凶悪犯罪が少なく治安の良いクロアチアは女性でも安心して一人旅を楽しんでいただける国ですが、近年観光客の増加に伴い、スリ被害が増加しています。警察に届けても、残念ながら盗まれたものが返ってくることはほとんどありませんので、スリ被害に遭わないように十分に気を付けてください。
スリ被害で一番多いのがお財布とパスポートの盗難。お財布を盗まれた時はすぐにクレジットカード会社に電話をして、カードの無効手続きをしましょう。そのため、万が一の場合にすぐに連絡がつくよう、クレジットカード会社の連絡先とクレジットカード番号を手帳などに控えておくことをおすすめします。
このようにクレジットカードは電話一本でひとまず処理ができますが、スリ被害に遭った時、一番困るのがパスポート。
パスポートがないと日本に帰ることができないので、必ず新しいパスポートを現地で入手する必要があります。ですが、「もしクロアチア旅行中にパスポートを紛失してしまったら・・・」と想像した時、どんな風に対応すればいいかパッと頭の中に浮かばない方が多いのではないでしょうか。
そこで、パスポートを紛失した際に、スムーズに手続きを進められるように知っておきたい手順をお伝えします。
1.まずは最寄りの警察へ行く
まず、パスポートの紛失・盗難に気づいたら最寄りの警察署へ行き、「紛失・盗難届出証明書」を発行してもらいましょう。
英語が話せる警察官も多いですが、英語が通じないことも。そんな時は以下のフレーズを使ってみてください。
「財布とパスポートが盗まれました。Ukrali su mi novčanik i potovnicu(ウクラリ ス ミ ノヴチャニク イ プトヴニツ)」
「盗難証明書を作成していただけますか。 Možete li izdati izvješće krađe ?(モジェテ リ イズダティ イズヴェシュチェ クラジェ)」
稀に意思疎通がうまくとれずになかなか親切に対応してもらえないことも。そんな時、遠慮しておとなしく座っていては延々と待たされることにもなりかねません。そんな時も決して臆することなく盗難届出証明書が必要な旨をしっかりと伝えましょう。
そして心強いことに、在クロアチア日本大使館が英語やクロアチア語が話せなくても警察官とスムーズにコミュニケーションをとれるように次のような書類を作成しています→クリックすると別ウィンドウで開きます
万が一の際スムーズに事が運ぶよう、クロアチア旅行を計画されている方は、この書類をプリントアウトしてカバンに入れておくことを強くおすすめします。
2.日本大使館へ行く
「紛失・盗難届出証明書」を発行してもらえたら、旅券の失効手続きと緊急旅券を発行してもらうために、ザグレブの日本大使館へ向かいましょう(クロアチアには日本領事館はありません)。
在クロアチア日本大使館ではICチップのページを作る設備がないため、新規パスポートの発給は行われず、「緊急旅券(帰国のためのパスポート)」のみの発給となります。なお、土日・祝日は休館日となり対応時間外なのでご注意ください。
⇒ 在クロアチア日本大使館の住所、アクセスの方法はコチラ(公式HP)
3.緊急旅券発給に必要なもの
緊急旅券発給のためには盗難証明書以外にも 戸籍謄本(あるいは戸籍抄本)と証明写真が必ず必要となります。
証明写真(縦4.5cm×横3.5cm)はザグレブの日本大使館近辺にたくさんの写真屋さんがあるためすぐに用意することができますが、一番手間がかかるのが戸籍謄本の入手。
6カ月以内に発行されたものが必要となるのですが、戸籍謄本(抄本)は日本でしか発行できないため、家族や友人など日本にいる誰かに連絡をして役所に取りに行ってもらう必要があります。
日本に帰るフライトの日が迫る中、「日本の家族になかなか連絡が取れない」と困ってしまう方も少なくありません。そのため万が一に備えて、いつでも日本で待ってくれている家族や友人と連絡がつくよう、出発前に必ず日本の緊急連絡先を取り決めをしておきましょう。
上記書類が揃えば、即日で緊急旅券を発給してもらえます。
せっかくのクロアチア旅行が台無しにならないためにも、トラブルに巻き込まれないことを願いますが、万が一の際にお役立ていただければ幸いです。
(小坂井真美)