2017年の夏、出張中の急な変更でイタリアのヴェネチア⇒クロアチアのポレチュ行きの船(カタマラン / スピードボート)を利用しました。
実はこの時、当初まったく予定になく、当日突然決まった船の利用。全く下調べをせずに利用したので戸惑ったことも多かったのですが「事前に知っておいたら良かっただろうなぁ」と思うことがいくつかありました。
今後当サイトでもイタリアとクロアチアを組み合わせた旅をみなさんにおすすめしてゆきたいと考えているので、今回は忘備録も兼ねて、みなさんに情報をシェアしたいと思います!
港の場所に注意
まず、急に船の利用が決まった時点で少し戸惑ったのが、船が出発する港の場所。
この時、筆者はVeneziaLinesという船会社のオンラインサイトを利用して当日チケットを入手したのですが、利用する船の港を確認すると”Terminal Passeggeri San Basilio Venezia”と書かれていました。
ヴェネチア空港のエリアからこの港を目指して移動したのですが、何も情報がない状態だったので地元の方に「クロアチア行きの船に乗るために港(Port)に行きたいのですが、行き方を教えていただけますか?」と尋ねると「どの港だい?ヴェネチアはたくさん港があるからねぇ」というお返事が。
さすが、水の都ヴェネチア!
小さなクロアチアではどんな町でも「●●行きの船に乗りたいのですが、港はどこですか?」と聞けば返ってくる答えは大抵ひとつ。そんな素朴なクロアチアの町に慣れきっていたため、いやはや・・・質問の仕方が悪かったようです。
気を取り直して「Terminal Passeggeri San Basilio Veneziaに行きたいのですが・・・」と尋ねると、とても親切に教えてくださいました。
空港から町のバスターミナルまではバス、そこからは水上バスを乗り継いで「Terminal Passeggeri San Basilio Venezia」に到着。
ここでは水上バスの乗り方には触れませんが、はじめて利用する水上バスに「これであっているのかな?時間、間に合うかな?」と、内心ひとりでドキドキでした(船のスタッフの方に「Terminal Passeggeri San Basilio Veneziaに着いたら教えてください」とお願いすると、親切に教えていただけました)!
ヴェネチア事情に詳しい方からあとで聞いた話ですが、このようにヴェネチアでは「フェリー乗り場はどこ?」という具体性に欠ける質問は混乱の元なのだとか。ひと言で「フェリー乗り場」と言っても、いくつも港があるため、しっかりと自分が目指すべき港の名前を確認しておくことが大切なのだそうです。
ちなみにイタリア語が全く話せない筆者は、「Terminal Passeggeri San Basilio Venezia」とフェリー乗り場の名前をうまく発音する自信がなかったので、紙に書いて見せながら地元の方に尋ねたのですが、そのおかげでスムーズに理解してもらうことができました(英語はとてもよく通じました!人もみんなすごく親切でしたよ 🙂 )。
余裕を持って到着しよう
突然決まった利用で下調べを何もしておらず、しかも全く深く考えていなかったため「出発の30分くらい前に港に到着すればいいかっ!」なんて、のんきに構えていたのですが、港に到着してビックリ!
港には船に乗り込む前に手荷物検査と出国検査を受ける人の長い列が出来ていたのです(チェックイン手続き(乗船手続き)は待ち時間を入れて10分くらいでできました)。
普段国際線の船になんて乗らないので「港に着いたら船に乗り込むだけ」と、のんきに思い込んでいたので、到着してから焦ってしまいました(苦笑)
よく考えれば、国際線なんだから、少なくとも出国検査があることくらいには気が付くべきでした💦
列をなすたくさんの人を見て「あぁ、やってしまった・・・間に合わないかも~」と顔が青ざめそうになったのですが、近くにいるスタッフの方に「あと20分後に出発するポレチュ行きに乗りたいのですが・・・間に合いますかね?」と声をかけると「大丈夫、大丈夫。ここにいる人、みんな同じ船に乗る人だから、心配しないでも間に合うよ」と優しく対応していただきひと安心。
乗り遅れることなく、無事に乗船できたのですが、次回からはもっと時間に余裕を持って港に到着しようと強く心に誓いました。
チケットの予約はお早めに!
筆者が船を利用したのは8月上旬。イタリア、クロアチア共に観光シーズン真っ盛りの時期だったため、当日券がほぼ売り切れの状態でした。
この日は運よく数席空いていたのですが、予約があと数時間遅かったら席がなかったかも・・・。出航した時点で、なんと席は満席でした!
チケットは港近くにある船会社の窓口でも購入できるそうですが、特に利用者が多い夏の観光シーズン中は事前にネット予約しておくことをおすすめします。
気になる船内の様子
上の写真はVeneziaLinesのエコノミー(一般クラス)席。
下の写真は同じくVeneziaLinesのVIP席というクラスのもの。
筆者が乗船したこの日、当日券で残っていたものはVIP席のものしかなかったので、このクラスを利用しましたが、正直な所「VIP席」という響きから想像していたものとはかなり違いました(笑)
たしかにソファー席もあるため、エコノミー席と比べると若干ゆったりと座れるかもしれませんが、ソファーと言ってもフカフカの座り心地の良い椅子というわけではありません。
ただひとつ、VIPチケットには、船内の売店で交換できる「ドリンク1杯無料券」が付いていました。
船内にはサンドイッチやマフィンなどのちょっとした軽食やスナック、コーヒーやジュース、アルコールなどのドリンクが買える売店もあります。
ただし、サンドイッチなどはあまり数を用意していないようで、いつも大抵あっという間に売り切れになってしまうのだとか(この日もすぐに売り切れていました)。しかも買えたとしても、実物と値段を比較するとちょっと割高な印象を受けることでしょう。
そのため、船の中で軽食を楽しみたい方は、事前にパン屋さんやスーパーなどでおいしいサンドイッチやスナックを用意しておくことをおすすめします。
入国審査は到着してから
クロアチアへの入国審査は港に到着して船を降りてから。特に入国の理由なども聞かれないので、気楽に構えていればOKです。
その他気になる注意点
今回筆者はクロアチアからの日帰りで急遽利用したため、特別大きな荷物もなかったのですが「もしスーツケースをもっていたら、どうだったんだろう?」と思って、少し調べてみました。
荷物の規定などは、それぞれフェリー会社によって違いますが、今回筆者が利用したVenizia Lineのホームページを見てみると、次のような記述がありました。日本語で簡単にまとめてみたので、よろしければヒントになさってください。
●ハンドラゲッジ(持ち込み)荷物について
大きさが56cm x 45cm x 25cm以内、重さ10㎏以内
チケットの種類に問わず、ひとりにつき1個まで持ち込み可能
●ただし、ヴェネチア(イタリア)―イストラ半島(クロアチア)間のデイトリップチケット(日帰りチケット)を利用して乗船する乗客は、チェックインラゲッジ(ハンドラゲッジ以外の大きな荷物・預け荷物)の持ち込みはできません
●チェックインラゲッジの預け入れは、片道チケットまたは往復チケットを利用して乗船する乗客のみに限ります。重さや大きさの制限はありませんが、個数は1個に限ります。なお、チェックインラゲッジ1個はチケット代に含まれています。また予約段階でチェックインラゲッジがあることをお知らせいただく必要もありません
●2個以上のチェックインラゲッジのお預け入れをご希望の方は、予約時点でお申し出頂ければ1個につき10ユーロ、チェックイン時にお申し出頂いた方は1個につき20ユーロにてお預け入れ可能です。
他にも旅行者からよくある質問がこちらのページにまとめられています(英語)。
当日急に決定したヴェネチア行き(しかもはじめて訪れるヴェネチア)、そして船の利用だったので、乗船するまでハラハラ・ドキドキの連続でした。
でも、バスで移動するよりもずっと快適!バスなら4、5時間かかる距離をたった2時間40分程度で移動できますし、美しいアドリア海の景色も楽しむことができ、とても良かったです。
以上みなさんの楽しい旅のヒントになれば幸いです。
なお、まだまだ情報が少ないクロアチア=イタリア間の船の情報ですが、タイムスケジュールや料金を調べたり、オンライン予約をするのにはフェリーチケットの予約サイト「Direct Ferries」が便利です。
(小坂井真美)