海外旅行で一番遭う確率の高い犯罪のひとつといえばスリ。筆者が住んでいるクロアチアでも、最も日本人が遭いやすい犯罪のひとつもスリです。
(クロアチアは女性一人でも安心して旅ができる程、治安が良い国。ですが、残念なことにスリ被害が近年急増しています)
せっかくの楽しい旅行も、スリや盗難に遭ってしまうと一気に雰囲気が台無しになってしまいます。嫌な気分になるだけでなく、貴重な現地での時間も無駄に。スリをする相手もプロ、ターゲットとなる人物をしっかりと品定めしています。
スリのターゲットになりやすい人の特徴を学んで、標的にならないようにしっかりと対策をして行きましょう。
ここでお伝えすることは、クロアチアに限らず、他の国でも通じる点があると思います。みなさんの安心で楽しい旅のヒントにしていただければ幸いです。
リュックサックや斜め掛けのバッグを使用している
リュックサックや斜め掛けのバッグなどは「体のそばにあるから・・・」と安心しがちですが、目の届かない死角はスリの標的になるので要注意!
リュックサックなど背負っている荷物、そしてズボンのうしろポケットに入れたものは特に狙われやすいのです。肩から斜め掛けにしているバッグも、歩いてい るうちにバッグが体の後ろ側に回り、気が付かない間に死角となってしまっていることがよくあります。
カバンの外ポケットには財布、パスポート、貴金属などの貴重品は絶対に入れないように。斜め掛けのバッグはチャックをしっかりと閉め、人ごみの中では必ずカバンを体の前方に持ってくるようにしてください。
なかでも一番気を付けたいのがリュックサック!旅行に大変便利なリュックサックですが、全体が死角になるため、最もスリの標的になりやすいタイプのカバンなのです。
筆者もクロアチアで日頃リュックサックをよく利用していますが、リュックサックには貴重品を入れないということを徹底しています。どうしてもリュックサックに貴重品を入れたい場合は、リュックサックの背中側(※)の内ポケットに入れています(※背中側の内ポケットだと、手を入れられると気づくため)
もしくは(開閉する度に面倒くさいため、筆者はここまでしていませんが)、心配ならリュックサックのジッパーに鍵をかけてしまうというのも効果的です。
「リュックサックのチャックを開けてすぐ目につくところ、すぐ取り出せる所に入れてあるものは、スリの標的にされてしまうと一瞬で盗まれてしまう」というくらいの認識でいてくださいね。(特に、上の写真のようにリュックの外側についているポケットには貴重品は絶対に入れないでくださいね)
また、人が多い混雑した観光地はスリが必ずいます。混雑した場所を貴重品が入ったリュックサックを持って歩く際は、リュックサックを前抱えにして死角を作らないということを徹底してください。
チャックのないハンドバックを持ち歩いている
スリ被害を防ぐためにはチャック付きのものなど、口がしっかりと閉まるタイプのカバンを選びましょう。外からカバンの中身が見えるような状態は「狙ってください」とスリを誘っているようなもの。
でも「しっかりと口が閉まるカバンなら安心」というわけではなく、チャック付きのカバンでも油断は禁物です! チャックを閉めたカバンの中に貴重品を入れていても「観光に夢中になっていたら、気づかないうちにチャックが開けられ、中身がごっそりと抜き取られていた・・・」なんてこともよく耳 にします。
貴重品は必ずカバンの内ポケットに入れ、さらに体の前面に持ってきましょう。念には念を入れて用心するよう心がけてくださいね。
ガイドブックやスマホを片手に街歩きする
多額の現金を持ち歩き、スリ被害に遭っても警察に届けを出さない傾向のある「観光客」はスリにとって格好の獲物。いかにも「観光客です」といった格好をして歩いたり、ガイドブックを片手にキョロキョロしながら歩いている姿は、スリにとって有難い目印です。
ガイドブックやスマホのチェックはなるべくカフェやレストランで。できるだけ「その土地に不慣れな観光客」であることを悟られないように気をつけましょう。
貴重品を一か所にまとめている
意外とスリ被害に遭いやすいタイプが、几帳面な方。カバンの中をキレイに整理していたり、貴重品をジッパー付き袋などに入れて一か所にまとめているため、 プロのスリはどこに貴重品があるのか一瞬でわかってしまうのだとか。
カバンの中を整理整頓することは素晴らしいことですが、貴重品は決して一か所に入れな いで。内ポケットなどを上手に活用して、分散させてくださいね。
ブランド物を身に着けている
特に女性の方!「普段からブランド物のバッグを愛用している」という方も少なくないと思います。ですが、海外ではブランド物や高級そうなものを身に着けて街歩きする行為はスリを自ら誘っているようなもの。街歩きの際は、観光に相応しい服装を選ぶように心がけましょう。
特にクロアチア観光はたくさん歩くことになるので、できるだけ散策に適した、そして周囲に溶け込むラフな格好で観光することをおすすめします。
ですが、ラフな格好をしているからといって、スリの標的にならないわけではないので、やはり油断は禁物ですよ!
「自分は大丈夫!」と思い込んでいる
スリ被害に遭わないために一番大切なこと。それは「自分は大丈夫。スリが近づいて来たら絶対に気づくはず!」なんて思い込まないこと。スリ被害に遭った方は皆口「まさか自分が・・・」と口を揃えます。
楽しい旅行を台無しにしないためにも、他人事とは思わず念には念を。くれぐれも気を付けてください。用心し過ぎて後悔することはありません!
最後に、近年クロアチアでは、特にザグレブのトラム車内でのスリ被害が多発しています!筆者も実際にトラムのスリに遭遇しました。
ここに書くとものすごく長くなってしまうので、ザグレブのトラム車内でのスリ被害について詳しくはぜひ下記の記事にまとめています。「トラム車内でスリが多いと聞いて、用心していたのに被害に遭ってしまった」という方も昨年はたくさんいらっしゃったので、ぜひともご覧ください。
またクロアチア全土で、特に日本人のスリ被害が多く報告されているスポットや町は下記の記事にて一挙にお伝えしているので、ぜひあわせてご覧ください!
この記事を読んでくださったみなさんが、スリ被害に遭わないことを心から願っています。
(小坂井真美)