先月「【感動】今年もクロアチア中が注目♥10年以上遠距離恋愛を続けるコウノトリ夫婦」でお伝えしましたが、毎年クロアチア中が注目するコウノトリの”おしどり”夫婦、マレナ&クレペタン。
毎年3月末頃にブロドスキー・バロシュ村に帰って来るクレペタンですが、実は今年は4月に入っても村にクレペタンの姿はありませんでした。
4月のあたまにクロアチアで流れたニュース番組のインタビューでは「クレペタンはもう若くないからねぇ・・・。ひょっとしたら・・・(死んでしまったのかも)。マレナはすっかり元気をなくしてしまって、何も食べようとしないから、僕が無理にでも口を開かせてエサを食べさせているんです」と心配そうに語るスティエパンさんの様子や、元気をなくしてしまったマレナの姿を見て、クロアチア中が胸を締め付けられるような思いでいました。
待てど暮らせど、帰ってこないクレペタン・・・。
毎年ほぼ同じ日か、遅くても数日程度の遅れで必ず戻って来るクレペタンが一向に帰って来ないので、4月に入ってからは「かわいそうなクレペタン。1万キロメートルもの長い長い旅。きっとクロアチアへ向かう途中で力尽きてしまったんだ・・・」と、クロアチア中が肩を落としてすっかり諦めムードに包まれていました。
きっとマレナも「クレペタンはもう帰ってこない」と思ったのでしょう。マレナは今週に入って、別のオスとの卵を産み、本来ならクレペタンと身を寄せ合うはずだった巣で、そのオスと過ごす姿が見られるように。
誰もが「クレペタンはもう帰ってこない。とうとう14年にも渡る一途な遠距離恋愛が終わりを迎えてしまった・・・」とすっかり諦めていたのですが、今週水曜日の15時頃、クロアチア中が驚きと喜びに包まれました!
そう!なんと、クレペタンが帰ってきたのです!!
(↑ クレペタンの帰還を伝えるクロアチアのニュース)
「クレペタンの帰りがあまりにも遅いので、もうすっかり希望をなくして、涙を流していました。こんなに帰ってくる日が遅くなったことは今まで一度もありませんでしたから・・・。
歳のせいで命が尽きてしまったのか、ひょっとしたら途中でハンターに打たれて命を落としたのか・・・なんて考える一方で、心のどこかで”クレペタン。どうかマレナと私の元へ帰って来ておくれ”と願い続けていたのですが、願いが通じました・・・!」と、スティエパンさんは嬉し涙を流しながら語ったと、クロアチアのニュースで報じられていました。
クレペタンとマレナを心から可愛がっているスティエパンさん。クレペタンの帰還を知って、本当の本当に嬉しかったことでしょう!
ところで、今回、他のオスの卵を産んでしまったマレナ。クレペタンがブロドスキー・バロシュ村に帰って来た時、巣にはマレナとオスがいたそうですが、その様子を見たクレペタンは激怒!すぐさまオスを巣から追い払い、マレナが生んだ卵を割ってしまったのだとか。まさに修羅場とはこのこと・・・ですね(^^;)
その後追い出されたオスはマレナを取り戻そうとしばらく奮闘したようですが、マレナは再び振り向くことはなく、クレペタンとぴったりと身を寄せ合ったそうです。
ザグレブの街の人のインタビューをテレビで見ましたが、「いや~。一途な愛を捨てて、浮気したマレナは良くないねぇ。クレペタンがかわいそう~」という意見がある一方で、「いつもよりこんなに帰って来るのが遅かったんだから、マレナもきっとクレペタンはもう帰ってこないと思ったんだよ。無理もないよ。仕方ないよ。クレペタンはマレナに”浮気した”って怒らないであげてほしいなあ」という声も。
「長旅のせいで羽も汚れてボロボロ。さぞかし疲れているだろうに、マレナを取り戻すために、間髪入れずオスを追い払った男気溢れるクレペタン、本当にマレナひと筋でかっこいいね!!」という声もありました。
なにはともあれ、無事にクレペタンがマレナの元へ戻ってきてくれて、本当の本当によかったです!これからまた、マレナとクレペタンは卵を産み、夏の間ブロドスキー・バロシュ村で子育てをしながら夏を共に過ごします。
最近何かと暗くて不安になるニュースが多いですが、久しぶりに思わず笑顔になるような素敵なニュースに心がとても温かくなりました。
マレナとクレペタンを見ていると、思わず心がほっこり、多くの人が幸せな気持ちに。「コウノトリは幸せの象徴の鳥」と言われますが、それは本当のようですね♥
(2017年4月14日 小坂井真美)