「世界一美しい湾」と称されるモンテネグロのコトル湾。大自然と歴史、様々な文化が融合した美しいコトルは世界遺産にも登録されており、近年日本からクルーズなどで訪れる方も増えてきました。
また、クロアチアのドブロブニクからの日帰り旅行先としても人気が出てきたコトルですが、日本ではまだまだコトル観光についての情報が少ないのが現状です。
今回は日本のガイドブックではあまり詳しく紹介されていないため、見逃してしまう方が多い「城壁」に注目してみたいと思います。城壁はオレンジ色の屋根瓦の街と静かな美しいコトル湾を一望できる、町一番の絶景スポット!!コトルを訪れたらぜひ足を運んで頂きたい場所こそが、『城壁』なのです!
今回はそんなコトルの城壁巡りについて、知っておくときっと役立つ情報をお伝えします。
険しい山道、事前準備はしっかりと
コトルの城壁が築かれたのは、街の背後にそびえる山の斜面。9世紀にその建設が始まり、15世紀頃に現在の姿が完成したと言われています。
全長は約4.5kmにもおよび、山の頂上まで続いています。頂上にそびえる『聖ジョバンニ要塞』がある地点は海抜約260m、到着するまでに1355段もの階段を登こととなります。
そのため「城壁歩き」というよりは、むしろ「登山」に近いので、しっかりと事前準備をする必要があります。
城壁に通じる入口は2か所。『北門』付近にメインとなる入口がひとつ、もうひとつは『サラダ広場(Trg od Salate)』に位置します。コトル旧市街はとても小さいため、実際現地にいけばすぐに入口が見つかるのでご心配なく!
上にも述べたように、険しい山道、階段を延々と続く城壁。風情たっぷりの民家の間を道なりに進んでゆくと、しばらくすると入場チケットを売るカウンターが見えてきます。(「カウンター」と言っても、ただ机が置かれているだけの簡素な受付です)入場料はひとり3ユーロ。現金払いのみなので、注意してくださいね。
さあ、城壁散策(山登り)の開始です!旧市街からてっぺんの聖ジョバンニ要塞までの所要時間は1時間程度。写真を撮ったり、途中休憩をしながらのんびりと歩くと1時間半程度です。
下の写真からもわかるように、ごつごつとした石畳の道が続く山道。筆者も実際に登ってみましたが、率直な感想は「歩きにくい」です(でも、絶景が待っていると思えば、そんなことなんて気にならなくなってしまいます)
そのため歩きやすい靴はマストアイテム!理想はすっぽりと足を覆ってくれる歩きやすいスニーカー。かかとのある靴やビーチサンダルは絶対におすすめしません。
上の写真のような山道をひたすら登ってゆきます。地元のガイドさん曰く「特に夏はハチやヘビが出ることがあるから注意して」とのこと。途中美しい景色が見えてくるため、ついつい夢中になって注意散漫になりがちですが、足を滑らさないように、そしてヘビに用心するため足元にはくれぐれもご注意ください。
だんだんと高くなるにつれ、眼下に広がる景色もさらに美しく。
最初のチェックポイントは『聖母教会』。15世紀、当時のヨーロッパで大流行していたペストの終焉を願ってコトルの人々が建てたそうです。
こじんまりとした石造りの赴きある教会。内部も無料で見学することができます。昔人々は、自分や愛する家族の健康を祈るために、町から山道を登ってこの教会へ礼拝に来たそうです。
ちなみに、ここ『聖母教会』までの道のりは、頂上まで(全体)の約1/3。旧市街から約20分程度で到着する地点にあります。筆者が城壁を訪れたこの日は残念ながら時間がなかったので、頂上まで行くことができませんでしたが、頂上の『聖ジョバンニ要塞』ではさらなる絶景があなたを待っています!
せっかく遥々コトルまで来たからには、ぜひ頂上まで登ってくださいね!
城壁散策はお手洗いを済ませてから
城壁は見てのとおりの山道。途中お手洗いはないので、城壁散策をはじめる前にお手洗いを済ませておきましょう。また、特に暑くなる夏場は熱中症にかからないよう、必ずこまめな水分補給を。筆者が登った日は途中お水を売るおじさんがいましたが、毎日いるとは限らないので、必ずペットボトルのお水を持参してゆくようにしましょう。
城壁散策の最適な時間帯は?
城壁散策におすすめの時間帯は、ズバリ朝!特に夏は、まだ涼しい午前中のうちにスタートするのが理想です。
また夏はジリジリと太陽が照り付け、かなり暑くなるのでお水はもちろん、帽子や日焼け止めなどの暑さ対策も万全に行ってくださいね。
城壁散策に用意しておきたいアイテム・まとめ
それでは最後に城壁散策に用意しておきたいアイテムをまとめてお伝えします。荷物はできるだけコンパクト&軽く、身軽な恰好で臨んでくださいね。
★歩きやすい靴(必須)
・日焼け止め
・帽子
・タオル
・カメラ
コトル城壁DATA
■コトル城壁(要塞)(Kotorska tvrđava)
開放時間:8:00~20:00(冬は16:00頃まで)
入場料:3ユーロ