとしてチップは最適

 

ホテルで荷物を運んでくれるポーターや、ルームサービスの係りの方、カフェやレストランでの会計時、タクシーの運賃支払いなどなど・・・。

 

(※特に5つ星ホテル(ポーターさんやルームサービス、ホテルのカフェ・レストラン利用時)や高級レストランでは、基本的にチップは必要とお考えください。)

 

「フヴァラ(クロアチア語で「ありがとう」)」と笑顔でチップを渡すと、やはりとても喜んでもらえるので、素敵なスタッフさんに出逢った時はぜひ渡したいですね。

 

どれくらい渡せばいい?

 

高級レストランなら合計金額の10%程度

 

カフェやカジュアルなレストラン、短距離のタクシーの支払い時には合計金額の端数部分を切り上げ、おつりとなる金額をチップとして渡すと喜ばれます。(たとえば、支払額が18€だった場合、20€を渡して「おつりは結構ですよ」と伝えるなどするとスマートです)

 

支払い時にクロアチア語でUredu je(ウレドゥ イェ!/英語でいうと“It’s OK”のような表現)やZadrzite ostatak(ザドゥルジテ オスタタック/おつりはとっておいてください)と言うと「おつりは結構です」というニュアンスになります。

 

最後に「フヴァラ(ありがとう)」と笑顔で付け加えると、きっと担当の方に喜んでもらえることでしょう。

 

なお、特にみなさんによくご質問を頂戴するチップ料金の相場が丸一日案内してもらったガイドさんやドライバーさん

 

「この人、とても素敵なガイドさん、ドライバーさんだったな」という方に対しては、上でも述べたように、ぽち袋にチップを入れて「フヴァラ(ありがとう)」とクロアチア語で伝えると、とっても喜んでもらえるはず。

 

「チップをどれくらい渡すか」はあくまでもみなさんの気持ち次第ですが、丸一日みなさんに付きっ切りでご案内されたプライベートツアーのドライバーやガイドなら20~30ユーロ(少なくとも15ユーロ)が相場です。ただし、参加人数が数十人規模のかなり多い団体ツアーのご案内などなら10ユーロ~でも良いかもしれません(数時間のツアーならもう少し少なくてもOK)。

 

なお、周りのクロアチア人ガイドのみなさんに聞き込みをしたところ、他の国からの観光客(特にアメリカ人観光客)は単純に「ツアー代金の10%を目安にチップにくださる」という方も多いみたいです。

 

いずれにせよ、各種チップの目安は10%前後と考えておくとラクかもしれません。

 

なお、せっかくチップをお渡しされるのに少なすぎるとかえって失礼になってしまうので、少なすぎるチップを渡すなら渡さない方が良いでしょう。

 

例えば丸1日案内してくれたみなさん専属のドライバーさんやガイドさんで、「サービスも良くとても楽しかった!」という場合、やはり見合った上記相場のチップ(20~30ユーロ)をお渡しいただくと、みなさんも相手もお互い気持ちが良いと思います。

 

私個人的には「チップはあくまでも気持ち」で、例え少額でも有難く受け取るべきだとは思いますが、最高のサービスを提供してくれた方にそれに見合わない少なすぎるチップを渡す行動は残念ながら「あなたのサービスの価値はこのくらいしかない」という意味に捉えられることもあります。

 

なお、クロアチアではなくアメリカのガイドさんですが、「少なすぎるチップならあげないほうがよい」の理屈を数十秒で非常に短くわかりやすく説明してくれているこちらのYouTubeショート動画を見つけたので、よろしければこちらもヒントになさってみてください。クロアチアおよびチップ文化がある国で共通して言えることだと思います。

 

きっとみなさんが「素敵な人だったな」と感じるガイドさんやドライバーさんは、チップをもらえても、もらえなくても、みなさんのクロアチアの旅が思い出深い時間となるように一生懸命努める方。

 

だからこそ、ちょっとした心遣い(チップ)は、彼らにとってより励みになるはずです!

 

クレジットカードで支払う時は?

 

アメリカなどでは、レストラン等でクレジットカードで支払いを行う時に「まずチップ欄に金額を記入⇒クレジットカードで支払い」というような手順を踏みますが、クロアチアは実にシンプルです!

1. まず、チェックをお願いしたらウェイターさんが伝票を持ってきてくれるので、注文したものと伝票が合っているかしっかりと確認しましょう。

 

2. 問題なさそうなら伝票が挟まれているホルダーにクレジットカードを挟んでウェイターさんに渡しましょう。ウェイターさんが支払いのための端末機を持って席まで来てくれるので、暗証番号を入力してください(たまに(持ち運びできない端末機なので)レジまで来てください、というお店もあります)

 

3. 支払いが済んだらウェイターさんが領収書とクレジットカードの控えをホルダーに挟んで返してくれます。

 

4. あとは、領収書とクレジットカードを抜き取って空になったホルダーに、渡したい額のチップを現金で挟んでおくだけです。

 

うまくタイミングが合えば「フヴァラ(ありがとう)」の笑顔と共に、テーブルの担当をしてくれたウェイターさんに直接渡してあげてください。もしウェイターさんが忙しそうなら、チップを入れて綴じたホルダーを席に置いてお店を出ればOKです。

 

(なお、稀ではありますが、一部の高級レストランなどではクレジットカード払いの際に、請求書に「チップを書き込む欄」や決済時に「チップを●%払う」と選択ができる方法を提示される場合もあります。)

 

あくまでも気持ちなので、過剰なチップを払う必要はありませんが、素敵な人に満足できる対応してもらった時は感謝の気持ちを込めて渡すと、お互いに嬉しい気持ちになれると思いますよ!

 

以上、みなさんのスマートで楽しいクロアチアの旅のヒントになれば幸いです。

 

 

【2023年7月追記】 

 

ご参考までに、現地のリアルな声を・・・。

 

私も日々、観光ガイドをメインに仕事をしていますが、観光業に携わるクロアチア人からは「アメリカ人観光客はほぼもれなくチップをくださる(サービスの10%が目安)ので、やはりとても有難いし嬉しい」という生々しい意見を耳にすることが多い一方で、「アジア人観光客の中でも、チップをいただけない確率が断トツで高いのは日本の方。中国や台湾、韓国の方の方がチップをくださる方が多い」という声を最近ちらほら耳にします。

 

彼らもやはり人間。チップをもらえると有難く嬉しいですし、「どの国の方がよくチップをくださるのか」の他、「この国の方はこのような行動をされる・・・」と、世界中から訪れる観光客の方を日々よく観察しています・・・(苦笑))

 

ですが、上でもお伝えしたとおり、本当に良い・プロフェッショナルなガイド、ドライバー、ウェイター、ホテルスタッフなどなど・・・は「チップの有無」でお客様を判断したりしていませんのでご安心を!

 

むしろ、心を尽くして最高のサービスを提供したつもりでもチップを頂けなかった際は「自分に至らなかったところがあったのかも・・・。もっと頑張らなきゃ!」と自らを省みています。(私の経験上、「チップをもらえなかった」と文句を言っている人に限って、失礼ながら質の良くないスタッフであることがほとんどです。

 

当サイトでも『クロたび』おすすめツアーなどで、日々クロアチア現地のガイドやドライバーなどと協力しながら仕事をしていますが、私は少なくとも、そのようなプロ意識の低いガイドやドライバーと仕事をしていません。)

 

「チップを渡す、渡さない」はあくまでもみなさんの自由。あまりモヤモヤせずに、ご自身の基準で判断され、旅を楽しんでくださいね!

 

(クロアチア在住ガイド 小坂井 真美

 

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