新型コロナ、クロアチア=スロベニア国境超えの影響は?スロベニアの観光地の様子は?(実体験)

スロベニアの首都、三本橋およびリュブリャナの中心地プレシェレン広場付近。いつも多くの人で賑わっていますが、この日は閑散としていました

 

先日(3月3日)仕事でクロアチアのザグレブから隣国スロベニアへ日帰りで行ってきました。

 

クロアチアでは先月25日に国内初の新型コロナウイルス感染者(イタリアに渡航歴のある方)が確認され、2月27日からは日本を含む一部の国・地域からの渡航者に対して入国時の健康チェック、および国内滞在中に健康状態の報告を求める措置が開始されています。

 

 

この日スロベニアへ一緒に車で行ったメンバーはクロアチア人が2名、ヨーロッパ(イタリアではない他の国)からの渡航者が1名、日本からの渡航者が1名、そして私の計5名。いつものように車、陸路で向かいました。

 

新型コロナでいろいろ騒がれている時期なので、正直なところ「クロアチア=スロベニアの国境でトラブルにならなければいいけれど・・・」とドキドキしていた私。

 

「クロアチア=スロベニアの陸路の国境でも健康チェック(問診や体温チェック)が行われており、体温チェックなどで引っかかると14日間隔離される」なんて情報も噂で耳にしていたので、心配で仕方ありませんでした。

 

出発前に周りのクロアチア人の友達や一緒に行った同僚などに「情報も少ないし心配。(直近14日間に)日本に渡航歴があるからと国境で止められたり、トラブルに巻き込まれなければいいけれど・・・」と漏らすと「心配しなくても大丈夫でしょう。別に日本からの渡航者であっても、健康だったら隔離されるわけじゃないんだし、現状は(新型コロナの症状の兆候がなければ)移動の制限もない。ノー・プロブレム、きっと問題なんて起こらないさ!」と彼らは心配している様子はありませんでした。

 

クロアチア出国⇒スロベニア入国の国境

 

ご案内させていただいた方も状況をご理解くださっている上でスロベニア行きを決行されたので「それじゃあ、とりあえず国境を目指しましょう」と車でザグレブを出発。

 

まずはクロアチアからの出国審査。「出国なのでこっちはおそらく問題にならないだろう」とは予想していましたが、まさにそのとおり。審査官のおじさんは私たちのIDやパスポートをちらっと見るだけで出国スタンプも押さず「はい、行っていいよ~」と感じであっという間に通過できました。

 

次はスロベニアの入国審査。3月3日時点ではスロベニア国内での感染者は出ておらず、クロアチアのように日本などに渡航歴がある人の入国制限なども設けていなかったので、こちらも「きっと問題ないだろう」と思っていたのですが、やはりその通り。「スロベニアのどこに行くの?」と聞かれたので「リュブリャナへ日帰りで行く予定です」と答えると、あっさりと入国スタンプを押してくれました。

 

スロベニア出国⇒クロアチア入国の国境

 

スロベニアでの予定がすべて終わって夕方クロアチアに戻ることに。

 

「スロベニアからの出国審査は問題ないだろう」と予想していたのですが、まさにその通りで、審査官の方は何も聞かず出国スタンプを押してくれました。

 

私が一番心配だったのは、この次の段階であるクロアチアへの再入国。「【重要】クロアチア入国時、日本からの渡航者に対する措置について(新型コロナ最新情報)」でお伝えしたとおり、現在クロアチアは日本からの渡航者に特別措置を行っているので、こちらの記事でお伝えしたような書類への記入、問診や体温チェックなど、何らかのアクションがあるだろうと覚悟していました。

 

ザグレブを出発する前に「スロベニアからクロアチアへ車やバスで陸路で入国する際、日本人やイタリア人など新型コロナの感染が拡大している国・地域からの渡航者はチェックされている。感染の疑いがある人は隔離される」というようなを耳にしていたので、内心ドキドキしながらクロアチアの入国審査ブースに車を走らせました。

 

クロアチア=スロベニアの国境(写真は2018年5月のもの)

 

ところが、拍子抜けするくらいあっという間にクロアチアへの入国許可スタンプが押されました。

 

日本のパスポートが混ざっていたというのに、「クロアチアでどこに、どれくらい滞在するのか?」「何の目的でクロアチアへ来るのか?」「健康状態はどうか?」などを聞かれるわけでもなく、体温測定や書類への記入も一切なし。

 

ものの1分程度であっという間にクロアチアへ入国することができました。

 

こんなに簡単に入ることができて、逆に「クロアチア=スロベニアの国境は北イタリア方面から来る方も多いのに・・・。これで大丈夫?」と心配になるほど💦

 

でも、ひょっとしたら私が噂で耳にしたようなしっかりとしたチェックが行われており、この日たまたま私たちの運がよかったのかもしれません。

 

近々クロアチアへの旅行をご予定している方のなかには、スロベニアを含めた近隣諸国もあわせて陸路で訪れるつもりで「新型コロナの影響で、陸路の国境はどんな感じになっているんだろう?」と気になっている方もいらっしゃると思ったので、ひとまず今回の私たちの体験をブログ記事にしてシェアしてみました。

 

ただ、繰り返しになりますが、これはあくまでも私たちがたまたまこの日一回キリで体験したこと

 

今日(3月5日)の朝、クロアチアのニュースで「スロベニアで初の新型コロナ感染者が確認された」と報道されていたので、今後国境での状況がどんどん変わる(厳しくチェックされる)可能性が大いにあります

 

(ちなみに今朝のニュースではスロベニアに続き隣国ボスニア・ヘルツェゴビナでも新型コロナ感染者が確認されたと報道されていました)

 

また何か情報が入ったら当サイトでもみなさんにシェアできるように努めますが、日本から確実な最新情報、旅の安心情報を手に入れるためには外務省の「たびレジ」への登録がおすすめです。たびレジに渡航先の国を登録しておくと、新型コロナ関連情報をはじめ、各国の安全情報などがメールにて配信されます。

 

スロベニア現地の様子

3月3日、スロベニア首都リュブリャナの中心地の様子

 

リュブリャナに住む知人から「最近、アジア人観光客をほとんど見かけないよ~。こりゃ完全に新型コロナの影響だな」と聞いていましたが、観光客らしき人の姿をほとんど見かけませんでした。

 

雨がたくさん降ったようで、街の中を流れるリュブリャニツァ川が増水していました

 

スロベニアもクロアチアも、アジアからの観光客が特に多いには5~10月からの半年、特に夏に集中する傾向があるので、確かに今は「観光オフシーズン」。

 

小雨がぱらつくリュブリャナ

 

しかもこの日はあいにくの空模様(雨が降ったり止んだり、忙しいお天気)だったせいか、街を歩いている人が本当に少なかったです。

 

街で見かけたのは、ほとんどが地元民。

 

リュブリャナでは一度だけ、具体的にどこの国かはわかりませんでしたが、東南アジア系らしき団体ツアーのご一行さんを見かけました。

 

 

(↓)きっと雨のせいでしょうが、青空市場も閑散としていました。

 

スロベニアでも、地元の方はいつもどおりフレンドリーで親切。ただでさえ観光客や人が少なくてアジア人が目立つのに、いつもと変わった様子はなく、怪訝な顔でジロジロ見られたり、避けられるようなことはありませんでした。

 

リュブリャナ中心地の青空市場

 

市場でお店の人に「こんにちは(ドーバル・ダン)」と声をかけて、並べている野菜やくだものをちょっとのぞかせてもらっていた時のこと。

 

「あら?あなた、スロベニア語話せるの?」と気さくにおばちゃんが話しかけてくれたので、「いえいえ、残念ながらスロベニア語はもっと勉強しないとさっぱりだけど、クロアチア語なら少し・・・ザグレブに住んでいるんです」と答えると、立派なマンゴーと指さして「そうなの~!ねえ、じゃあ、ほら見て!クロアチアではこんなに大きなマンゴーは手に入らないでしょ(笑)!ひとついかが?」と茶目っ気たっぷり。

 

(一緒に歩いていたクロアチア人は「クロアチアにも、あれぐらいのマンゴーはあるよっっっ!(笑)」と冗談交じりでプリプリしていました(笑)クロアチアにせよ、スロベニアにせよ、どちらもマンゴーは輸入品なのに・・・と心の中でほほえましく思う日本人でした(;´▽`A“ )

 

「今日は雨のせいもあるけれど、(新型コロナの影響で)とにかく観光客は少ないわ」と話していました。

 

ブレッド島と湖

 

当初、この日はリュブリャナだけ訪れる予定だったのですが、時間に余裕ができたので急遽ブレッドにも足を延ばしてみることに(↑)。

 

リュブリャナでは晴れ間が見えていましたが、ブレッドはあいにくの曇り空と雨。

 

ブレッドではレストランで食事をしたのですが、人気店のためいつものように事前に「●時頃お伺いしたいのですが、席を確保していただけますか?」と電話を入れると「大丈夫、大丈夫!今日は天気もあいにくで、観光客も少なくて空いているから、いつでも来て!席はじゅうぶんあるよ~」という返事が。

 

いつもは大賑わいしている店内ですが、この日はお客さんが私たちを入れて3組ほどいるくらいで閑散としていました。

 

「まあ、今は観光オフシーズンだけど、それにしても観光客が少ないよ」とウェイターのお兄さん。

 

ブレッド島に渡るプレトナボート乗り場

 

天気が悪かったせいもあるのでしょうが、いつもなら団体観光客で賑わうブレッドのボート乗り場(↑)にも人影がありませんでした。

 

日本人旅行者に限らず、世界的に外出や旅行を自粛しはじめている人が多いため、旅行業界は大きな影響を受けています。

 

クロアチア、スロベニアも例外ではないので、私の周りで観光業で生計を立てている人たちは「やっぱり健康、命が何より大切だから、観光客が減ってしまうのは仕方のないことだけど・・・。コロナウイルスのやつめ(泣)!!(コロナウイルスのせいで仕事が減ってしまう)」と嘆きはじめています。

 

私もクロアチアの観光業で生計を立てている者として他人事ではなく、本心を言えば「クロアチアに来てくださる旅行者のキャンセルが増えると困ることになる」ですが、(今日スロベニア、ボスニア・ヘルツェゴビナでも初の新型コロナ感染者が出たいうニュースも耳にして)ヨーロッパでも感染が拡大してきている現状を見ると、しばらくの間は旅行の中止・延期のご判断は慎重に行われた方がいいのではないかと思っています。

 

今日までに当ブログでも何度もお伝えしてきたように、現時点ではクロアチアやスロベニアでは「日本人だから、アジア人だから・・・と新型コロナのせいで差別を受けるかもしれない」という点はあまり心配しなくてもいいように感じますが(ですが、これもあくまでも私の肌感覚。100%安全とはやはりお伝えできません)、やはり感染拡大の防止のため、不用意な外出を避けるべきという傾向が世界的に高くなりつつあるのが事実です。

 

「新型コロナは致死率が低いのであまり心配する必要はない」という意見もありますが、知らず知らずのうちに自分が媒介者となってしまう可能性も否定できませんものね。(私はここ数日、仕事などで外に出ないといけない日は人が多い場所にも行くことがありますが、必要ない時はほとんど外出していません)

 

ドブロブニク旧市街

 

今朝私が見たクロアチアの新型コロナ関連のニュース(テレビ)では、「スロベニアで初の感染者が出た」ということと「イタリアで感染者が3000人を超えている。一部地域では学校や映画館も閉鎖されている」という点、そして韓国での様子が主に報道されていました(日本の様子については触れられていませんでした)。

 

クロアチアはイタリアと非常に近いため、クロアチアではイタリアの様子が非常に気がかりな模様。周りのクロアチア人は「3000人って、すごい数!こりゃ、クロアチアで感染が拡大するのも時間の問題だね」と話しています。

 

一方で、感染が拡大しはじめていた2月末時点で国際保健規則事務局は「現段階ではイタリア旅行をキャンセルする必要はない」という見解を示していた(※)そうで、「う~ん・・・イタリアも僕たちクロアチアと同様、観光の国だからね。観光客が減ると観光業が大打撃を受けるから、そう言いたい気持ちも痛いほどわかるけど・・・」と、複雑な心境で話をしていました。

 

(※実際、2月26日公開のイタリア政府観光局のページにも日本語でそのようなことが書かれています)

 

クロアチア、スロベニア旅行は中止にするべき?

 

せっかく楽しみにされている、みなさんのご旅行。日本でニュースやネットの情報を見ているだけでは、実際のクロアチアやスロベニア現地の状況がよくわからず不安な気持ちも大きいと思います。

 

当サイト、当ページにはなるべく随時現地情報を更新するように努めますので、これらや他の外部情報(外務省・たびレジなど)を集められた上で、安全かどうか、ご自身で慎重にご判断なさってくださいね。

 

せっかく楽しみにされているご旅行、みなさんにとってベストな選択をなさってください。

 

上でもちらっとお伝えした「たびレジ」とは日本の外務省が行っている無料のサービス。日本国外への渡航する日本人のための「海外安全情報配信サービスの登録システム」。たびレジに登録しておけば、みなさんが気になっている渡航先の国の最新安全情報を出発前から受け取ることができます。

 

たびレジにクロアチアやスロベニア(その他の国も)を渡航予定先として登録しておけば、その国の日本大使館が必要に応じて安全情報を発信してくれ、現在はその国でのコロナウイルス関連の詳細な情報も定期的に届けてくださています。

 

なお、時間的・体力的な理由から「クロアチアの新型ウイルスの状態はどんな感じですか?旅行は中止にするべきですか?」というようなご質問のメールでの個別相談・対応などは行っておりません。

 

(私が知り得るクロアチアの新型コロナ関連情報は当ページにまとめていきますので、こちらをヒントにしていただけるとうれしいです)。ご希望にお応えできず申し訳ないですが、ご容赦の程よろしくお願いいたします。

 

私からみなさんのためにできることとして、当ブログでなるべくクロアチア現地のコロナウイルスに対する地元民の反応を含め、最新状況をシェアできるように努めますね。

 

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クロアチアを渡航先として登録しておけば、コロナウイルス情報以外にも、クロアチア関連の安全情報があれば、その都度最新情報をメールで届けてくれます。近々クロアチアへの旅行を計画されている方はぜひ登録してくださいね!

 

クロアチア新型コロナウイルス現地情報まとめ(随時更新)

 

⇒ 2月6日公開: クロアチア人はマスクをしない?!コロナウイルスへの反応は?

 

⇒ 2月27日公開: 新型コロナの影響で、クロアチア入国時にトラブル…?!

 

⇒ 2月28日公開: 【重要】クロアチア入国時、日本からの渡航者に対する措置について(新型コロナ最新情報)

 

⇒ 3月1日公開: 2月29日:クロアチアでのコロナ感染者6名に。現地ではどう報道されている?

 

⇒ 3月4日公開: (実体験)新型コロナ、クロアチア入国時の臨時措置。どんな書類が渡される?&疫学者への電話報告を行ってみた

 

⇒ 3月5日公開:新型コロナ、クロアチア=スロベニア国境超えの影響は?スロベニアの観光地の様子は?(実体験)

 

★ クロアチアにおける新型コロナウイルス関連情報は今後も「【まとめ】新型コロナ、クロアチア旅行は中止するべき?現地の状況は?(随時更新)」にてまとめ&随時更新していきます。

 

また最新情報があれば、当ページ、サイトでみんさんに共有しますね!

 

(2020年3月5日 小坂井真美

 

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スロベニアで訪れたのは首都リュブリャナと人気観光地であるブレッド。