そこで「クロアチア人に聞いてみた、日本に行って驚いたこと(前編)」に引き続き、日本に行ったことがあるクロアチア人たちから、日本に実際に行って驚いたことをお伝えします!
夜、明るい!
クロアチアに限らず、ヨーロッパの夜は日本と比べるとかなり暗いと感じます。なので、夜でもネオンが煌々と輝く日本の都市の賑やかさにびっくりするのだとか。
また「夜通しで営業しているレストランや24時間営業のお店が当たり前のようにあって、ビックリした」「東京はまさに”眠らない町”なんだね」という声も多数上がりました。
DVDレンタルショップがまだある
ここ数年、クロアチアでめっきり見かけなくなったDVDレンタルショップ。その理由はネットの動画配信サービスを利用したり、違法に映画をダウンロードする人が増えたからなのだとか。
「日本の町を歩いているとTSUTAYAとか、たくさんの人がレンタルショップを利用している光景を見て“日本は違法ダウンロードの取り締まりなどが厳しいしっかりした国なんだろうな”と感じた」という声が挙がりました。
「KAROUSHI」という言葉
これは日本に行ったことがある・・・というよりも、日本語を勉強しているクロアチア人から聞いた感想。
「”karoshi”という言葉を初めて知ったとき、そんなことが本当にあるなんて信じられなかった」
過労死は英語では“death from overwork”と訳すこともできるそうですが、一般的に“karoshi”とローマ字表記で辞書にも載っているのだとか。日本には外国語になかなか訳せない様々な美しい言葉がありますが、こんな悲しい言葉も「外国語には訳せない日本語」のひとつなのですね。
(もちろん日本人の筆者なんかよりもずっと勤勉なクロアチア人もいますが)一般的に「仕事<プライベート」が当たり前のクロアチアの人々。「真面目で勤勉なのは素晴らしいことだけど、死んでしまうくらい限界まで頑張って働くという概念が理解できない。何がそこまで彼らを追い詰めるんだろう・・・」と答えてくれたクロアチア人は考えていました。
それから同じ人が「家族サービス」という日本語にもびっくりしたと言ってしました。家族が何より大切な存在であるクロアチア。家族のため、楽しい休暇のために平日一生懸命働くのが当たり前のクロアチア人にとって、休日家族と過ごすのは当たり前のこと。むしろ「働くために週末を家でゆっくり過ごして体を整えるという考えがあるんだ。それにしても、家族と過ごすという人生で最も大切な時間を”サービス”や”義務”と感じる人がいるんだ・・・!」と驚いたそうです。
それから夜遅くの電車にスーツ姿の人がたくさん乗っているのを見て「本当に日本人は働き者なんだな・・・」と実感したという声も。
よく「働くために休む日本人。休むために働く●●人」という表現を耳にしますが、クロアチア人も「僕たちクロアチア人は、週末やホリデー、仕事後のリラックスタイムを楽しみに生きているからねぇ。もちろん、仕事にもやりがいや生き甲斐を見つけられたら最高だけど、やっぱりプライベートが一番大切」と話してくれました。
リサイクルショップ、いいね!
「日本の古本屋さんやリサイクルショップの数の多さ、商品の質や充実度に驚いた」という声が。
クロアチアでは古本を売っているのはちらほら見かけることがあり、中古品を売買できるネットサイトなどは人気がありますが、リサイクルショップのような店舗はあまりみかけません(少なくとも筆者は見たことがないです)。「クロアチアにも日本みたいなリサイクルショップがあったらなぁ」「“Mottainai”の精神が根付く日本だからこそリサイクルショップが商売できるんじゃないか。素敵だと思う」という意見が挙がりました。
缶コーヒー
コーヒーが大好きなクロアチア人。「コーヒーと言えば、やっぱりカフェでゆっくり飲むコーヒーが一番」と答える人がほとんどのクロアチアでは、テイクアウトのコーヒーはあまりポピュラーではなく、スーパーでも最近ようやくプラスチック容器入りのコーヒー飲料を見かけるようになった程度。
そのため日本の缶コーヒーはクロアチア人にウケないだろうと思っていたのですが「いや~。日本の缶コーヒーにすっかりハマっちゃって。100円ちょっとというお手軽な値段もうれしいポイントだし、いろんな種類があるから面白い。飲んだことがない缶コーヒーを見つけたら、ついつい試したくなっちゃう」「そこら中に自動販売機があって、いつでも簡単にコーヒーが手に入るので最高」と、筆者の予想に反してなかなか好評のよう。
「こんなにも缶コーヒーの味にバラエティーがあるのか!とビックリした」という意見もありました。
本屋さんがすごい!
まず「本屋さんの規模(大きさ)にぶったまげた」「本や漫画の種類の多さにひっくり返った」「日本の本屋さんはテーマパーク」という声が多数寄せられました。首都のザグレブの本屋さんでも、規模的には日本の駅前などにある小さな本屋さんと同じくらいか、それよりちょっぴり大きいくらいのクロアチア。
本好きの人には信じられない光景だそうで「あぁ、もっと日本語が理解できたら・・・。日本語が読めるなら、本屋さんに住みたいくらい」という声も。「本にカバーをかけてくれるという日本らしいサービスと、本を大切にする精神に心を打ちぬかれた~」という意見もありました。
店員さんの挨拶をお客さんはスルーする
日本ではお店に入る時にあいさつをするという方は少ないと思います。でもクロアチアではたとえスーパーであっても、市場であっても、小さなお店であっても、入店時やレジでの支払い時は「こんにちは」と挨拶するのがマナー。特に目が合ったのにスルーしたり、お店の人の挨拶を無視するなんてことはありえません。
だから、日本で店員さんが「いらっしゃませ」と笑顔で挨拶するのに、お客さんが何も言わずにスルーする光景を初めて見たときは驚いたという意見が挙がりました。
「日本はとてもマナーが良い素晴らしい国!日本人を尊敬しているけど、いくらお客さんとはいえ挨拶を無視するのは、う~ん・・・どうなんだろう。それが日本の文化かもしれないし、僕がとやかく言う資格なんてないけれど、ちょっと寂しいね。人が多い都市に住むと、他人への心の壁が自然と高くなるのかなぁ・・・」
人がたくさん集まる都会に暮らしていても、心の中では孤独を感じている人も多い現代日本。この意見を聞いて、知らない人とでも機械的に・・・ではなく、きちんと心のこもった挨拶をする習慣が根付けば、もっともっと温かい良い社会になるのではないかと感じました。
タバコがそんなに高くない
愛煙家が非常に多いクロアチア。Wold Careerの「ヘビースモーカーランキング」でも14位に入る程。よく「クロアチア人はよく“お金がない”友達とカフェに行って愚痴を話し合うけれど、カフェでタバコを何本も吸いながらグチるだけのコーヒー代とタバコ代は不思議なことにいつもある。毎日のカフェかタバコのどちらかをやめればお金も少しは貯まるだろうに・・・」とジョークで言われます。
クロアチアのタバコの価格は1箱20~26クーナ程度(約330円~430円)。一般的なクロアチア人の月収は57000円~75000円程度と言われているので、毎月のタバコ代は相当な出費です。そのため「クロアチアよりも平均月収がうんと高い日本で1箱430円程度でタバコが売られているのを見てびっくり。そしてただただ、うらやましい~!」という声が。
確かに、日本のタバコの価格は西欧諸国と比べるとかなり安いみたいですね・・・!
キットカットの種類が多い
「抹茶味のキットカットが最高!」「いちご味のキットカットがもう一度食べたい・・・」「一見ありえない!って思う味だけど、食べてみると意外とおいしい!」「やっぱり日本は(いい意味で)クレイジー!どこからこんなにたくさんの斬新なアイディアが溢れてくるんだろう」などなど、大好評のキットカット。
「クロアチアの家族や友達にお土産に持って帰ったら超盛り上がった」という意見もありました。日本らしい、かつクロアチア人ウケが良いのが抹茶味といちご味。一方わさび味やほうじ茶味、しょうゆ味は、苦手な人が多いそうです。
クロアチア人への手土産に日本限定のキットカットを持ってゆくと喜ばれるかもしれません!
飲み放題、食べ放題というシステムがある
「マジで天国!」「クロアチアでこんなお店を開いたら確実に赤字」という声が相次いだのが食べ放題、特に焼肉食べ放題&飲み放題のお店。このシステムには多くの外国人観光客が驚くそうですが、クロアチア人も例外ではありません。
また「食べ放題」というシステムではなく「お客さん自身でお肉を焼く・・・という焼肉のスタイルも非常に新鮮で面白かった」という意見もありました。
大人が公共の場でマンガを読んでいる
「電車などで大人がマンガを読みふけっている姿に驚いた」という意見が。決して悪い意味ではなく「やっぱりマンガって日本の文化なんだなぁ」「大人も堂々とマンガを楽しめる社会って良いと思う」とポジティブなものばかりでした。
その他にも「お手洗いがどこも清潔だった。特にトイレのハイテクぶりにはびっくりした!日本はどこまで進んだ国なんだ~!って」「日本のテレビはグルメ番組ばかりで驚いた。日本人はあまり食べない(小食)イメージがあったから、食べ物の話題ばっかり流れている番組を観て意外に感じた」など、他の国の方と共通する意見もたくさん挙がりました。
以上前編から続き、いろいろな意見をお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか?
住み慣れてしまうと特別に感じないことでも、日本の外から見ると「すごい」「面白い」「不思議」「クール&クレイジー!」と感じることはまだまだたくさんあると思います。
「日本はという国は、別の惑星だ」なんてジョークををよく耳にしますが、筆者も日本を離れてみて、日本がいろんな意味でとてもユニークな国であることを実感しています。いつもそんな日本に帰るのがワクワク楽しみで仕方がありません。
日本の「あたりまえだけど、本当は(海外から見ると)あたりまえでない部分」を感じながら過ごすと、日本での日常がいつもよりもちょっぴり刺激的に感じるかもしれませんね。
(小坂井真美)