和歌山のネコの駅長「にたま」&「よんたま」に会ってきました!

『たま駅長』のマスコット

 

先日、和歌山のねこの駅長「にたま」と「よんたま」に会いに行ってきました。

 

「ねこの駅長?いったい、何を言ってるんだ??」と思った方もいるかもしれませんが、『ねこの駅長、たまちゃん』なら、昔どこかで耳にしたことがあるのではないでしょうか?

 

たまちゃんは和歌山市にある貴志駅の“駅長”を務めていたねこ。

 

私も日本に住んでいた頃、テレビでたまちゃんの姿をちらりと見た記憶はありますが、たまちゃんについて詳しいことは全く知りませんでした。

 

たまちゃんは廃線寸前だった貴志川線にたくさんのお客さんを呼び寄せ、鉄道を救っただけではなく地方再生のきっかけを作った、まさに福猫!

 

貴志駅、内部の様子

 

貴志川線、和歌山にたくさんの観光客を招き、訪れる多くの人に笑顔と元気、楽しい思い出をたくさん与えていた立派な駅長さんでした(貴志川線は2006年に和歌山電鐵が南海電気鉄道から継承して現在に至ります。これらのことは、最後に紹介するおすすめ本「ねこの駅長たま」を読んで知りました)。

 

たまちゃんは2015年に多くの人に惜しまれながらも16年の人生に幕をおろしましたが、たまちゃんの遺志を継ぐために、『たま2世駅長』として、貴志駅の駅長に『にたま』が任命されたのだとか。

 

まずはそんな『にたま駅長』に会うために、貴志駅に向かいました。

 

貴志駅の『にたま駅長』

喜志駅の駅舎。よく見ると屋根にねこ耳と目が・・・!

 

貴志駅に到着したら、さっそく可愛いちゃん『たまちゃん』のイラストが目に飛び込んできました(↑)。

 

たまちゃんに心を奪われてすぐには気が付かなかったのですが、貴志駅の外観は『ねこ』がモチーフになっているようです!

 

 

本「ねこの駅長たま」によると…立派な駅舎が建ったのも、すべてたまちゃんのおかげ、そして貴志川線を支えた人々のおかげなのだとか。

 

ちなみに、駅舎の屋根は「紀の国(木の国)」和歌山の木を使っているそうです。

 

 

駅舎の中に入るとガラスケースの駅長室(?)の中に『にたま駅長』が鎮座していました。

 

どうやらお休み中だったみたいで、にたまちゃんはスヤスヤ夢の中・・・。訪れる人に笑顔とカメラをそっと向けられながら、のんびりと眠っていました。

 

(ガラスケースを叩いたり、フラッシュ撮影は禁止されています)

 

 

(↑)上はむくりと起き上がった姿のにたまちゃん。

 

以前別の日に「にたま」に会いに行ってきた家族が撮った写真。

 

(↑)この日は、ほとんど目をつぶったままのにたま駅長でしたが、目を開けるとパッチリでさらにキュートです♥

 

貴志駅にいたのはみんな、にたま駅長に会いに来た観光客と思しき人たちでしたが、(私のクロアチア人のパートナーも含め)なかには遥々海外から足を運んでいる方もちらほら目にしました。

 

にたま駅長に向けられる、みんなのまなざしはあたたかさでいっぱい。

 

訪れる人は本当にねこが好きなんだな~と、ほっこりした気持ちになりました。

 

たまちゃん尽くしの貴志駅

駅舎のステンドグラスにもたまちゃんが!

 

にたま駅長の人気もさることながら、やっぱり「たま駅長」の人気ぶりも健在。

 

構内のタイルにもたま駅長の姿!

 

貴志駅ではいたるところに、たまちゃんのイラストが描かれており、売店(たまショップ)のお土産グッズもたまちゃんだらけでした。

 

イスをよく見るとねこ耳がくっついています♥

 

構内には、たまちゃん尽くしのカフェ『たまカフェ』があり、コーヒーや軽食を楽しむこともできます。

 

この日はカフェには立ち寄らなかったのですが、今度行く機会があれば、せっかくなのでコーヒーでも一杯飲んでのんびりしてみたいと思います(*^^*)

「たまカフェ」「たまショップ」の営業時間はこちら(公式HP)

 

 

ところで、貴志駅構内の一角に石造りの小さな鳥居が建っていました。

 

「駅に神社?なんだろう・・・」と思って近寄ってみると、なんと「たま大明神」と書かれているではありませんか!!

 

 

「えっ!?”たま大明神”?・・・ってことは、たまちゃん、神様なの?」と驚く私に、クロアチア人のパートナーはさらにビックリ!

 

「ねこが神様になっちゃうなんて、日本は本当におもしろい国だね~!」と興味津々の様子でした。

 

この時私たちはこの神社のことについて全く知らなかったので「珍しいね~」となかば観光気分で手を合わせてお参りしたのですが、この記事の最後に紹介する本を読んで、この神社ができた経緯を知り心打たれました。

 

可愛い柄の電車たち

以前に家族が別の日に撮った『たま電車』の写真

 

ところで、和歌山電鐵貴志川線には『たま電車』、『おもちゃ電車』、『いちご電車』、『うめぼし電車』などと呼ばれる可愛らしい柄の電車が走っているのだそう。

 

 

この日、貴志駅に停車していたのは、可愛い犬やねこたちが描かれた、また別のデザインの電車でした(↑)。

 

(電車の種類については、和歌山電鐵公式HPに詳しく載っていますよ!)

 

貴志川線は『記紀(『古事記』と『日本書紀』)』にも深い関係があるという「日前神宮・國懸神宮」「竈山神社」「伊太祁曽神社」の三社を巡る旅にも便利なのだとか。

 

(本来なら貴志川線に乗って訪れるべきですが、実は今回諸事情のため電車ではなく駅の近くまで車※でアクセスしてしまったので)今度機会があれば、電車に乗ってブラブラと旅をしてみたいです♬

 

近々、改めて友だちと貴志川線に乗る約束をしているので、また機会があればブログでレポートしますね。

 

(※貴志駅周辺には駐車場がありません。伊太祈曽駅周辺には駅から徒歩3分程度のところに駐車場があります。詳しくはこちらの公式HPの情報をご覧ください)

 

伊太祈曽駅の『よんたま駅長』

伊太祈曽駅の外観

 

「この(貴志駅)近くの伊太祈曽(いだきそ)駅には『よんたま駅長』がいるよ」と聞いて、せっかくの機会なので、よんたまちゃんにも会いに行ってみることにしました。

 

伊太祈曽駅は貴志駅と比べると、ローカル感満載の小さな小さな駅。

 

どこか懐かしい雰囲気が漂う伊太祈曽駅

 

貴志駅と比べるとひっそりとしていましたが、駅舎内の一角でよんたまがスヤスヤ熟睡していました(*´ω`*)

 

駅長の帽子を脱いで熟睡中のよんたま

 

ところで、伊太祈曽駅の近くには、上でもちらっとお伝えした「伊太祁曽神社」が位置しています。

 

伊太祁曽神社

 

この神社に祀られているのは、日本に樹木を植えて回ったと日本書紀に記され「木の神様」として慕われる五十猛命(いたけるのみこと)。

 

また別の機会にレポートできればと思いますが、大きな木々に覆われた清々しい雰囲気が漂うとっても素敵な神社でした。

 

貴志川線で旅をされる際は、伊太祁曽神社へのご参拝の機会もお見逃しなく!

 

にたま、よんたま駅長の勤務予定をチェック!

おやすみ中のにたま駅長

 

今回たまたま私たちが訪れた日は火曜日だったのですが、どうやら運が良かったみたいです!

 

というのも、にたま、よんたま駅長は毎日駅にいるわけではないそうです。(人間だってちゃんとお休みがあるのに…そりゃそうですよね(;´・ω・) )

 

そんなことも考えず、この日は「家から近いし…ねこ駅長に会いに行こう♪」と家を飛び出したのですが、駅に貼っていた“勤務表”を見つけて「明日(水曜日)来ていたら、にたまちゃんに会えなかったんだ」と気がつきました。

 

ねこ駅長の勤務予定はこちらの公式HPに掲載されています。

 

「にたま、よんたま駅長を目当てに遥々和歌山までやってきたのに、勤務日ではなく会えなかった・・・」というのは悲しい!

 

なので「今度行ってみよう」という方は、事前にねこ駅長さんたちの最新の勤務予定を確認されることを強くおすすめします。

 

心がじんわりする、おすすめの本

 

最後に「ねこ駅長たちに会いに行ってみよう」という方に、旅に出る前にぜひ読んでほしいおすすめの本を少し紹介します。

 

その本のタイトルは「ねこの駅長たま びんぼう電車をすくったねこ 」。

 

私は本が大好きで、暇さえあればいろんなジャンルの本を読むのですが、久しぶりにじ〜んと心に残る良い話でした。

 

 

実は私の母は、昔からたまちゃん好き。過去に大阪から何度か電車に乗ってたまちゃんに会いに行ったことがあるそうなのですが、この本はそんな母のコレクションのひとつだったのです。

 

母の部屋にあったこの本を見つけて、正直なところ「本当にたまちゃんが好きなんだなあ(笑)」と思うだけで、本を手に取ることはありませんでした。

 

にたま、よんたまに会いに行った後も、(他に読みたい本がたくさんあったので)特にこの本に興味を持つことはなかったのですが、先日「なんだかサクッと読める物語が読みたいなあ〜」と思った時にふと目に留まったこの本のページをなんとなく開きました。

 

子供向けに書かれた本で、スラスラととっても読みやすい文書。

 

たまちゃんがねこ駅長となったきっかけ、貴志川線を守るために奔走した人の様子や、たまちゃんのことを心から愛した人々の模様。たまちゃん目線で物語がどんどん進んでいき、思わず引き込まれていきました。

 

不覚にも、物語の後半には涙がポロポロ・・・(´;ω;`)。

 

たま大明神の祠

 

珍しい、ただ可愛い「ねこの駅長」だから・・・というブーム的な人気だけで愛されていたのではなく、一部の人々にとってはそれ以上の大きな存在であったのだな・・・と。

 

貴志駅で見かけた『たま大明神』の祠の意味もよく理解でき、「貴志駅に遊びに行く前に、この本を読んでいたら、もっと違った楽しみ方ができただろうな」と思いました。

 

大人が読んでも考えさせられる場面やセリフも散りばめられており、「読んでよかった!」とあったかい気持ちになれる一冊でした。

 

本当はもっとこの本についてアツく語りたいのですが、ネタバレになってしまうので、気になる方はぜひ手に取ってみてくださいね(*´ω`*)

 

にたま

 

また、この本や駅構内の張り紙を読んで知ったのですが『たま』、『にたま』、『よんたま』はみんな元保護猫なのだとか。

 

ねこを「駅長」にすることに関しては「客寄せのためにねこを使うなんて・・・虐待だ」というような批判の声もあるようですが、小さな命のこと、地域活性と観光についてなど、貴志川線のことを知って、いろんなことを考えさせられました。

 

最後に貴志川線観光に役立つリンク情報をまとめておきますね。

◎和歌山電鉄公式HP : https://www.wakayama-dentetsu.co.jp/ (列車運行情報、ねこ駅長の勤務予定もこちらのページで確認できます)

 

◎貴志駅、伊太祈曽駅までのアクセス方法 : https://www.wakayama-dentetsu.co.jp/access/

 

◎たまミュージアム貴志駅 ショップ&カフェの営業時間こちら

 

(2020年1月23日 小坂井真美

 

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