筆者は今日(5月4日)、ザグレブから半日の日帰りの予定で、朝4:55ザグレブ発のリュブリャナ行きのバスに乗車しました。今日のリュブリャナでの最初の仕事の予定は朝8時。
ザグレブ=リュブリャナ間は片道約2時間程度なので、朝イチ(始発)の朝4:55のバスに乗車すればリュブリャナへの到着予定時刻は7:10。多少バスが遅れることを考慮しても、通常はじゅうぶん間に合うスケジュールなのですが、マサカの事態に巻き込まれた1日でした。
その「マサカの事態」というのは、先日当サイトでもお伝えした、クロアチア=スロベニアの国境の混雑(詳しくは『 【注意喚起】クロアチア=スロベニア間の国境渋滞について』をご覧ください)
先週あたりから「スロベニア=クロアチア国境(Obrežje)を通ったけど、10分程で通れたよ」という声も周りからよく耳にし、ニュースでも「混雑は解消しつつある」と見聞きしていたので、それを完全に信じ切って安心していたのですが、予想に大きく反して4時間待ち(!!!)の大渋滞に巻き込まれてしまったのです・・・。
私が乗ったバスがスロベニア=クロアチア国境(Obrežje)に差し掛かったのは5時半頃。私たちのバスの前に5台程大型バスがパスポートコントロールの順番待ちのために並んでいましたが、通常5台程度なら数十分で順番が回って来るので、誰もがすぐに国境を通過できるものだと思っていました。
・・・が、10分、20分、30分が過ぎても一向に1ミリも動く気配がなし。でも、1ミリも列が進まないのは大型バスのみで、乗用車やミニバンタイプの車両はどんどんと国境(出入国審査場)を通過して行きました。
その後、バスが停まってから1時間を超した頃に、ようやく先頭の1台が国境を通過。バスの乗客みんなが「やった!やっと動いた!これで、少しはペースアップしてくれるかも!?」と期待したのは束の間。
次のバスのパスポートコントロールが始まってから、またピタリと動きが止まってしまったのです。
先頭は一向に動かないのに、うしろから次から次へとやってくる大型バス。
それにも関わらず、早朝のためか、大型バス用の出入国審査場でオープンしているのは一箇所のみ・・・。2台目のバスも恐ろしい程時間をかけてチェックしている様子でした。
バスの運転手さんの話では、厳しくチェックされていたバスは、コソボやアルバニア方面から来た大型バスだとのこと。
「昨日もここを通ったけど、すぐに通過できた。なのになんで今日はこんなに混んでいるんだ!?バス1台のチェックに1時間もかけるなんて、一体何を調べているんだ~~!!」と大きなため息をついていました。
バスには今日リュブリャナから朝出発する飛行機に搭乗予定のお客さ
怒っても喚いても仕方ない状況とはいえ、これが日本なら、車内にひとりくらいはイライラしだす人がでてきそうな状況。
乗客ほぼ全員がクロアチア人だった今日の車内は、ただ単なるあきらめモードに包まれるだけで、ピリピリしたり、怒鳴りだす人はひとりもいませんでした。
道路に出てタバコを吸ったり、おしゃべりを楽しんだり、「いつになったら通してくれるんだよ~。一体何を調べてるんだよ~。まさか僕たちが何かとんでもないものをバスに積み込んで密輸しようと企んでいるって疑っているの?!」などなど、冗談交じりの愚痴を言いながら、なんだかんだで楽しそうに時間を過ごしていました
私はそんなクロアチア人たちをよそ目に、スケジュールの組み直しのため、各所への連絡作業に必死。「飛行機に間に合わない!」と言っていたお客さんは「高額だけど仕方ない・・・。どっちにしろ、もう間に合わないかもしれないけど・・・」とバスが止まってしまっている国境までハイヤーを呼んで、バスを降りて乗用車で国境を越えてゆきました(フライトに無事に間に合ったのでしょうか・・・)。
「だって、怒ったって仕方ないじゃないか。自分たちにはどうにもできない。バス会社のせいでもないし、運転手さんのせいでもない。なるようになるさ」とあきらめて笑う乗客たち。毎度ながら、気が長いというのか、あきらめがいいというのか、こんな状況の時のクロアチアの人たちの姿に、ある意味いつも感心させられます。
そんなクロアチア人たちも「これは参った・・・!」と嘆いていたのは、お手洗いにいけないこと。それと、飲み物や食べ物が手に入らないことです。
私は家を出る前に朝ごはんをしっかり食べてきて、ペットボトルのお水も持っていたので大丈夫でしたが、何も用意していなかったらすごく辛かったと思います。
その後、午前9時になり、ようやく2つめのゲートをオープン。でも相変わらず恐ろしい程にスローペースで、私たちのバスの順番が回ってきたのは9時半頃でした。
こんなに待たされて、どんな厳しい出入国審査を受けるんだろう・・・と思っていたのですが、私たちのバスのチェックは拍子抜けする程簡単なもの。乗客は全部で20人程度だったのですが、10分も経たないうちに審査が終わり通過することができました。
「1時間以上もかけてチェックされていたバスは一体なんだったんだろう・・・」と、みんなが溜息をつきながら首を傾げる中、ようやくリュブリャナに向けて再びバスが走り出しました。
結局リュブリャナに到着したのは10時半頃。到着予定時刻を4時間以上も超す大幅な遅れとなりました。
バスの運転手さんの話によると「今日のようにここまで酷い状況は稀だけれど、ここ数週間の間でも、運が悪い日は(大型バスが)1時間~2時間待たされることはある。乗用車レーンの混雑はだいぶ解消されていて待つこともほとんどないけれど、大型バスはまだしばらく要注意だね」とのこと。
リュブリャナ=ザグレブ間の主な移動方法は車、バス、列車の3通りありますが、現在のような状況では、一番予定通りに移動できるのは列車のようです。
私は今日、復路は列車を利用したのですが、バスではなく列車を選んで正解でした。到着予定時刻ぴったりにザグレブに着きましたし、やっぱり座席もバスより広くて快適。そしてお手洗いも着いているため、万が一途中で列車が止まってしまうようなことが仮にあったとしても、バスのようにお手洗いの心配をする必要もありません。
バスと比べると、リュブリャナ=ザグレブ間を結ぶ列車の本数は少ないので、うまくスケジュールに合う列車があるか否かが悩みどころではありますが、スケジュールにうまく合うようなら、列車での移動が確実でおすすめです。
これから夏の観光ハイシーズンに向けて、国境を通過する大型バスの数がますます増えるクロアチアとスロベニア。バスの運転手さんたちも「あぁ・・・このままじゃ、ハイシーズンは本当にどうなることやら・・・」と憂鬱そうにため息をついていました。
まだこの先、どんな状況になるかわかりませんが、今日1日を振り返ってみなさまにお伝えしたいことは「リュブリャナ=ザグレブ間の移動は、しばらくの間、列車が一番おすすめ」ということです。
ハイヤーなど専用車で移動されるなら国境の大混雑に巻き込まれる心配はあまりないと思いますが、大型バス(長距離バス)の利用はしばらく避ける方が無難でしょう。
それでも「安いし、本数が多くて便利だし、長距離バスで移動したい」と考えている方は、万が一のために最大4~5時間の遅れを見積もって、余裕のある計画を立てることを強くおすすめします。
少なくとも筆者はしばらくの間、クロアチアからスロベニア方面への大型バス(長距離バス)での移動はもうこりごりです(;´Д`)(苦笑)
これからの時期、クロアチア旅行にお越しになる方も多いと思いますが、みなさまの快適な旅のヒントになれば幸いです。また最新情報を耳にしたら、当ブログなどでみなさまにシェアさせていただきますね。
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(2017年5月4日 小坂井真美)