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一生もののモスタル土産に!銅板職人が営む『Mostar Art Gallery』

エキゾチックな雰囲気が漂う店内

 

みなさん、こんにちは!クロアチア在住ガイドのまみです。

 

今日はドブロブニクからの日帰り旅行先としても人気の隣国ボスニア・ヘルツェゴヴィナのモスタルにある素敵な工房をご紹介します!

 

 

ボスニア・ヘルツェゴビナの民芸品として愛される銅板細工は旅のお土産にも人気。

 

ボスニア・ヘルツェゴビナを代表する観光地モスタルにも、銅板細工を売るお店が数多く存在しますが、なかでも特におすすめしたいのが『Mostar Art Gallery(モスタル・アート・ギャラリー)』。

 

お店の入り口。これといった目印や目立つ看板がないので、うっかり見逃さないようにご注意を!

 

街のシンボルである『スタリ・モスト橋』の東側、モスタル旧市街エリアに軒を構える小さな工房。

 

”‘The お土産屋さん”的な雰囲気満点の他のお店と比べると、間口も若干小さく、ギャラリー感が強いため、何も知らずに通りかかると、ちょっぴり入りにくい雰囲気があるかもしれませんが、ぜひみなさんに立ち寄っていただきたいとっても素敵なお店です。

 

店内には所狭しと作品が並べられています

 

実は私もはじめてモスタルを訪れた時から「素敵なお店だな・・・」と気になっていたものの、「おじゃましても、素敵すぎて私に手が届く商品かわからないし・・・。」と、なかなかお店に入る勇気がでませんでした。

 

ですが、モスタルを何回か訪れたのち、ある日ガイドの仕事の合間にふっとスキマ時間ができたので、思い切っておじゃましてみることにしました。

 

作業中のサーシャさん

 

「ドーバル・ダン(こんにちは)」と挨拶してお店に入ると、ニコッと笑顔で出迎えてくださったのは銅板職人のサーシャさん。

 

オリエンタルな雰囲気が漂う店内

 

店内には壁一面に先代の職人さんやサーシャさんが手掛けられた作品たちが飾られています。

 

ユネスコ(国連教育科学文化機関)が発行した本にも、このお店の作品がボスニア・ヘルツェゴヴィナの伝統的芸術として紹介されています。写真に写っている方は先代の職人さん。

 

どれもエキゾチックで不思議と心惹かれるモチーフばかり。

 

これはどういう意味なのかな…などと、考えて魅入っていると、それまでカンカンカン…と銅板を叩いていた手を止めて、サーシャさんがいろいろ説明してくださいました。

 

 

ひとつひとつ、サーシャさんが銅板を叩いて地道に丁寧に作られた作品たち。

 

手前の資料は中世の墓石(Stećci)の写真。サーシャさんがモチーフの意味をご親切に説明してくださいます。

 

モチーフはギリシア時代の古いものや、ユネスコ世界無形遺産に登録されている中世の墓石(Stećci)に刻まれた模様などなど。

 

 

モスタルには銅板アートを売るお店、工房がいくつも点在していますが、サーシャさんの工房のものはより厚み、重厚感があります
(実際、他のお店のものより平均して数mm厚いのだそう。

 

お値段はサイズや作品によりさまざまですが、お手軽価格のものなら30ユーロ前後~。

 

 

また、モスタルをこよなく愛するサーシャさん。

 

92年〜95年のボスニア戦争で深く傷ついたモスタルはまだ街の至る所に戦争の傷跡が散見されます。

 

そのため、モスタル観光といえば戦時中のエピソードが語られることがほとんどですが、サーシャさんはこんな風に語ってくれました。

 

 

「たしかにここでかつて戦争があった。クロアチア人、ムスリム人、セルビア人が三つ巴の戦いを繰り広げたのは事実だ。でも、それまで、戦争が起こるまでの間、共存してきた平和の時代、歴史、共に培ってきた素晴らしい文化、遺産、人々の記憶がある。(戦争のことはもちろん忘れてはいけないけれど)モスタルのそうした素晴らしい面にも目を向けてほしい」

 

そう語るサーシャさんの優しい目の底に、言葉では表現しがたい、とても熱いものを感じました。

 

作品の美しさに魅了されたのはもちろんですが、サーシャさんのあたたかいお人柄にとっても惹かれました。

 

 

ところで、こちら(↑)は初めてサーシャさんの工房を訪れた時に購入したもの。

 

生命の樹をモチーフにしたものも欲しかったのですが、欲しい色&形のものが売り切れだったので、次にモスタルに戻って来る時までに作っておくよ、とサーシャさんが約束してくださいました。

 

(もしモスタル訪問時に必ずご購入されたい品があるなら、事前に(最後にお伝えする公式HPに掲載されているメールアドレスから)サーシャさんに英語などでメッセージを送ってご相談ください)

 

 

 

そうして2度目に訪れた際に購入させていただいたのがこちら(↑)。

 

私も自宅にサーシャさんから購入させていただいた作品をふたつ飾っているのですが、いつも目にする度にモスタルやサーシャさんのことを思い出して、あたたかい気持ちになります。

 

サーシャさんとのおしゃべりが楽しくて、いつもあっという間に時間が過ぎてしまいます

 

「モスタルに来たら、いつでも遊びにおいで」とサーシャさんのお言葉に甘えて、いつも街を訪れる際は仕事の合間を縫って必ず挨拶に伺います。

 

サーシャさんとモスタルで出逢えて話せたら、みなさんにとってもきっとこの街がもっと特別な思い出の場所になるはず

 

また美しいだけではなく丈夫な銅板アートは一生もの!世代を超えて長く楽しむこともできます。

 

モスタルの美しい景色

 

みなさんもモスタルへお越しの際は「クロたびのまみに聞いて遊びに来たよ」と、サーシャさんの工房を訪ねてみてください。

 

以上、みなさんの楽しいモスタル滞在のヒントになれば幸いです。

 

(小坂井真美

■Mostar Art Gallery(モスタル・アート・ギャラリー)

 

公式HP:https://mostar-art.com/mostar-art-gallery/

住所:Kujundžiluk 5 88000 Mostar

 

 

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