みなさん、こんにちは!
クロたびスタッフ、クロアチア在住ガイドのまみです。
先日、クロアチア・ザグレブ在住の日本人の方から新たなスリ手口に関する情報提供を頂きました。
みなさんが被害に遭わないように、ここで情報共有したいと思います。
「ヨーロッパの中でも特に平和で治安が良い国」のひとつとして挙げられるクロアチアですが、残念なことに近年、観光客を狙ったスリが増えています。
当サイトでも何度も注意喚起してきましたが、これまでは比較的単純なスリ手口(トラム車内や街中で注意散漫な観光客のスキをついてカバンから貴重品を盗む手口)がほとんどでした。
【関連記事】
⇒ ザグレブ・トラム車内のスリ体験談① ┃ チケットの打刻方法を教える女スリ(2018年10月)
⇒ ザグレブ・トラム車内のスリ体験談② ┃ しつこく話しかけてくる女スリ(2019年1月)
⇒ ザグレブ・トラム車内のスリ体験談③ ┃ カラダを押し付けてくる女 & 男スリ集団(2019年4月)
ですが最近、クロアチアでも少し手の込んだ芝居型の犯行を行うスリ・グループが出てきたみたいです。
その手口とは、ターゲットの目の前でお金(お札あるいは硬貨)を道に落とすというもの。
いずれも2、3人組のグループによる犯行で、ひとりがお金を落としターゲットの気を引き、ターゲットが親切にお金を拾うのを手伝っているスキに、もうひとりがターゲットのカバンから貴重品を手早く盗むという手口です。
少なくとも、私はこれまであまりクロアチアでは耳にしたことがなかった手口ですが、ヨーロッパではよくあるスリの常套手段。
人の親切心につけ込んだ手口、本当に卑劣極まりないです。
情報提供をくださった方は、クロアチア在住の日本人女性。
これまでザグレブ市内の観光地エリア(イェラチッチ総督広場=中央鉄道駅の間のダウンタウン・エリア)で2回も遭遇したのだそう。
幸い、いずれも被害は一切なかったそうですが、「不自然であやしかった。ほぼ間違いなくスリ・グループだろう…」と、当サイトへ情報提供してくださいました。
一度目はクロアチア人女性と日本人の旦那さまと3人で歩いていた時。
いわゆる”ジプシー風”の男二人組に遭遇。そのうちのひとりが、お三方の前でポロっとお札を落としたそうです。
道端でじっとお三方を観察するような不自然な視線、行動に気づき「怪しい…」と警戒されていた上、そもそも日本人女性はお札が落ちたのに気がつかなかったようで、その場は完全スルーされ事なきを得たそうですが、あとから旦那さまに「さっきの人、怪しかったよね。目の前で不自然にお札を落としてたし」と言われて「そういえば怪しかったし、ひょっとしたらスリだったのかも…」と感じられたのだとか。
もしかするとたまたまお札が落ちただけの可能性も無きにしもあらず…ですし、人を疑うのは良くないかもしれませんが、男二人組の風貌を聞くと、私も何度かザグレブ市内で見かけたことがあるスリ集団の一味っぽかったので、やはりスリだったのだと思います。
もう一度は旦那さまと歩いていた時。この時は若い男1人と女2人(10代後半~20代前半くらい)の三人組だったのだそう。
この時も「怪しい…」と勘が働いたので、結果的には完全スルーして事なきを得たそうですが、こちらもお金を目の前でばらまく手口。
道を歩いていたら、男がおふたりの目の前で突然コインをバラまいたのだとか。
不自然だったうえに「お友達もいるし、私が手伝ってあげなくても大丈夫だろう」とスルーされたそうです。
こちらも警戒心ゼロで拾うのを手伝ってあげいたら、ドサクサに紛れて仲間の女がカバンに手をかけて貴重品を盗まれたかもしれません。
このグループも、私も実際に数年前に対峙したことがあるスリ集団と風貌が似ていたので、スリでほぼ間違いないかと。(ガイド中にお客様が狙われてバトルしたスリ。幸い、未遂で終わりました。)
お金をポロっと落とした人がいたら「落としましたよ」と拾って声をかけてあげたり、コインをばらまいえあたふたしている人がいたら、親切心からつい拾うのを手伝ってあげたくなるかもしれませんが、海外でこのような場面に遭遇したら、安易に関わらない方が無難です。
クロアチアに住んでいたり日頃ガイドなどの仕事に携わっていると、なんとなく(ハズレたら非常に失礼ではありますが、心のなかで)「あっ、この人スリっぽい…。気をつけなきゃ。」と、勘が働くのですが、みなさんのようにはじめてクロアチアへ観光へ来る方だと、その判断を一瞬で行うのは、残念ですがほぼ不可能です。
そのため、心苦しいですが、無用なトラブルに巻き込まれないためにも、上記のような場面に出くわしたら、心を鬼にして完全無視、スルーするのがベストでしょう。
もしどうしても手伝ってあげたいのなら、カバンに手を添える、リュックサックを前に抱えるなどして、貴重品に細心の注意を払いながら手伝ってあげてください。
なお、上記手口とは別に、ザグレブの観光地で「一緒に写真を撮ろう!」と親しげに声をかけられ近づいてきた集団に親切に応じて、気がついたらお財布をスられていた…なんてケースも報告されています。
海外旅行はつい気が大きくなりがち、人への警戒心が薄くなる傾向があるかもしれませんが、基本的に「道端で突然親しげに話しかけてくる知らない人は相手にしない」のが一番です。
日本でも、道端で突然知らない人から「写真、一緒に取りませんか?」と声をかけられたら困惑、警戒しますよね。
また、他にヨーロッパでよくあるスリの手口としては、「道を教えてほしい」と、地図などを片手に困ったフリをして話しかけてくるというものもあります。
どうみても観光客のわたしたちアジア人・日本人にヨーロッパで道を尋ねる…というのも、少し考えればおかしいですよね。
なかには「同じ観光客だし、優しそうな人がだから、この人なら知っていたら親切に教えてくれるかも」と言う気持ちで話しかけくる善良な(スリではない)一般人の可能性もありますが、いずれにせよ、基本的には相手にしない、もし応じてあげるにしても貴重品には細心の注意を払ってくださいね。
ただ、クロアチアには本当に気さくで人懐っこい方が多く、日本人旅行者を見かけて、「日本人かな?ちょっと声をかけてみたいな…コンニチハ!」「困っているのかな?助けてあげたいな」と、善意や興味から声をかけてくれる人が珍しくないのも事実。
そのような方々に無下な態度を取るのはとても心が痛みますよね。
でも、実際、非常に残念ですが、そのような本当に親切な方に紛れて、親切を装ったスリ集団がいるのも事実です。
「トラムに乗っていたら『チケットを打刻してあげる』と話しかけられ、気を取られているうちにスリに遭った」
「長距離バスターミナル周辺で歩いていたら、いきなり(ジプシー風の)子供たちが『運んであげるよ!』とスーツケースに手をかけてどんどん歩いて行ってしまった。慌てて追いかけようと前に集中していたら、気がついたら後ろにいた別の子供が貴重品が入っているカバンに手をかけていた」
どちらも、実際過去にクロアチアを旅された日本人旅行者のみなさんが被害に遭った・遭いかけたケースです。
ここに住んでいると、なんとなく感覚でそのような”良い方”も比較的簡単に見分けがつくのですが、旅行者だとなかなかその判断が難しいのがもどかしいところ。
なんとなく相手が醸し出す雰囲気や言動でわかるかもしれませんが、いずれにせよ、突然知らない人が話しかけきたらまずは貴重品に気を配るという点に気をつけてください。
なお、どのスリの手口も首都ザグレブだけではなく、クロアチア(ヨーロッパ)全土に通ずるもの。
「ザグレブが特にスリが多い」というわけではありません(むしろドブロブニクやスプリットなど海沿いの観光地の方が多い)ので、「ここは大丈夫だろう」などと思わず、常に貴重品の管理にはご注意ください。
最後に、当サイトではいろいろスリに関する注意喚起をしつこいくらい行っていますが、それはみなさんを怖がらせたいのではなく、みなさんの安全と楽しい旅の時間を守りたいという想いからです。
先日、ザグレブでガイドをさせていただいた日本人観光客の方に「クロたびにあまりにも『スリに注意』と書かれていたので、心配になってしまって『クロアチア旅行をあきらめた方がよいかな・・・』なんて思ってしまいました。でも、来てよかったです」というお言葉を頂きました。
クロアチアは他のヨーロッパの国に比べて特段スリが多い国だというわけでは決してありません。
むしろその逆で、実際にお越しくださる多くの日本人のみなさんが「クロアチアは治安も良くて平和で良い所ですね」と仰ってくださるような、安心して旅を楽しんでいただける国です。
安心して歩ける雰囲気が漂っているからこそ、つい気が緩みがちになってしまいます。
だからこそ、みなさんが被害に遭わないように、みなさんの楽しいクロアチア旅行が卑劣なスリのせいで台無しにならないように、当サイトではこれからも注意喚起を引き続き行っていきます。
それでは、みなさんのクロアチアの旅が安全で最高に楽しい時間となることを心から願っています・・・!
(2023年7月8日 小坂井真美)
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