クロアチアの観光地を歩いていると、街のあちらこちらで見かける「APARTMAN(アパルトマン)」や「SOBE(ソベ)」という看板。また、個人旅行をす る方は、スプリットやドブロブニクなど、アドリア海沿いの都市の長距離バスターミナルに到着すると「アパルトマン、プライベートルーム!」と声をかけ、客引きをするおばあちゃんたちを見かけることでしょう。
アパルトマン、ソベとは日本で言うアパートメントホテル、ウィークリーマンションや民宿のこと。ク ロアチアではホテルと同じくらい一般的な宿泊施設です。
ホテルと比べると宿泊費が安いため「バックパッカーや若者が泊まるところ」「泊まるだけならぎりぎりOK…というような所」という印象を持つ方も多いようですが、実際に泊まってみると「すごくよかった!」と満足される方がほとんど。
本当に寝るだけの簡素なところもなかにはありますが、ホテルと比べると安く泊まれる上、こだわりの家具やインテリアが設置されていたり、かなり快適に過ごすことができるところがたくさんあります。ここではクロアチアのソベやアパルトマンとはどのようなものかをお伝えします。
プチ・ホームステイが体験できる「ソベ」
一般家庭の空き部屋を旅行者に提供しているものが多い「ソベ(SOBE)」。日本でいう民宿のような感覚で、ソベによってはプチ・ホームステイ体験ができます。ソベでは最低条件として、完全なプライベート空間となる宿泊者専用の寝室が与えられますが、その他どのような設備が用意されているのかはまちまち。
なかには寝室以外にも専用のバスルームも与えられるところもありますが稀。バスルームやキッチンはオーナーさん、もしくは他にソベに滞在している旅行者と共同となることが多いようです(なかにはキッチンは一切使えない所もあります。ネット予約の際は条件をきちんと確認してくださいね)。
ソベにより「キッチンは共同か」「キッチンやバスルームを使用する際のルールの有無(シャワーを浴びるのは夜何時まで、といったルールなど)」「冷蔵庫は 使わせてもらえるか」など条件やルールが異なるので、気になる点は事前にしっかりと確認しましょう。基本的には食事は付きませんが、稀に朝食、場合によっては(かなり珍しいですが)夕食も提供してくれるというところもあり、クロアチアの家庭料理が食べられるチャンスに恵まれるかもしれません。
バスルームやキッチンなど、他人 とシェアするものが多いソベは「他人とコミュニケーションを極力とりたくない」「完全なプライベートが欲しい」という方にはおすすめできませんが、「クロアチアでプチホームステイ体験をしてみたい」「現地の方と交流してみたい」という方はぜひ!ただ「オーナーさんがご年配のご夫婦で英語が話せなくてコミュニケーションに困った」という声もよく耳にするので、言葉の問題があるかもしれないという点はご留意ください。
>>次のページではクロアチア旅行でおすすめしたい『アパートメントホテル』の特徴と宿泊料金の目安をお伝えします
暮らすように滞在できる「アパルトマン」
クロアチアを個人で旅行、長期滞在しようとお考えの方に筆者が強くおすすめしたい宿泊施設が「アパルトマン(APARTMAN)」と呼ばれるアパートメントホテル。日本の”ウィークリーマンション”のような存在です。あまり設備や立地条件の良くない3つ星ホテルよりも、ずっと良い条件かつ安く泊まること ができるので筆者もクロアチア国内を旅する時によく利用します。
原則的にアパルトマンでは最低条件として、宿泊者専用の寝室、バスルーム、キッチンが与えられます。なかにはこの3つ以外にリビングやバルコニーもついているものもあり、ソベと比べるとかなり広々としていて、完全なプライベート空間が約束されま す。「暮らすように旅する」そんな贅沢を叶えてくれるのがアパートメントホテルなのです。
専用のキッチンにはお鍋やフライパン、包丁、まな板など調理に必要な器具、フォークやナイフ、お皿など必要最低限のものは一式揃っています。なかには塩・ コショウなど簡単な調味料まで置いてあるところも。青空市場で買ってきた食材を使って自炊することもできるので、宿泊費だけではなく食費を節約することも可能です。
旬の野菜や新鮮なお魚を買って、みんなでワイワイ料理を楽しみ、ワインと共にテーブルを囲む・・・きっと最高の思い出になることでしょう!
ひとつの都市を基点に色んな都市を回ってみたい、数日から数週間、場合によっては数ヶ月、ひとつの都市でゆっくりと滞在したいという方にはピッ タリのアパルトマン。1泊から受け入れてくれるアパルトマンもたくさんあるので、クロアチアでの生活をプチ体験してみたいという方はぜひ! ホテルでの滞在では味わえない、新鮮な体験ができるはずです。
宿泊費の目安
基本的にアパートメントホテルやソベの宿泊費はひとり頭の値段ではなく、(もちろん定員人数の設定はありますが)1泊1室いくらという設定なので、人数が多い場合、ホテルと比べるとかなり 安く泊まることができます。
宿泊費はシーズン、宿泊人数、宿泊日数により異なります。ホテルと同様、特にアドリア海沿いの街では夏、特に7月、8月のハイ シーズンが1年の中で一番値段が高くなり、オフシーズンと比べると2倍以上するところも。宿泊人数や宿泊日数の他に、部屋の大きさ、設備、都市、立地によ り値段は実に幅がありますが、標準的な設備で観光地から徒歩圏内のアパルトマンであれば、以下の値段が目安となります。
・10月半ばから4月頃:20ユーロ~40ユーロ
・5月から6月、9月から10月上旬頃:50ユーロ~80ユーロ
・7月、8月頃 :75~100ユーロ
※上記の目安の値段は1泊ひと部屋あたり(1名~3名での利用)の値段です
※ソベの場合、上記のアパルトマンの値段より30%前後差し引いた値段を目安にしてください。
上記の宿泊費はあくまでも目安。なかにはもっと安く泊まれるところもありますし、高級アパルトマンだと上記の値段よりもずっと高いところもあります。ま た、連泊すれば安くなったり、うまく交渉すれば特別に割り引いてもらえることも。
一方、特に観光杯シーズンである夏は、最低宿泊日数が定めされていることがあり「1 泊や2泊だけではお断り」というところもあるのでご注意ください(特にドブロブニクやスプリットなど、海辺の町では最低宿泊日数が2泊あるいは3泊以上といったところが多いです)。
最後に、アパートメントホテルやソベは現金払いのみ、クレジットカードは使えないというところが多いので注意してくださいね。