町を代表するシンボルといえば「カモメと少女」の像。
20世紀に活躍したクロアチアの彫刻家ズボンコ・カル(Zvonko Car)によって手掛けられた作品で、1956年に設置されました。
岩の上に立ち、アドリア海の向こう側を見つめ続ける少女…。どこまでも広がる美しい海は、無限大の可能性を秘める人生。この像は海のずっと向こうにある、まだ見ぬ未来に憧れ胸を躍らせる少女の様子を表していると言われています。
ところで、あまり知られていませんが、実はこの像のある場所には、かつて「マドンナ・デル・マーレ(Madonna del Mare/海上のマドンナ(聖母))と呼ばれる別の像が建っていました。「海上のマドンナ」は、ある夫婦の慰霊のために建てられたものでした。
1891年のイースター間近のある日のこと。オパティヤでの休暇を過ごすためにこの地を訪れたその夫婦は、エクスカーションの船に乗りクルーズを楽しんでいたのですが、この岬からさほど遠くない海の上で、波に呑み込まれて命を落としてしまいました。その時一緒に船に乗っていた息子さんは助かったそうですが、夫婦は帰らぬ人のなったのです。そうして、ご夫婦を追悼するために「海上のマドンナ」が建てられましたが、ある日、嵐によって破壊されてしまいました。
その後、1956年になり新たに建てられたのが「カモメと少女」の像。今では町のシンボルとして人々に親しまれています。
⇒ 「知っていれば街歩きがもっと楽しくなる! オパティヤの記憶を物語る彫刻アートたち」もあわせてご覧ください