先日11月2日、今シーズン最後のツアーのご案内が終わりました!
年末に帰国するまでの間、ザグレブ市内のガイドなど、毎日何かしら仕事がちょこちょこありますが、やっとやっと、ひと息つけそうです(*^^*)
皆さまとお別れしたのは、2日の夜。ドブロブニクからご帰国の途へ着かれました。
私もできれば、その日のうちに自宅があるザグレブに戻って休みたかったのですが、あいにく皆さまのご搭乗便の後にザグレブ行きのの便がなかったため、ドブロブニク空港近郊のツァブタット(Cavtat)で一泊しました。
今回のツァブタットでの滞在をどんなに楽しみにしていたことか…!
特ににツァブタット散策や宿でのステイを楽しみにしていたという意味ではなく「ツァブタットに泊まる11月2日は、最後のツアーが終わり、仕事もひと段落してくる日。やっとゆっくり、ひと息つける日」だったため、ずっと密かに楽しみにしていたのです。
今回ツァブタットでお世話になったお宿はBooking.comから予約したApartments Rina Cavtat。
家族経営のアパートメントホテルで、キッチン、バスルーム付の実に広々としたお部屋でした。
11月2日から一泊の予約でお世話になったのですが、翌3日の夜21:50ドブロブニク発→ザグレブ行きのフライトを予約していた私。
(3日の夕方から、ドブロブニクの友達と会う約束をしていたものの)「それまでどうしようかな~・・・。チェックアウトぎりぎりまでお宿にいて、その後はカフェを転々として、PCで仕事でもするか・・・」なんて考えていたところ、「ザグレブ行きのフライト、最終便なのね。オフシーズンでお客さんも少なく、あなたが使う部屋は翌3日の予約がないから、好きな時間まで使っていいわよ!」と仰ってくださった有難いオーナーさんのご厚意で、夕方までのんびりとお部屋を使わせて頂きました。
((オーナーさんは)ご厚意で提案してくださり、追加料金などとはおっしゃりませんでしたが、もちろん心ばかりですが、少し多めにお宿代をお渡ししました(*^^*))
しょっちゅう訪れるドブロブニクと比べると、ツァブタットにはたまにしか来ないので、本当は「せっかくだから(コンテンツ作りのために)夜までツァブタット散策でもしようか・・・」と思っていたのですが、11月3日はあいにくのお天気。
ユーゴ*がびゅ~びゅ~吹き荒れる、荒れた空模様の1日でした。
(*ユーゴとは、アドリア海一帯で南東から吹く湿った風のこと。クロアチアでは「ユーゴが吹くとお天気が崩れる」と言われています)
そこで、優しいオーナーさんの嬉しいお申し出に甘えて、ゆっくり休む日にすることに決めました。
朝からずっと雨が降っていたので、お昼過ぎまでお宿でゴロゴロ、コロコロ…。
久しぶりにのんびりできることに、この上ない幸せを感じて、ひとりで思わずにんまり(*´ω`*)
でも、お昼頃になると「せっかくツァブタットに来たのに!一歩も外に出ないのはもったいない・・・」と脚がウズウズ。12時頃にはすっかり雨が上がったので、町中をブラブラ歩くことにしました。
宿を出てすぐに出会ったのは、岸で釣りをするおじさん。
何を釣ってるのかな〜と近づくと「やあ、こんにちは!ツァブタットは初めてかい?どこから来たの?」と気さくに話しかけてくれました。
「ザグレブに住んでいる日本人です。用事があってここに来ました。11月のツァブタットに来るのは初めてです」というようなことを話すと「もうオフシーズンで、閉まっちゃってるお店が多いけど、観光じゃなくのんびりするのには良い時期だよ。今日はあいにくのお天気だけどね」とおじさん。
「どんな魚が釣れるんですか?」と尋ねると「まあ、いろいろだね~。タイとかスズキ(の仲間)とか!今日は空模様はあいにくだけど、結構釣れたよ♪」とにっこり。
おじさんが釣ったお魚を入れているボックスを覗いてビックリ!
大きくて立派なお魚がたくさん入っていました!
ちなみに、あとで上の写真を見返して気づいたのですが、どうやら釣りのエサにしていたのは、おそらくパンくず・・・。(エサは何を使っているのか、聞いておけばよかったな~・・・とあとで後悔💦)
「エビで鯛を釣る」ならぬ「パンで鯛を釣る」おじさん。パンくずでこんなに立派なお魚を釣り上げていたのなら、驚きです!
全く釣りの知識がないのに、子供の頃から釣りの真似事が好きなので、おじさんが釣りをする様子をしばらく見ていたかったのですが「じっと後で見られていたら気が散るかな・・・?」と思い、おじさんに「ありがとう~!さようなら」と挨拶をして、街の中心部へテクテク歩いて行くことにしました。
観光オフシーズンのため閉店しているお店が目立つプロムナード。
営業しているカフェやレストランが数件ありましたが、地元っ子の姿もまばら。お土産屋さんは、1件のジュエリーショップを除き全部閉まっていました。
(ただし、地元っ子が足を運ぶスーパーはちゃんと営業していましたよ!)
夏の活気を失い、ちょっと寂し気だけれども、風と波の音だけが聞こえる静かなツァブタットの港。
歩きはじめた頃は、髪をボサボサに乱すユーゴを少し鬱陶しく感じていましたが、ずっと吹かれていると次第に清々しい気分になってきました。
それにしても、本当にすごい風!
ふっと視線を地面に落とすと、カモメ(??)が羽を休めていました。
近寄っても全く動かないので「具合でも悪いのかな?」とちょっと心配になりましたが、きっと風が止むのを待っていたのでしょう。
ツァブタットは地図を持たずに散策しても迷いようがないような小さな街。
ブラブラとあてもなく歩いていたのですが、街の端っこまで来てしまったので、ツァブタットの名所のひとつである小高い丘の上に建つラチッチ家の霊廟を目指して階段を上ることにしました。
万聖節(11月1日)の直後だったため、霊廟が建つ墓地にはお供えのお花がたくさん置かれていました。
丘のてっぺんに到着したあとは、そのまま反対側の海岸へ下ってみることにしました。
見えてきたのは人っ子一人いない寂しい海岸。
相変わらず、唸り声のようなすごい音を立てながら吹き荒れる風に、どんより曇り空。
「なんだかサスペンスドラマに登場しそうな風景だなぁ・・・。人もいないし、ちょっと怖いな~・・・」なんて思っていたら、三毛猫がひょっこり姿を見せてくれました。
とっても人懐っこい子で、こちらが声をかける前にタタっと足元に駆け寄って来てくれました。
「可愛いな~」とうっとり見ている間、ずっと足元でぴったり。
ミケちゃん(三毛猫)のおかげで、さっきまで感じていたちょっぴり不安な気持ちはどこかへ飛んで行ってしまいました(笑)
しばらく遊んでから「さて、宿の方向に戻ろうか・・・」と丘の上に向かって歩きはじめると、ミケちゃんもテクテク、私のあとをつけてきました。
私が立ち止まるとピタッと立ち止まり、私が歩きはじめるとテクテク歩き出すミケちゃん。
あまりにも可愛くて、途中からつい動画を撮ってしまいました(↓)(*´ω`*)
(※風の音が大きいので音量ご注意ください)
そんなミケちゃんのおかげで、丘の中腹の分かれ道、民家が立ち並び安心できるエリアまで、あっという間に戻ってくることができました。
不思議なことに「ここから先ならひとりで歩いても不気味ではないな」と感じた、その分かれ道より先にはミケちゃんはついてきませんでした。
まるでそこまで送り届けてくれたかのようなミケちゃんにさよならして、民家が並ぶ石畳の路地を進んで宿の方面へ引き返すことにしました。
途中、民家の軒先で実をたくさんつけたオレンジの木(↓)や
キウイ(↓)を見つけました!!
道なりにブラブラ歩いた先にあったのは聖ニコラス教会。
教会の近くまで行ってみたら、食事中らしきネコを発見しました(↓)
パっと見た時は1匹だけだと思っていましたが、そ~っと近づいてみると、もう1匹いることに気が付きました!
仲良くむしゃむしゃ、夢中で食べる2匹。
誰か街の人が毎日エサやりをしているのでしょう。
この2匹に限らず、ツァブタット(・・・というよりは、クロアチア全体で言えることですが)のネコたちは、みんなふっくら、毛並みが良く、人懐っこい!
飼い猫らしき子はもちろん、そうでない子も「街ネコ」として地元の人たちに大切にされているんだろうな~と、ネコたちの幸せそうな姿を見て感じることができます。
教会の前まで来ると扉が開いていたので、少し中を拝観させていただき再び外に出ると、さっきの2匹が食事を終えた様子でした。
じ~っとこちらの様子を伺う2匹。
とっても愛くるしく、もう少し側で観察していたかったですが、なんとなく「じゃましないで~」という雰囲気を2匹から感じたので、さよならして宿に向かうことにしました。
ネコがあちらこちらにいるツァブタット。
ちょっと進む度に、また新たなネコを見つけては、癒されながら歩を進めました。
宿の近くまで戻って来て、出会ったのがこのトラねこ(↑)
「どっしりした立派なニャンコだなぁ。男の子かな?」と思いながら、写真を撮らせてもらおうとしゃがんだのですが、トラねこ君はまさかの行動に・・・!
すっと前を走り去って行くのかと思いきや・・・
しゃがんだ私の膝の上に前足をちょこんと乗せて来たのです!
あまりにも可愛い予想外の出来事に心はメロメロ。
「できることなら、すぐにでもギュッと抱っこしてあげたいんだけどなぁ・・・」と思いながらも、「外で出会ったネコちゃんはあまり触らない方が良い」との教えを思い出して、頭を指でちょこちょこっと撫でるだけにして、ぐっと我慢。
写真を撮ろうとスマホで両手がふさがっていたので、こちらからは手を出さず、トラねこ君の思うがままに自由にさせていると、次はひょいっと膝の上に登ってきました!
思わずカメラを手放してそっと腕を添えると、私の腕と太ももをふみふみ・・・♥
なぜこんなに懐いてくれるのか不思議なくらい人懐っこい子でしたが、可愛いトラねこ君に心は完全に溶かされてしまいました(*´ω`*)
「ずっとこうしていたい・・・♥」と至福を感じる一方で、ずっとしゃがんだ体勢でじっとしているのもキツイ・・・。
また、周りに人の姿はほとんどなかったとはいえ、誰かに目撃されると「地面にしゃがみ込む怪しい人」だと思われるな~・・・脚もしんどくなってきたし・・・と、心の中で葛藤が始まりました。
数分経つと案の定、街のタクシーの運転手さんが「そんなところに座って、具合でも悪いのかい?タクシーが必要?」と心配そうに話かけてくれたのですが、ハッと振り向き「いえ!大丈夫です、タクシーは必要ないです!ありがとうございます!」と答えた私の膝の上を見て「ハハハ!そういうことだったのか!また雨が降ってきたから、君も濡れないようにね」と笑って、(お客さんは乗せずに)タクシーで走り去って行ってしまいました。
しびれてくる脚と、少しずつ強まる雨脚。
じっと膝の上で座るトラねこ君。
本当はずっとそうしていたかったのですが、泣く泣くそっと持ち上げて、トラねこ君に降りてもらえるように促しました。
地面に降り立ったトラねこ君は、雨を避けるようにさっと建物のかげに走って行き、こちらを何度かじっと見ながらどこかへ姿をくらませました。
ひょっとしたら寒くて人肌が恋しかったのか、おなかが空いていたのでしょうか?
どこか暖かくて快適な居場所が見つかるといいな・・・とトラねこ君を想いながら、宿に戻りました。
ネコが大好きな私にとって、ネコは最高の癒しのひとつ(*´ω`*)
本当はザグレブの自宅でもネコを飼いたいのですが、仕事などで家にいないことが多いので「日本の実家に帰ればネコ三昧だし・・・」と、ぐっと我慢しています。
年末、日本に帰れるまであと1カ月ちょっと。それを楽しみに頑張ります!
(2019年11月9日 小坂井真美)
【関連記事】
⇒ 【ドブロブニク】猫好き・路地裏マニア必見!おすすめ撮影スポット
⇒ 【クロアチア便り】ドブロブニクのネコたちに癒されまくっています♥
【クロたびスタッフの著書もよろしくお願いします】