春先あたりから、市内のあちらこちらで工事が始まったザグレブ。
トミスラブ公園、ラディチェヴァ通りなど、多くの観光客も利用する場所を掘り起こしての舗装工事が行われています。
もちろん、作業中は通行止め、あるいは通行規制が。トミスラブ公園に至っては公園周りの通りだけではなく(通りの工事は現時点で完了しています)、市民の憩いの場である芝生が全部剥がれて、立ち入りできない状態となっています。
この工事にザグレブ市民はかなり懐疑的。「また必要ない工事をしてるの?」「掘り起こして、埋めて・・・税金の無駄遣いだ」「トミスラブ公園も、ラディチェヴァ通りも、あのままで良かったじゃないか。何をどうしたいんだ、一体!?」「せっかく良い季節なのに、芝生で寝転がれない」などなど、ご立腹の様子。
そして、ザグレブの観光スポットのひとつでもあるウスピニャチャ(ケーブルカー)もメンテナンスのため、先日5月16日から運休となりました。作業は1、2カ月続く模様。7月あたりに運行再開予定だとのことです。
ウスピニャチャの運休を知らずにザグレブを訪れた観光客は「せっかく“世界一短い公共交通機関”に乗ろうと楽しみにしていたのに・・・」とがっかり肩を落としています。
そんな観光客の様子を見て「もうすぐ観光ハイシーズンを迎えるというのに、街のあちらこちらを掘り起こして、挙句の果てにはウスピニチャも運休。何を考えているんだ?!」「工事やメンテナンスをするなら、観光客の少ない季節にできなかったのか」と、ますますご立腹のザグレブっ子たち。
腹が立ってもユーモアを忘れないクロアチアの人たち。
「ザグレブにやってきてくれる旅行者に“みなさま、ザグレブへようこそ!えぇ~、まず、みなさまの右手に見えるのはクロアチア名物であるドーザーショベルでございます”胸を張って案内できるね」
「さすが我らがクロアチアの政治家!クロアチア観光のアピールポイントをわかっているねぇ~!“去年観光シーズン真っ最中に行ったシーサイド(海辺の町)での工事が”大好評”だったので、今年はザブレブにもツーリストアトラクションとしてドーザーショベルを連れてきたわけか!」
(※“ドーザーショベル”とはもちろん、工事現場でよく見かける重機のことです。ドーザーショベルをあたかも「クロアチアにしか生息しない珍しい生き物」「クロアチア名物」であるかのように表現した皮肉です。)
・・・などなど、皮肉たっぷりの批判が飛び交っています。
せっかくザグレブへ足を運んでくれる旅行者の方のためにも、早く工事を終わらせて欲しいものです。(今は芝生が剥がれて寂しいトミスラブ公園は花壇などができて、もっと美しくなる予定・・・との噂もあるので、どんな風になるのか楽しみです)
とは言え、今のところウスピニチャが運休という事以外に、ザグレブ観光に大きな影響は出ていないのでご安心ください!
(2016年5月19日 小坂井真美)