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不吉な予兆⁈ 赤く染まるスロベニアのブレッド湖(写真あり)

※この写真はイメージです(加工されています)。今回の藍藻騒動と関係ありません

 

「アルプスの真珠」とも称えられる、スロベニアの美しい湖畔の街ブレッド。

 

なんとなんと、街のシンボルであるブレッド湖が赤く染まってしまったそうです!(↓)。

 

 

上の投稿写真からもわかるように、いつもなら青く美しい色を見せてくれる湖が赤一色に・・・!

 

私は最近、クロアチアの新型コロナ関連のニュースばかり追いかけていて知らなかったのですが、スロべニアのニュースサイトなどによると湖は数か月前から度々赤くなっていたそうです💦

 

ちなみに、いつものブレッド湖の様子は下(↓)のような感じ。

 

いつものブレッド湖はこんな感じです。

 

普段は水が澄んでいてきれいな湖です。

 

いつもはこんなに澄んだ水

 

季節やその日のお天気により大きく色が変わるブレッド湖。

 

今まで数えきれないくらい足を運んできましたが、特に今年の6月に訪れた時の筆舌に尽くしがたい美しさは非常に印象的でした(↓)

 

スマホのカメラで撮った写真なので色がきれいに出ていませんが、実際はこの100倍は美しかったです!!

 

なんともいえない不思議なグリーンの色をした湖。

 

その時、地元のガイドさんが「ブレッド湖は水中に含まれるバクテリアや成分で色が変わるんですよ~。それにしても、こんなに美しいグリーンの湖は珍しいです!」というようなお話をしてくれたのですが、どうやら今回湖が真っ赤に染まったのもバクテリアが原因のよう。

 

シアノバクテリア」(「藍藻」とも呼ばれるそうです)が大量に発生することにより、湖が赤く染まったそうです。

 

ところで、上で紹介させていただいたたFacebookの写真が投稿された日付を見ると先週の金曜日(3月13日)。

 

記事には「湖は数か月に渡り赤く染まっている」と書かれていますが、今月3日に私がブレッドを最後に訪れた際は特に異変を感じることはありませんでした(↓)

 

3月3日のブレッド。あいにくの雨でしたが、水は赤くなっていませんでした

 

ただ、3月17日付けのこちらの英語サイト(Total Slovenia News)の記事の見出しには「Lake Bled Turns Red, Again(ブレッド湖がまた赤く染まった)」とあるので、赤くなったり、元に戻ったり・・・を繰り返しているのかな??

 

記事によると近年ブレッド湖では、間接的・直接的に肥料などが湖に流れ込み、水中が栄養過多な状態になっていたのだとか。それによりシアノバクテリアが爆発的に増殖したようです。

 

ブレッド市は「地方レベルの権限と対策には限界があり、万策尽きた」と、スロベニア大統領や政府に対して、湖の環境保護、水質改善のために国家として取り組みをしてほしいと要請しているとのこと。

 

いつもブレッドに足を運ぶ度に「きれいな澄んだ水だな~」と思うだけだったので、こんな状態になっているとは驚きです💦 目に見えていないだけで、ずっと前からかなり水中の生態系は崩れていたのかもしれませんね。

 

スロベニアの人々の反応

 

ちなみに、赤く染まったブレッド湖を見た、スロベニア人だと思われるみなさんの感想には次のようなものがありました(写真の投稿者のFacebookのタイムラインに書き込まれていました。なかには隣国オーストリアの方のものと思われる投稿もありました):

 

「おええぇぇぇ~!」

 

「毎年起こる現象だよ。暖かくなったらこの藻たちは消える」

 

「気持ち悪い~」

 

「なんてこった!」

 

「魚たちに影響がなければいいけれど・・・」

 

「ブレッドのPR、イメージには最悪だね。でも、だからこそどうにかしなくちゃ」

 

「オーストリアにも同じようなピンク色の湖があるわ。藻によって色がつくのよ」

 

「いったい何があったの?」

 

ジョークから心配する声、冷静な声まで様々。

 

YouTubeで動画もありましたよ!(↓)

 

 

一種の自然現象とはいえ、赤茶色に染まるブレッド湖の光景は少し不気味で、ちょっぴり不吉な感じがします💦

 

一緒に見たクロアチア人の家族も「うひゃ~、なんじゃこれっ!?まるで血みたい!」と驚いていました。

 

クロアチアのプリトヴィッツェ湖群国立公園

 

クロアチアが誇る世界自然遺産のプリトヴィッツェ湖群国立公園も近年、観光客の増加により園内および周囲の自然、生態系への影響が懸念されていますが、ひょっとしたら他人事ではないかもしれませんね。

 

でも、プリトヴィッツェは厳しく自然環境が保護されているエリア。そしてブレッド湖よりも水に流れがあり、大きいプリトヴィッツェの湖たちが赤く染まるのはさすがにないと信じたいです。(人間の活動が原因で)もしそうなった場合は、世も末かもしれません (笑) (;´▽`A“

 

そもそもシアノバクテリアって何?

プリトヴィッツェ湖群の水中にもシアノバクテリア(藍藻)は棲んでいます

 

ちなみに、「シアノバクテリアって、世界中の湖で”大量発生した!”と時々騒がれている藻だよね?いったいどんな生物なんだろう?」と思ってちょっと調べたら面白いことがわかりました。

 

そもそも「シアノバクテリア(藍藻)」と一言でいっても、いろんな種があるそうですが・・・

 

シアノバクテリアが大量発生して困る主な点は次のとおり:

 

■水面にたくさん浮遊して集まるため、大量に発生すると湖を遮光してしまい、水草や他の植物プランクトンの成長を妨げる

 

■夜間の呼吸活動やシアノバクテリア自身が死ぬ際の分解活動により酸素が大量に消費されるため、酸欠により水中の魚などの生物が死んでしまうこともある

 

ブレッド湖が困っているのは、この種のバクテリアですね。

 

一方、私たちが今こうして生きて、呼吸をしているのもシアノバクテリアのおかげなのだとか!

 

約35億年前に地球ではじめて酸素を作った細菌だと考えられているそうです。

 

また、なかには食用とされている種もあり、一時日本でも一部の人の間で「栄養満点で身体に良い」と話題になっていた「スピルリナ」も藍藻の一種らしいです。

 

調べれば調べるほど、もっと面白い情報がたくさん出てきます!ご興味のある方はぜひググってみてください(*^^)v

 

いつものブレッド湖

 

何事もバランスが大切ですね。

 

新型コロナウイルスの影響で世界中で人の移動や経済活動が制限されることにより、皮肉にも「空気や水がきれいになってきた」というニュースも目にしましたが、一度壊れてしまったら簡単には元に戻らない自然や生態系。

 

私たちが多くの恩恵を受けている便利で豊かな生活を維持するためには経済活動はとっても大切ですが、自然ももっと大切にできる世の中になるといいな・・・なんて思いました。

 

ブレッド湖も本当の意味で澄んだきれいな水を取り戻すことができますように!

 

(2020年3月19日 小坂井真美

 

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