2019年の春、クロアチア旅行にお越しくださった「Tさん」(ペンネーム)ご夫婦がクロアチアのスプリットでひったくり被害に遭い、とても悲しいことに腕を骨折する大ケガをされました。
事件当時のことを含め、「今後クロアチアへ行くみなさんが、同じようなイタイ経験をしないためにも・・・」と、非常に詳細でご丁寧なメールをたくさんお寄せくださいました。
Tさんから「ひったくりに遭い、骨折していまいました・・・」と連絡をいただいた際、クロたびスタッフは本当に悲しくて残念な思いでいっぱい。そしてTさんのことが心配でなりませんでした。
近年スリは多いクロアチアですが、ひったくり事件はほとんど耳にしませんし、日本人観光客が被害に遭ったというケースは初めて聞いたため、すごくショックでした。
Tさんはクロたびを通してトランスファーサービス(イストラ半島の街巡りの専用車)をお申込みくださっていた方で、スプリット、そしてその後のプリトヴィッツェ滞在後に、イストラ半島の観光を予定されていました。
Tさんがお寄せくださったメールには、ひったくり被害に遭わないための心がけや安心な旅のためのヒントがたくさん盛り込まれています。
実際にTさんが体験されたこと、感じられたことを詳細に知れば、防犯意識が高まり非常に効果的だと思いますので、Tさんからご提供いただいた貴重な情報をご紹介させていただきますね。
(※Tさんからのお便りとして掲載している文章は、Tさんから頂戴したメールをほとんどそのまま掲載していますが、一部加筆・修正して編集しています。掲載のご許可をくださったTさん、本当にありがとうございます!)
Tさんからの最初のお便り
まずご紹介するのは、Tさんに「ひったくり被害に遭った」と最初にご連絡をいただいた際のお便りです。
ご夫婦で歩かれているところ、旦那様のバッグが狙われ、そのはずみで奥様が転倒、腕を骨折されてしまったようです。
以下、Tさんからのお便りです。
昨夜スプリットでひったくりにあった際、転んで腕を骨折しました。 今日も病院と警察です。
狙われたのと、転んでしまった理由はいくつか思い当たります。
私はカジュアルな服装でしたが、夫は夏用のジャケットと黒い革靴。そして手にはダンヒルのクラッチバッグを持っていました。ホテルに推薦されたレストランに行くために、ジャケットなんて着たのですが、港町のスプリットの人々の服装はカジュアルですね。私たちの恰好は少し浮いていたのかもしれません。
何よりも、肩掛けタイプのものではなく、ハンドルも通さないで、手で握りしめるだけのバッグは「どうぞ盗ってください」と言っているようなものです。
今回も肩掛けタイプバッグを用意していたのですが、肩掛けは気に入らないらしく、東京でいる感覚で手でにぎりしめてバッグを持ち歩いていました。
雨で濡れたつるつるの石の歩道は、摩擦力ゼロ。夫が揉み合ったはずみで転んだところは、少し道路に出ていたのかもしれません。ズボンが破れていました。
翌日、膝が腫れて真っ黒になっていました。石の上で膝をついたら、彼こそ複雑骨折で、即帰国だったかもしれません。
私は履き慣れたフラットの靴でしたが、昔は靴の後ろにあったボツボツ(滑り止め)がすっかりなくなっていました。東京は、アスファルトなので気がつきませんでした。
やはり、クロアチア旅行の際は、慣れた靴も大切ですが、グリップが効く靴も大切だと思いました。
ひどくコケたのに、ダウンにはかすり傷ひとつ付いていませんでした。段差のあるスケートリンクで転んだのと同じですね!
プリトヴィッツェ散策用には、ウォータープルーフ(防水機能がある)の本格的なウォーキングシューズを持っていったのですが、町歩きには向きませんでした。
ちなみに私たちを案内してくれたガイドさんは、スニーカーのような見た目で、かつ防水機能もある靴を履かれていました。昔、雨の日の案内の時に足元が濡れて困っていたところ、ガイド仲間からザグレブ のスポーツ店を教えてもらい、それ以来その靴を愛用していると話していました。
安く買えたそうです。お店の名前は覚えていませんが、観光中に雨が降りそうなら、そういうお店を紹介するのもいいかもしれませんね。
クロたびのブログにもありましたが、足が冷たいと泣きたくなりますね。街歩きにも適していて、かつ雨の日には防水機能がある靴がおススメ!でしょうか。
そうそう、犯人は後ろ姿だけ目撃しましたが、比較的身長が高い、若い男性だと思います。暗闇に走り去る姿はバランスが良く綺麗でした。
夫が大声で犯人を追いかけたのですが、それに恐怖?を感じたのか、バッグを投げ捨てたのでプロではないはず。また、Luxe ホテルの隣のサムソンの店の前あたりで起きた犯行ですから、防犯カメラに写っている可能性が高く、やはりプロではないと思います。
やはりひったくりに遭わないためには、基本の恰好としては肩掛けバッグ、それに雨でも転ばないようなグリップの効いた靴が理想かなと。雨が降った後は革靴、特に底が革のものを履くのはやめた方が無難だと思いました。
また何か質問等ありましたら、ご連絡ください。
できれば、次回は海辺の島あたりで のんびりを楽しみたいです。 最後に、クロアチアの長距離バスは、多くの旅人の口コミなどに書かれているように、1時間ぐらい遅れて到着。直行便のはずだったのに、どこかで降ろされて他にバス乗り換えさせられ、さらに1時間遅刻していました。
かなり余裕を持って移動しないと、辛い思いをすると思いました。
取り急ぎご報告まで
下の記事でもお伝えしていますが、Tさんが仰るように「スリやひったくりなど、犯罪者に狙われないよう、あまり目立たない恰好をする」「雨の日に備えた靴の準備」は安全で楽しい旅には欠かせません。
Tさんの体験を教訓に、どうかみなさんもクロアチアの旅を楽しんでくださいね。
Tさんからのその後のお便り①
ケガをしてしまった後、一時はその後の行程をキャンセルして日本へご帰国されることも検討されていたTさんですが、その後気持ちを切り替えて、予定通りイストラ観光も満喫してくださいました。
筆者もTさんをご案内したドライバーも、「ひったくり被害に遭った」とご連絡をいただいた際は、Tさんのことが心配でならないのと同時に、Tさんのせっかくのクロアチアの旅を台無しにした卑劣なひったくり犯に対する怒りが収まりませんでした。
大変なケガをされながらもクロアチアの旅を続行してくださるTさんに、クロたびスタッフ(筆者)も担当ドライバーも「残りのクロアチアでの時間を、どうかどうか最高に楽しいものにしていただきたい!」という気持ちでいっぱいだったのですが、その後Tさんからとても嬉しいメッセージが届き、とても嬉しかったです。
メッセージの中にはTさんの体験から得られる教訓も散りばめられているので、こちらも順にご紹介させていただきますね。
本日、モトブンとポレチュ巡り、無事にロヴィニのお宿に到着しました。アレンジ本当にありがとうございます。クロたびのドライバーさんがいて、本当に良かったです。
ドライバーさんがロヴィニ到着時にお宿に電話してくださり、すぐに迎えが来てくださいました。道中も一生懸命説明してくださり、ホスピタリティー溢れる方で楽しく過ごせました。ぜひお礼をお伝えください。
お宿のご主人は風邪?でダウンされているそうで、可愛い奥様が迎えに来てくださり色々と説明してくださいました。素晴らしいパティオの部屋に通してもらいましたが、残念ながら雨です。モトヴン、ポレチュの散策時は不思議と雨が降らず、ゆっくり楽しめました。
明日は同じドライバーさんに送迎をお願いして、空港までの道のりも安心です。
Tさんからのその後のお便り②
次はご帰国後早々にくださったメッセージです(*^^*)
さっき成田に到着しました。
おかげさまで、腕の痛みは、変な動きをしない限りほとんどありません。でも、回転運動ができないので不便です。石膏で固められているので、お箸も口まで届かず…😅
ロヴィニでは到着早々大雨で、翌日も雨の予想で「どうしたものか・・・」と悩みましたが、幸いどんどん晴れてきて、午後には海沿いの公園で日光浴しながらゆったりとした日が過ごせました。その日の深夜にロンドンへ移動だったので、もし雨だったら本当に困っていたと思います。
(お天気に恵まれる確率が高い)7〜8月が人気という理由がわかります。雨が降ると、都会でないとどうしても行き場(雨でも楽しめるところ)が無くなりますものね。
トミスラブさん、熱血漢のドライバーさんですね。運転、とても上手だと感心しました。
色々な事があったクロアチア旅行でしたが、プリトヴィッツェではこれ以上ないほど素晴らしいお天気に恵まれ、その前のドブロブニクも晴天で、いい思い出となりました。
ザグレブのマーケット(ドラツ市場)、あまりの素晴らしさと安さ!に感激しました。「引っ越ししたい!」です。マーケットで見かけたお魚。日本でも、もうこんなにたくさんの種類は期待できません。
ザグレブやイストラ地方にはまた、夏にでもゆっくりと訪問したいと思います。
最後に、「あの素晴らしいマーケットの食材を使った地中海料理のツアーとかあると楽しいな!」って思いました。フルーツもジュースにすれば美味しそう!マーケットにジューススタンドがないか、思わず探してしまいました。
小坂井さんのご健康とますますのご活躍をお祈り申し上げます。
Tさんからのその後のお便り③
最後は年明け、2020年に頂戴したメッセージです。
大ケガをされて本当は少しでも早くご帰国されたかったことでしょうが、結果的にクロアチアから楽しい思い出を持ち帰っていただき嬉しく思います。
また今はすっかり良くなり完治されたとのこと、本当に良かったです!
Tさんも書いていらっしゃる通り、クロアチアに限らず海外旅行の際は旅行保険への加入が必須!そして補償内容もしっかりと確認されることをおすすめします。
またTさんが仰るように、帰国してから必ず信頼できるお医者さまの診察を受けてくださいね。
筆者もクロアチアで医療通訳の仕事をたまにお受けすることがありますが、担当させていただいた患者のみなさまには、いつも必ず「日本に帰ってから、かかりつけのお医者さまに診てもらってくださいね」とおすすめしています。
(関連記事:【必見】日本大使館に聞いた、クロアチアの治安&日本人が遭いやすいトラブル)
クロアチアは決して医療水準が低い国ではありませんが、やはり日本の方がいろんな面で水準が高いと筆者も感じます。
貴重な体験談、ご感想をお寄せくださったTさん、改めましてありがとうございました!
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少しでも多くのケースを知っておくことは、みなさん自身の貴重品や身を守るきっかけにつながります。
みなさんの安全で楽しい旅のために、ぜひお役立ていただけると嬉しいです。
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※また、当サイトのクロアチア治安情報一覧以外にも、スタッフ・ブログでは時折最新のクロアチア治安情報を発信しています。安全な楽しい旅の準備にお役立ていただけると幸いです。
(2020年1月8日 小坂井真美)
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