昨日の夜、家族とザグレブ郊外にあるIKEAに行って来ました。
少し部屋の雰囲気を変えようと新しいカーペットや棚、雑貨などなど、久しぶりにいろいろと買って「楽しかったね！」と大喜びしながら帰宅。

帰宅後すぐに買ってきたカーペットや雑貨を部屋にセッティングして大満足していたのもつかの間。
新しい部屋の雰囲気を楽しみながら、ちょっとスマホでも見ながらてひと息つこうとしたのですが・・・スマホがない！！！

「そんなはずはない！」とカバンの中身を全部ひっくり返したのですが、やっぱりない。
家族が私のスマホに電話をかけてくれたのですが、呼び出し音はなるものの、家の中で鳴っている気配もありません。

Android デバイス マネージャーを使ってスマホの場所を確認しようと思ったのですが、ネットに接続されていないのでそれも不可。
「たぶん家にはないだろう・・・」と思いつつも、家じゅうの隅から隅まで探したのですが、やっぱり見当たりません。

しかも最悪なことに、スマホのケースにはクロアチアのID(身分証明書)を入れていたのです（クロアチアでは身分証明書の携帯を義務付けられているため、いつも持ち歩くスマホのケースに保管していると便利だったのです）。それにスマホにはバックアップしていない大切な写真もあったので大ショック。

スマホだけなら最悪新しいものを買えばいいのですが、失くすと手続きが面倒くさい身分証明書まで一緒に紛失してしまい頭が真っ白に。今はただでさえ忙しい時期なのに、スマホとIDの紛失手続きをしなければならないかもしれない…と考えると、頭がグルグルと回るような気分でした。

昨日最後にスマホを見た記憶があるのはIKEAの中。「ひょっとしてIKEAで落としたのかな？」と思いつつも、もう真夜中だったのでIKEAのカスタマーサービスにも電話がつながるはずもなく、どうすることもできませんでした。

楽しかったはずの1日の終わりが一転、頭が真っ白、最悪の気分に。

他にできることがないので、ひとまずスマホからアクセスできないよう、GmailやSNSのパスワードを変更。愛用のスマホを失くしてしまったショックはもちろん、誰かに悪用されないか・・・と気が気ではなく、夜もぐっすり眠ることができませんでした。

ザグレブのIKEA

とりあえず朝一番にIKEAに電話をして聞いてみようと思っていたのですが、ガックリ肩を落とす私を見かねて、家族が朝一番に「とにかく行ってみよう」と、また車でIEKAに連れて行ってくれました（本当に申し訳がない・・・）。

IKEAに向かう車の中。開店前に「まだ早いから応答してくれないかな・・・」とダメもとでかけてみた電話に出てくれた店員さんの「昨日の落とし物で見つかった携帯はLGの携帯ひとつだけですね」という返事にガックリしながらも（私のスマホはLGではなくSony）、「もしかしたら、まだ見つけられていないだけで、お店の中にあるかもしれないよ。誰かに盗られたなら、電話をかけてもつながらない（電源が切られている）はずだし。電話してつながるってことは、きっとどこかに落ちているんだよ」と励まされながらIKEAへ到着。

開店直前にもう一度ダメもとで失くしたスマホの電話番号に電話をかけてみると、今まで10回以上かけてもつながらなかった（応答がなかった）コールに、女性が応答してくれました。

その女性はIKEAの店員さん…！スマホの持ち主であることを説明し「今IKEAにいるんです」と伝えると「大丈夫ですよ。では、ぜひ早速取りに来てください」という言葉を聞き、本当に涙が出るくらい嬉しく、ほっと一安心しました。

なんでも、落ちていたスマホを親切な方がわざわざ届けてくださったのだとか。そんな善意のおかげさまで、無事にスマホもIDも手元に戻ってきました。

おかげさまでスマートフォンもIDも、無事に戻ってきました！

実はお恥ずかしいことに、クロアチアでスマホを失くすのはこれが2回目（本当にアホですね・・・）。以前にも別のスマホを使っていた時、バスの中で落としてしまったことがあったのです。

その時は不注意でズボンの後ろポケットにスマホを入れていたのですが、気が付いた時にはポケットは空っぽ。「ズボンの後ろポケットに入れていたんだから、スリに遭ったのかもしれない・・・」と、その時はもう完全にあきらめていたのですが、友人に勧められダメ元でバス会社に電話をしてみると「お預かりしていますよ」という予想外の答えが。その時もどなたか親切な方が、座席に置き去りにされている私のスマホを見つけて運転手さんに届けてくれていたようです。

あまりにも不注意で、2度も同じような失敗をする自分のことがつくづく情けなく感じると同時に、温かい人々の善意に本当に感謝感激の思いでいっぱいです。

よく「お財布やスマホなど、貴重品を落としても戻ってくるのは日本だけ。他の国ではありえない」という話題を日本で目にしますが、同じことはクロアチアでもじゅうぶん言えると思います。

実際、周りのクロアチア人の友達からも「スマホを落としたけど、親切な人が見つけて届けてくれた」「財布を落としたけど、返ってきた」なんて声をちょこちょこ耳にします。

もちろん、このブログでも度々注意喚起しているように最近スリ被害も増えてきているクロアチアですが、やっぱり安全でたくさんの心優しい人が住む良い国なんだと改めて感じました。

スリ被害と言えば、最近クロアチアを訪れた日本人旅行者でスマホの盗難（スリ被害）に遭われた方から「スリに遭ったショックはもちろん、今まで旅してきた先で撮ったたくさんの大切な写真のデータが無くなってしまったことが本当の本当にショックです。データのバックアップもしていなかったので・・・」という残念な声を耳にしました。

私のように不注意で紛失しないように気を付けることは言うまでもありませんが、スリ被害など万が一の際に備えて「大切なデータは必ずバックアップしておこう」と今回強く心に誓いました。

無事にスマホとIDが手元に戻り、心からひと安心。名前さえわからず、お礼のひと言も言えないのが残念ですが、見つけてくださった方に心から感謝です。

（2016年9月11日）