海外移住・生活で語学スキル以上に大切なこと(クロアチア移住・仕事)

 

ここ数年、「クロアチアを旅で訪れて以来、その魅力にハマってしまって・・・クロアチアへ移住したいと本気で考えています。クロアチア移住について相談に乗ってください。クロアチアでは日本人はどんな仕事ができますか?」というようなメールを時折お寄せいただくようになりました。

 

在クロアチア日本大使館の統計によると、2020年6月時点でクロアチアに住む邦人の数は151名。私がクロアチアへ移住してきた約8年前も150名前後だったので、さほど人数に変化はありませんが、私よりもずっと長くクロアチアに住む日本人の方々は「昔よりもずっと、ここに住む日本人の数が増えましたよ」と話されています。

 

日本人がたくさん住む国と違って、クロアチアは情報が少ない国。特に移住関係の情報となると、ほぼ皆無でしょう。

 

あまりにも情報が少ないためか、ここ数年、ザグレブでガイドのご依頼をくださる方のなかには(2度目、3度目のクロアチアへご旅行へいらしたついでにわざわざ)「クロアチアにいつか住みたいと思っています。話を聞かせてください」と仰る方もちょこちょこいらしたほどです。

 

私がクロアチアへ移住してきたのは2013年の10月。当時はネットでのクロアチア関連情報(特に移住関係)はほとんどなく、移住関連の情報は駐日クロアチア大使館と在クロアチア大使館に問い合わせをして必要書類などを教えていただき、暗中模索した思い出があります。また「現地で日本人がどのような仕事ができるのか?」という情報は見つからなかったので、いろんな可能性を必死で探った日々も今となっては良い思い出です^^

 

8年前と比べると状況も変わりつつありますし、特に移住関連の必要書類などについては変更となっている点もあると思うので、(また時間的な問題から)基本的に個人的なご相談は恐縮ながらお受けしていないのですが、先日ある方(Kさん)からご丁寧な相談メールを頂戴しました。

 

文面から誠実さと、真剣に悩まれている様子が目に浮かぶようで、思わず私なりに一生懸命答えを考えて返事を差し上げました。

 

ひょっとしたらこのページを今読んでくださっている方のなかにもKさんのように悩まれている方がいらっしゃるかもしれないので、「海外移住、クロアチアでの生活を考えていらっしゃるみなさんのために、何かのヒントになれば」と思い、Kさんとのやりとりをまとめました。

 

(※Kさんには頂戴したメールと返信を当サイトに掲載させていただくことをご快諾いただいております)

 

Kさんから頂戴したメッセージ

小坂井 真美様

 

初めましてこんにちは。僕は●県在住のKと申します。20歳の社会人です。

 

小坂井さんにお聞きしたいことがあり、メールをさせていただきました。個人的な内容の質問にはお答えしかねることがあることについてはクロたびで読ませていただきました。それを承知の上で質問をするのは大変失礼かと思いますが、もしお時間が許せばお答えいただけるととても幸せます。

 

単刀直入にお聞きすると、日本人が言語を強みにしてクロアチアで就職できるチャンスはありますか?という質問です。

 

僕は約1年前にクロアチアという国に魅了され、クロアチアのことを調べたり、クロアチア語を勉強したりするうちにさらに好きになっていきました。そしてクロアチアで働くことを夢見るようになり、将来はそこで働こうと決意しました。それでこのような質問をさせていただきました。

 

僕はクロアチアで働くためにはスキル的に希少価値のある存在になるべきだと気づきました。そこで言語に目をつけ、今は英語とクロアチア語を勉強しています。もし日本語、英語、クロアチア語の3言語を使いこなすことができれば多くの人にはできない仕事ができるのではないかと思っています。しかしこれはあくまで自分の考えでとても不安です。質問と重複しますが、はたして言語を強みにしてクロアチアで仕事をすることは可能でしょうか?また他に磨いておいた方がよいスキルなどありますか?

 

小坂井さんのYoutubeやクロたび見させていただきました。日本の方でありクロアチアに長く在住されさらにクロアチアに詳しい小坂井さんにしか聞くことができないと思い、質問させていただきました。本来ならば仕事依頼用のアドレスであるのにかかわらず申し訳ございません。ご回答いただけると嬉しさこの上ないです。

 

K・Y

Kさんにお送りした返答

 

Kさんから上記のメッセージを頂いた後、一度拝受のお礼と「やりとりの一部を当サイトに掲載しても良いですか」という旨をお伺いした後、下のような回答をお送りしました。

 

まだまだ海外生活経験も人生経験も浅い私のような人間に良いアドバイスができる自信はありませんが、少しでもKさんのお役に立つことができればと思い綴りました。

 

クロアチアに限らず、これまで私が「海外で暮らしてみたい。アドバイスが欲しい」という方にお伝えしたことも一部盛り込んでいます。クロアチア以外の国への移住の際にも通じることがあると思いますので、何かしらの形でみなさんのヒントになれば幸いです。

 

(少しでも読みやすいように・・・と当ページでは途中写真を挟んでいますが、文面はKさんにお送りしたものそのままです)

K様

 

こんにちは!

 

改めまして、ご丁寧なお返事、またサイトへの掲載のご快諾もいただきありがとうございます。

 

それでは、早速ですが以下にご質問への回答を述べさせていただきます。

 

あくまでも私の個人的な意見、私が知り得る限りの情報ですので、可能であれば他のクロアチア在住日本人のみなさんのお話もお聞きになってみてくださいね。

 

私よりもずっとクロアチア、海外生活、人生経験が長い素敵な方々がいらっしゃるので、もしそのような方のお話を伺うことができれば、まだまだ未熟な私よりも的確なアドバイスが頂けると思います。

 

Kさんから頂戴したメールへの返信を色々考えているうちに、私自身がクロアチアへの移住、そして今後の仕事や将来に悩んでいた8年前のことを思い出し、お伝えしたいことがたくさん思い浮かんでしまいました。

 

メールを拝読して、文面からKさんに誠実で真面目なお人柄が垣間見れるようで、何かKさんのヒントになればと色々考えてみました。ちょっと長いメールになりそうですがどうかお付き合いください。

 

言語を強みにして就職できる?

 

まず、「日本人が言語を強みにしてクロアチアで就職できるチャンスはありますか?」というご質問に関しまして。

 

結論から申し上げると、正直なところ、言語だけを強みにして就職、クロアチアで生活するのは少し厳しいのではないかと思います。

 

Kさんが後で後悔されることのないよう、あえて少し厳しめの、現実的なことをお伝えさせていただきますね。

 

クロアチアでは確かに日本語を話せることは貴重な存在となりますが、まずそれはクロアチア語・日本語両方が完璧に話せて(お仕事で通用するレベル)はじめて成り立つ話です。

 

クロアチア語・日本語の両方が完璧に話せる人はそうそういないので、通訳者としても貴重な存在になることができると思います。

 

特に日本人でクロアチア語を通訳レベルで流暢に話すことができる方はそんなに多くないので、一層希少な存在になれるかと。(どちらかといえば、クロアチア人で日本語が話せる人の方が多いように感じます)

 

ただ、実際問題、クロアチア語・日本語の通訳は需要自体が少ない市場ですし、(現地の大学などを卒業されその道のプロとして)すでにプロの通訳さんとして長く活躍されている方がいらっしゃるので、(あくまでも私の想像ですが)結構シビアな競争があると思います。

 

(クロアチア国内に限らず、スロベニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビアなど周辺諸国にお住まいで、クロアチア語通訳さんとしても活躍されている方がいます)

 

 

なお、クロアチア語はマイナー言語で日本で独学で勉強するのもかなり難しいと思いますので、ここに住む多くの日本人は「現地に来てから(日々の生活で言葉に触れたり、語学学校に行って)クロアチア語を勉強した」という方がほとんどです。

 

(※ザグレブではクロアチア語を学べるCroaticumという語学コースがあり、ザグレブに住む多くの外国人がこのコースに通ってクロアチア語を学んでいます)

 

ただ、(もちろん、クロアチアへ住み始める前からある程度話せるようになっていることに越したことはありませんが)クロアチア語は現地に来てから勉強されても良いと思いますが、英語は最低限話せるほうが、クロアチアでの生活がグッとラクになります(仕事に就ける確率も断然高くなります)

 

どんなお仕事を希望されるかにもよりますが、クロアチア語がほとんどわからなくても、英語が流暢な方ならクロアチアでの生活に不自由を感じることはほとんどありませんし、仕事にもあまり支障はありません。(実際、旅行会社勤務の日本人で英語=日本語をメインに(クロアチア語は使わず)仕事をされているたくさんいらっしゃいます)

 

実際、クロアチアに住む外国人(日本人に限らず、他の国籍の外国人も)で「クロアチアに何年も住んでいるけれど、クロアチア語がほとんど話せない、日々の生活で使わない」という方も珍しくありません。

 

クロアチアでは、若い年代を中心に英語が非常に堪能な方が多い国なので、私たち外国人を見ると当たり前のようにクロアチア語ではなく英語で話しかけてくる人も珍しくありません。

 

クロアチアでは「クロアチア語はマイナー言語。外国人はクロアチア語を話せない」と思い込んでいる人が多く、彼らも英語が堪能なので、英語で会話をしても嫌な顔をされることはありません。(クロアチアと縁を持って以来この12年間、そして、ここに住み始めて8年間、少なくとも私はそのような経験はしたことはありません)

 

ですが反面、完璧でなくてもクロアチア語を話すと、とても喜んでもらえますし、一気に現地の方々と打ち解けることができるので、長い目で見ると、やはりクロアチア語が話せるに越したことはありません^^

 

クロアチアに住む日本人はどんな仕事をしている?

 

すみません、少し話題が仕事から言葉に逸れてしまいましたね・・・。では、話を「クロアチアでの仕事」に戻しますね。

 

Kさんは「日本語、英語、クロアチア語の3言語を使いこなすことができれば多くの人にはできない仕事ができるのではないかと思っています」と仰っていましたが、これに対する答えはYes&Noです。中途半端な答えでごめんなさい。

 

というのも、「日本語、英語、クロアチア語の3言語」を完璧に使いこなすことができれば、前述した通り、もちろん貴重な存在になれると思います。

 

ただ、それだけでは(前述の通り、すでにその分野を長く本業にして通訳としてご活躍されている方もたくさんいらっしゃるので)頭一つ抜けることはできないので、それに何かプラスα、最低ひとつ、何かKさんならではの特技・強みがあると良いと思います。

 

挙げ出すとキリがありませんが・・・

 

例えば

 

「柔道、空手などのスポーツが得意」「お寿司が握れる。料理が得意」

 

「美容師、メイクアップアーティストなど特別なスキルがある」

 

「ダンス、楽器演奏のプロである」「アーティストとして活躍してきた実績がある」などなど・・・。

 

仮にプロの領域に達していなくても「自分がこれが得意だ。これは他の人よりも上手な自信がある。ずっと続けてきて、これが好きなんだ」という、キラリと光る、Kさんならではの語学以外のスキルがあると強いと思います。

 

 

 

次にお伝えするのは私が昔、まだ大学生の頃に、海外生活の経験20年以上のある非常に聡明で素敵な女性に頂戴した言葉です。

 

その頃、私は将来クロアチアに住もうかどうか悩んでいたのですが、ザグレブでお目にかかり、悩みを打ち明ける私にその女性はこんな言葉をかけてくださいました。

 

「海外で住む、働くことを考えているなら、語学以外の強みがあるといいよ。

お寿司が握れる。茶道に精通している。絵がうまい。ダンスができる。

 

何でもいいから、語学以外で何かプラスアルファの力をつけるといいわ。もちろん語学を学ぶことは大切よ。でも、海外に来ると3、4カ国語話せる人なんてたくさんいるのだから」

 

私は今クロアチアに住み始めてもうすぐ8年になりますが、このアドバイスは今でも心に鮮明に残っていますし、本当にその通りだと実感しています。

 

あとは、スキルに加えた、Kさんの「人間力」が一番大切、最大の魅力となると思います。

 

これは日本、海外に限った話ではなく世界共通ですね^^

 

やっぱり言葉はあくまでもコミュニケーションのツールのひとつ。

 

言葉が伝えてくれる内容そのもの、Kさんの知識や考え方、コミュニケーション能力を含めた様々なスキル、人間としての魅力が何よりの武器になるはずです。

 

(私が知る限りでの知識ですが)具体的にクロアチアに住む日本人が就いている仕事は以下の5通りです。

 

1.日本語教師などの教員
(私立の語学学校あるいは大学にて。なかにはクロアチアの公立校で(クロアチアの教員免許を取得されて)教員をされている、すごい日本人女性もいらっしゃいます!)

 

2.旅行会社勤務(現地採用がほとんどです)

 

3.日本食レストラン関連(主に調理)

 

4.芸術関連(プロのバレエダンサーや音楽家さんたち)

 

5.自営業(旅行会社経営(ガイド業を含む)、日本食レストラン経営、鍼灸院、ゲストハウス経営、フリーランスの通訳・翻訳家、WEBデザイナー、撮影コーディネーター、あるいはオンラインで作業可能な様々なお仕事など)

これに該当しない方は大使館・政府関連のお仕事、もしくはスポーツ枠でご活躍をされているみなさんがほとんどだと思います。(なお、現状クロアチアでは日本企業が少なく「日本企業の海外転勤でクロアチア勤務になった…」という方はほとんどいません)

 

少なくとも8年前、私がクロアチアへ移住を考えていた際、私には選択肢は上の5つしかありませんでした(今も然程変わらないと思います)

 

・「日本語は話せるけれど、日本語を教えられる自信はない」と1は断念。

 

・3と4も自分にはそんな素晴らしいスキルはないのでもちろん断念。

 

・「自営業は憧れるけれど、自分で起業するだけの知識も資金もない・・・」と5も断念。

 

というわけで、当時の私に残された道は自然と2の「旅行会社勤務」だけでした。

 

現在はガイドに当サイト(クロたび)の運営と、旅行関連の仕事がまさに天職と思えるくらい楽しんで今の仕事をしていますが、正直なことを言えば、もともと旅行業に興味があったわけではありません。

 

こんな風に、消極的すぎるきっかけでしたが、クロアチアで生活をはじめて数か月後、旅行会社に就職。

 

旅行会社での仕事をさせていただきながら、趣味で始めたブログ、クロアチア観光情報サイトが徐々に仕事につながり、今では独立して小さい規模ではありますが色々な活動をしています。

 

 

かなり消極的なスタートでしたが「自分自分にできないこと」「やりたくないこと」を消去して、「とりあえずやってみよう、やってみたいと思うこと」を続けているうちに気が付くと今のような人生を歩んでいました。

 

この方法が良いか悪いか、意見はそれぞれだと思いますが、私はこれで「今までの人生、これでよかった、楽しかった」と思っています^^

 

上で「語学プラスアルファのスキル」の話をお伝えしましたが、私の場合「(下手なりにも(笑))文章を書いたり、写真を撮ったりするのが好き。人と話すのが好き」というのが運よくライターや観光ガイドの仕事につながったのだと思います。

 

クロアチアはGDPの23%前後が観光業に依存している国ですし、現地人でさえ観光関連の仕事についている人が多いです。

 

「クロアチアに憧れて移住してきたんです。なんでもいいから、とにかくクロアチアに住んでみたい」という日本人の多くが、最初は旅行会社勤務からスタートします。

 

ただ、日本人を採用してくる旅行会社は限られていますし、タイミングよくポストが空いているとも限りません。

 

また問題は「ビザ」です。

 

なかには「就労ビザ」をくれる会社もありますが、「クロアチアへの滞在ビザ」をすでに持っている(婚姻ビザなど)外国人しか採用しないところもあります。

 

話が長くなるので、ここでは詳しく書きませんが、クロアチアでの滞在ビザは主に以下の3通りです。

 

・学生ビザ(※就労できる時間が限られています)
・就労ビザ
・婚姻ビザ

 

あとは、自分で起業して、自分の会社から就労ビザを出す方法もありますが、お金もかなりかかりますし手続きが非常に煩雑なのであまりおすすめしたい方法ではありません。

 

私の場合、クロアチアへ移住を決意した時点で現地人のパートナー(今の夫)がいたので、ビザには困りませんでした(婚姻ビザ)。

 

現実的な生活の話

 

いろいろお伝えしましたが、もうひとつ、現実的な話をお伝えしておこうと思います。

 

夢もへったくれもありませんが、それはお金の話です。

 

もちろん、どんなお仕事をするか、どの企業に勤めるか、労働条件にもよりますが、クロアチアの一般的な平均月収は(正式な統計で出ている数字は)6600クーナ(日本円で約107000円)前後です。(※ここでお伝えする給与額はすべて手取り額です)

 

ただ、会社によってはもっと低い(4500クーナ)ところもたくさんありますし、一般的に20代、30代のクロアチアの企業勤めの方で月収1万クーナ(日本円で約16万円)もあればかなり良いお給料とされています。

 

以上のことからおわかりいただけるように、クロアチアで会社勤めをすると日本の大卒の初任給程度の月収を稼ぐのも一苦労です。

 

もちろん、日本とクロアチアでは物価が多少異なりますし、クロアチアで月1万クーナあれば(ひとり暮らし、あるいはご夫婦二人orできれば共働きなら)然程贅沢をしなければ、そこそこ良い快適な生活ができます。

 

ですが、クロアチアに腰を据えて、「ずっとクロアチアで暮らすんだ!しばらく日本に帰ることができなくても全然平気」という方であれば楽しい生活ができると思いますが、「一年に最低一度は日本にも帰りたい。たくさん贅沢も楽しみたい」と仰る方にはクロアチアの平均以下のなお給料ではなかなか厳しいものがあります。(就職したては5000クーナも貰えれば良い方だとも言われています)

 

実際、クロアチアの企業に数年お勤めされて「今の(クロアチアの)お給料でずっと働きつづけるのはちょっと・・・」と考えて、自分で起業する方向に切り替えたり、日本や第三国へ転職・移住される日本人の方(あるいは思案中の方)も何人か見てきました。

 

(また、話が逸れて長くなってしまうので手短に書きますが、クロアチアではいわゆる「頭脳流出」が社会問題で、優秀なクロアチア人の若者がより待遇の良い仕事、豊かな生活を求めて海外に出て行くのがこの国の現状です)

 

もちろん、なかには「日本人で、しかもクロアチア語・英語・日本語の3カ国も話せる貴重な存在。なので好待遇で働いてほしい」という会社があるかもしれません。

 

また「クロアチアでの生活に何を求めるか」はみなさんそれぞれですので(お給料の額だけがすべてではありませんし^^)、ひょっとしたらこの話はKさんにとって蛇足かもしれませんが、今後の人生設計にも関わってくることだと思うので、お伝えさせていただきました。

 

 

ただし、ここでお伝えしたことは、これは私がこれまでに見聞きしてきた範囲でのことですので、あくまで「こんな話もあるんだ」という程度にお考えいただければ幸いです。

 

それに、Kさんは20歳でまだまだお若いので、あまり難しく考える必要はないかもしれません。

 

一度きりの人生。

 

もし「クロアチアに住んでみたい」とおっしゃるのであれば、思い切って飛び込んでみるのも大いにアリだと思います。

 

まずは旅行業でも何でも、クロアチアでKさんにできそうなお仕事に就いて、しばらくそこで経験を積みながらクロアチアでの生活基盤を固めていき、Kさんにできることを一生懸命、着実にこなしていれば、そのうちその先の道が見えてくると思います。

 

別にクロアチアへ移住したからといって、そのままずっと住み続けなければいけないわけでもありませんしね^^

 

ご参考になるかわかりませんが、実際私がそうでした。

 

 

私がクロアチアへ移住してきたのは24歳の頃。大学を卒業した後、新卒で日本で一度就職もしていたので「このまま仕事を続けるか。日本で住み続けるか・・・」といろいろ葛藤もありましたが、「一度、クロアチアに住んでみたいな」というモヤモヤとした気持ちもあり、思い切って飛び込んだ結果、今の人生に続いています。

 

クロアチアへの移住を決断した時、将来のことはまったく見えず大きな不安もありましたが、「ダメだったら日本に帰ろう。どうせ後悔するなら、挑戦せずにずっとモヤモヤしぱなっしで、将来『あの時、思い切ってクロアチアへ行っていたらどうなっていたんだろう・・・』と悶々と思い悩むより、飛び込んでみて、やり尽くすだけやってスッキリしたい」思い決断しました。

 

私の場合、クロアチアへの移住を迷っている時、両親が「自分自身の人生なんだから。人様にご迷惑をかけない、自分で責任を取れる範囲のことなら、やりたいことをしなさい」と言ってくれた言葉が背中を押してくれました。

 

(両親は遠いクロアチアへ私が行ってしまうことがとても寂しかったと思います。でも「いつでも日本に帰ることができる場所がある」と思うことで、クロアチアで思う存分やりたいことをできて本当に感謝しています)

 

Kさんは20歳で、その時の私(24歳)よりもお若いですし、これからいろんな可能性、未来がKさんを待っています。

 

なので、クロアチア、海外生活に夢だけを見るのはよくありませんが(こうしてメールをくださったKさんは、行動力がある方ですし、決して海外生活に夢だけを持っている方ではないと思いますが^^)現実的にしっかりと生活・将来のことを考えて、その上で「とりあえず、やりたいことに挑戦してみる」というのは大いにアリだと思います。

 

「どうしてもクロアチアに住んでみたい」とおっしゃるなら、まずは日本でいらっしゃる間にクロアチアのいろんな会社にCVを送ってお仕事を探されることからはじめてみると良いと思いますし(ちなみに私は8年前、そうしました^^)もし日本にいながらでは仕事がうまく見つからないのであれば、まずは前述したCroaticumのコースに参加して、まずは学生さんとしてクロアチア生活をスタート、そこから先を模索してみる方法もありかと思います。

 

あまり頭の中でいろいろと考えるだけよりも、思い切ってやりたいこと一生懸命やって、あとは流れに身を任すのもありかと。特に若い時なら猶更だと思います。

 

 

あとひとつだけ、お伝えできることがあるとすれば、今後クロアチアに限らず、海外での生活を考えていらっしゃるなら「日本人力・人間力」をより一層高められると良いと思います。

 

クロアチアで暮らしていると日本の豊かさ、便利さを日々感じますし、時にはマイノリティー、「外国人」として海外で生活、仕事をしていくことの難しさを実感することもあります。

 

一方、日本に対して非常に良いイメージを持ってくださる方が多いクロアチアでは「日本人」というだけでとても親切に接してもらうことも多く、とても有難い事だと感じています。

 

「勤勉で礼儀正しく、正直者の日本人」こんなイメージを持ってくれている人も多いです。(ですが、このイメージも私たちよりも上の世代、先代の方々が築いてくださったイメージなので、ひとりの日本人、社会人として恥じることのないよう精励恪勤しないとな・・・と日々思っています)

 

 

自分が意識していても、そうでなくても、嫌でも好きでも、世界中のどこに行っても自分が日本人であるということを変えることはできません。

 

そして、それが良いか悪いかは別にして、海外で出くわす現地の方のほとんどが、私たちを見て「この人は日本人」という先入観や前提で最初は接してきます。

 

日本の様々なこと、自分の考えをしっかりと自分の言葉で説明できる力も必要になってきます。

 

海外で働くためには語学力や仕事のスキルももちろん必要ですが、それと同じくらい「日本人力」もっと広く言えば「人間力」が大切だと思います。

 

日本人の真面目さや勤勉さは世界中のどこに行っても高く評価されます。(クロアチアでは「日本人は働き過ぎだだよ~。時には上手な息抜きもしなきゃ」なんて時々言われますが・・・^^;(笑))

 

日本でしっかりと対人関係が築けたり、素晴らしいお仕事ができる方は、クロアチアに限らず世界のどこに行ってもきっと重宝されるはずです。

 

私からメールでお伝えできることは以上となります。

 

最後までお読みくださりありがとうございます。

 

Kさんからメールを頂いて、8年前の自分を思い出して書いているうちに、つい長くなってしまいました。なんだかまとまりのないメールになってしまってごめんなさい。

 

Kさんが求めていらした回答であったかわかりませんが、何かの形でKさんのヒントになれば嬉しいです。

 

いろいろ悩むと思いますが、いっぱい考えて、悩みぬいて、Kさんの人生にとってベストな選択をなさってくださいね。

 

まだまだお若くて、いろんな可能性を秘めたKさんの将来、陰ながら応援しています!
お互いに頑張りましょうね^^

 

青空のザグレブより、
小坂井真美

 

以上、クロアチアや海外移住を考えていらっしゃる方にとって、少しでもヒントになれば本当に嬉しいです。

 

なお、今回は(なんだか恩着せがましい書き方で恐縮ですが・・・)特別にKさんに返事をお送りさせていただきましたが、基本的にメールでの移住関連の相談はお受けしていませんm(_ _)m💦

 

というのも、メールでの旅行相談もそうですが、せっかく一生懸命考えたり、調べたり、時間を割いてお返事を差し上げても、知りたい情報だけ手に入れられて、その後お返事がない方がこれまで残念ながら少なからずいらっしゃったので・・・(;´▽`A“ ごめんなさい。(その分、当サイトに情報をたくさん載せるよう引き続き努力しますね!)

 

(この後、Kさんはまたもやとてもご丁寧なお返事をくださいました。クロアチア移住を決心されたKさんの明るい未来を心から祈っています(*^^*))

 

ですが今回、今私がメールでお伝えできることはすべてKさんへのお返事に詰め込みました。これを今読んでくださっているみなさんにとって、何らかの形でお悩み解決の糸口になるようでしたら幸いです。

 

クロアチアは日本人が少ない国なので、もしみなさんがクロアチアへ移住して来られたら、きっといつかどこかでお目にかかる日がくると思います(*^^*) その時はぜひお気軽に声をかけていただけると嬉しいです。

 

みなさんの夢が叶いますように・・・☆

 

(2020年7月24日 小坂井真美

 

 

♥ クロたびスタッフ・ブログTwitterFacebookでは日々クロアチア各地の最新気候情報をはじめ、さまざまな情報をお伝えしています。よろしければフォローしていただけると嬉しいです。

 

またYou Tubeチャンネル「クロたびしょうでは動画でクロアチアの様々な景色、旅情報をお届けしています。ぜひご覧ください☆

【これを読めば完璧!?】

クロアチア旅行・観光のよくある質問集

みんなのご質問にクロたびスタッフがお答えします!

 

【クロたびスタッフの著書もよろしくお願いします】

 

⇒ ガイドブック「アドリア海の素敵な街めぐり クロアチアへ」著書発売のお知らせ

 

「見落とすべきでない観光スポットは?」「おすすめのホテル、レストランは?」「お土産はどこで買えばいい?」など、これまで数えきれないくらい聞かれたご質問に対する答えをギュッと一冊に詰め込みました。

 

また当サイト(クロたび)では紹介していないお気に入りのカフェやレストランやホテル、お店、各町でのおすすめの過ごし方などなど・・・当サイトには載せきれていない情報もたくさん盛り込んでいます。

 

よろしければお手に取っていただけると嬉しいです。

 

 

⇒ 「旅するクロアチア語」 著書発売のお知らせ

 

「クロアチア語を勉強してみたい」「クロアチア語って、どんな言葉なんだろう?」という方はもちろん、「これからクロアチアに行く予定!ちょっと言葉を覚えて、より心に残る、出会いや発見のあるクロアチア旅行を楽しみたい」という方もお手に取っていただけると嬉しいです。