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【現地レポート】石畳と階段のフォトジェニックな街『シベニク』

シベニクの町並み

 

こんにちは!

 

観光シーズンのピークに突入し、ずっとバタバタしていたため少しレポートが遅くなりましたが、先月末にシベニクへ行って来ました。

 

とっても素敵な町だったので、たくさんの写真と共にレポートしたいと思います♬

 

スプリットは様々なイベントが町のあちらこちらで行われ、すごく賑やかでした!

 

シベニクはアドリア海沿岸(ダルマチア地方)に位置する小さな街。

 

仕事でスプリットに行った翌日、「クロたび」のシベニク情報を充実させる目的で、ザグレブに帰る前にシベニクへ立ち寄ってきました。

 

スプリットのプロムナード。夜遅くまでたくさんの人で賑わっていました!

 

スプリットからシベニクまではバスで約1時間半。

 

途中海岸沿いの美しい景色や街並みを車窓からぼ~っと眺めていると、あっという間に到着しました(スプリット⇒シベニクへ向かう際は、バスの左側の席がおすすめです。左側に海が見えてきますよ!)。

 

シベニクのバスターミナル

 

シベニクの中央バスターミナルから旧市街までは徒歩約5分程度。

 

海沿いを歩いてゆくと、美しい旧市街が見えてきます(↓)

 

写真奥に見えるのが旧市街の町並みです

 

「きれいな町並みだな~」と、旧市街に近づくにつれ一人ワクワク感が高まっていたのですが、海を気持ちよさそうに泳ぐ白鳥を見つけてひとり心の中で大興奮!

 

白鳥・・・といえば、湖のイメージが強かったため「海にも白鳥がいるんだ!」と、びっくりしてしまいました(笑)

 

近くまで寄ってきてくれました♥

 

白鳥にほっこり癒されながら、旧市街に到着。

 

 

「クロアチアの中でも最も階段が多い街のひとつ」だと言われるシベニク。

 

まさにその通りで、旧市街に到着した途端、右を向いても、左を向いても階段だらけの景色が目に飛び込んできました。

 

 

中世の街並みを色濃く残し、迷路のように細く入り組んだ石畳の路地が特徴的なシベニク旧市街。

 

 

半径約250m以内に旧市街(見所)がすっぽりと収まってしまう程、コンパクトな可愛らしい街なので、方向音痴の筆者でも地図を持たずに安心して街歩きを楽しめました。

 

 

途中素敵なテラス席があるカフェやレストランもたくさん見かけましたよ・・・!

 

 

こんなに素敵な石畳の路地のテラス席に腰掛けて、コーヒーを楽しめたら最高ですね♬

 

この日はシベニクについて勉強するため、半日ほどガイドさんに案内をして頂きながら街を歩いていたのですが、街角でとてもおもしろい話をしてくださいました。

 

なんでも、下の写真(↓)に写っている黄色い建物の角にある、白い石を積み上げたような柱は「市民の見栄の張り合いの”レガシー”」なのだとか。

 

 

 

昔シベニクに住んでいたお金持ちの人々が、その財力を誇示するために作り始めたのだそう。「柱の高さ=財力」つまり、この石の柱が高ければ高いほどお金持ちだとみなされた、という説があるそうです。

 

ですが他にも、ただ単に、荷物の運搬などで建物の角が痛まないように保護するために作られた、という説もあるのだそう。

 

個人的には”見栄の張り合い説”の方が、何だか人間くさくておもしろうなぁ、と思います(笑)

 

レストランの入り口も素敵です♥

 

他にもガイドさんに教えてもらうまで気づかなかったのですが、下の写真のように、民家の壁の足元に小さなくぼみがあいていました(↓)

 

壁に小さな穴が空いているのが見えるでしょうか?犬やネコのための水飲み場だったそうです

 

これは犬やネコのための水飲み場だったのだとか。上の写真の場所以外にも、町の至る所に小さな生き物たちのための水飲み場が点在していました。

 

「(シベニクが位置する)ダルマチア地方は昔から夏は暑さが厳しく、水の確保は常に町の死活問題だったの。シベニクの旧市街の中にも、当時大切に使われていた井戸がいくつか今も残されているのよ」と語るガイドさん。

 

水を手に入れることが容易でなかった中世の時代、人々にとって水は今以上に貴重な存在。それにも関わらず、動物たちのために水飲み場を作り、貴重な水を分け与えていたシベニクの人々の優しさに、思わずじ~んとしました。

 

 

そんな心優しい人たちが住む町のためか、シベニクでは毛並みの良い、幸せそうなネコちゃんたちをたくさん見かけました。

 

筆者は今までクロアチアのいろんな町を訪れてきましたが、シベニクは特にフォトジェニックな町で、お気に入りの町のひとつです。

 

 

ドブロブニクやスプリットなども石畳の路地がある素敵な風景に出逢える街ですが、シベニクがおもしろいのは、同じ石畳の路地でも、通りを曲がるごとにその表情がコロコロと変化するという点。

 

 

階段が多いため、上り下りする度に景色がぐっと変わり、また路地を右や左に曲がるごとに、全くことなる風景が目に飛び込んでくるのです。

 

 

それから、グレーの石畳の路地や民家の壁だけではなく、カラフルな民家や建物も多いシベニク。

 

 

真っ青な空とカラフルな建物のコントラストが本当に綺麗でした!

 

 

それから、今回筆者がシベニクを訪れたのは、毎年6月中頃から末にかけて行われる「国際子どもフェスティバル」の期間中だったのですが、町の至る所に子供たちが描いた可愛らしい絵がたくさん飾られていました。

 

毎年6月に「シベニク国際子どもフェスティバル」が開催されます

 

路地裏では子供たちが集まって石畳の上で絵を描いたり、工作をしたり、微笑ましい光景にもたくさん出逢うことができました。

 

シベニクの町並み

 

ずっと歩いていても飽きない美しい街並みでしたが、ガイドさんに誘われ町一番の見所である聖ヤコブ大聖堂へ。

 

 

ユネスコ世界遺産にも登録されているこの大聖堂は、1431年から1536年頃までにかけて約100年もの歳月をかけて建設工事が行われたのだとか。

 

 

「この大聖堂の外観で特徴的なのは、壁に施されている71もの人の頭部の彫刻です。これらは大聖堂が建設された当時のシベニク市民をモデルにしていると言われている彫刻なのですが、キリスト教施設に飾るのは聖人しか許されなかった時代、俗世間の一般市民の顔が大聖堂に彫りこまれるということは、とても珍しい事だったのですよ」とガイドさん。

 

ひとりひとり顔の造りや表情が違うのも、とてもユニーク。ちょっと怒っているように見えたり、にやけているように見えたり・・・。観察していて、とてもおもしろかったです!

 

 

もちろん内部も必見!

 

緻密な計算を用いて設計された大聖堂は、美しい曲線を描く大きなドーム型の天井や内部の柱、壁すべてが石のみで建てられているというのだから驚きです!

 

 

「木やレンガの補助を一切使用せずに建てられた石造建築の教会としては世界で一番大きいものなんですよ」とガイドさん。

 

こんなに大きなドーム型の天井を木やレンガの補助なしで建てただなんて、本当に驚きです。

 

洗礼室への入口

 

(↑)大聖堂の奥にある、美しい洗礼室も必見です!

 

 

小さな洗礼室内部の様子は、うまく写真に収め切ることができませんでしたが、特に天井の彫刻の美しさに思わず息をのみました(↓)

 

聖フランシスコ教会の中庭

 

シベニクはとても教会が多い町。

 

聖ヤコブ大聖堂の他にも「聖フランシスコ教会」をはじめ、(内部の見学ができない所もありましたが)様々な教会をガイドさんと巡りました。

 

ここではすべてお伝えしきることができませんが、また機会があれば改めてレポートさせていただきますね。

 

聖ロブロ教会のカフェ、お庭への入口

 

お昼が近づき、おなかも空いたため、休憩を兼ねてカフェへ。

 

ガイドさんも日頃お友達とよくコーヒーを飲みに来るという、美しいお庭がある『スヴェティ・ロヴレ(Sveti Lovre)』に行くことにしました。

 

『スヴェティ・ロヴレ(Sveti Lovre)』

 

『スヴェティ・ロヴレ(Sveti Lovre)』について詳しくは(シベニク)秘密の花園でカフェタイム♬ Caffe Sveti Lovre」にてお伝えしているので、よろしければご覧ください♬

 

聖ミカエル要塞への道のり

 

ランチを食べ終わった後は、シベニクの町を一望できる聖ミカエル要塞へ。

 

シベニクを訪れたら必ず立ち寄りたい、おすすめの絶景スポットです。

 

 

聖ミカエル要塞までは、町から徒歩で約10分程度。

 

途中階段がありますが、景色を楽しみながら歩いているとあっという間に到着します。

 

 

聖ミカエル要塞の一番古い部分は13世紀のものだと言われていますが、現在残っている要塞の大部分は15世紀から16世紀にかけて築かれたものなのだそう。

 

シベニク周辺には、それぞれ小高い丘の上に築かれた聖ミカエル要塞の他にも聖イヴァン要塞バロン要塞、そして海の上に建てられた聖ニコラ要塞の4つの要塞が町を囲むように位置しているのですが、これらはすべて主にオスマントルコ帝国から町を守るために作られたのだとか。

 

中世の時代、聖ミカエル要塞とイヴァン要塞、そしてバロン要塞はすべて城壁で繋がれており、シベニクをすっぽりと囲むような形で町を守っていたそうです。そして町の正面には、海の向こう側に目を光らせる聖ニコラ要塞が鎮座するシベニクの町。

 

聖ミカエル要塞からの眺め

 

ガイドさんによると、聖イヴァン要塞とバロン要塞は17世紀になってから作られたそうなのですが、オスマントルコ帝国の脅威から町を守るために急遽作られた要塞だそうで、たった2カ月で完成されたのだそう。たった2カ月で要塞を作るなんて驚きですね!

 

脅威的な早さで要塞が完成したのは、女性や子供も進んで要塞建設を手伝ったからなのだとか。

 

このように4つの要塞により守られた堅固な町は、さすがのオスマントルコ帝国も陥落させることができなかったそうです。

 

聖ヤコブ大聖堂もきれいに見えますよ!

 

このように、数百年にも渡りシベニクの町を守り抜いてきた要塞と城壁ですが、その後19世紀になり、町の拡大に伴い城壁は市民自らの手で取り壊されたのだとか。

 

ですが、現在でも4つの要塞はすべて残されており、町の観光スポットとして人々に親しまれています。

 

ところで、日本のガイドブックに載っているのは聖ミカエル要塞ばかりですが、実は聖バロン要塞も地元シベニクでは聖ミカエル要塞に次ぐビュースポットやイベント会場として愛されています。

 

聖ミカエル要塞の入場料は50クーナ。チケットは聖バロン要塞との共通チケットとなっており、1枚のチケットで聖ミカエル要塞と聖バロン要塞の2か所を訪れることができるのです。

 

バロン要塞に続く道のり

 

聖ミカエル要塞からバロン要塞までは、迷わずに行くことができれば徒歩15分程度。途中坂道や階段がありますが、シベニクでたっぷりと時間のある方は、ぜひバロン要塞にも足を延ばしてみてください。

 

市民のイベント会場にもなるバロン要塞

 

聖ミカエル要塞とは、また違った角度からシベニクの町や海を一望することができます。

 

 

バロン要塞からは聖イヴァン要塞や聖ミカエル要塞を眺めることもできます(↓ ※写真奥に見えているのが聖ミカエル要塞)

 

バロン要塞 からの眺め

 

写真では少しわかりにくいですが、海の向こう側に浮かぶ聖ニコラ要塞の姿も遠くに見えました。

 

バロン要塞

 

ガイドブックではあまり詳しく取り上げられていませんが、魅力満点のシベニク!

 

また少しずつ「クロたび(当サイト)」でもシベニク観光情報を充実させてゆけるよう頑張ります。

 

みなさまも、ダルマチア地方へ足を延ばされる際は、ぜひお立ち寄りください♪

 

(2017年7月21日 小坂井真美

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