「世界一美しい夕日の町」として知られる、クロアチアのザダル。
ザダル旧市街内には様々な名所がありますが、そのなかでも「シーオルガン」と並んで特に有名なのが「太陽への挨拶(クロアチア語名:Pozdrav suncu)」という名のモニュメント。
海に突き出た小さな半島に位置しているザダル旧市街。このモニュメントはその先端、アドリア海の真ん前に位置しています。
「太陽への挨拶」とは、300枚ものガラス板から作られた、直径22メートルの巨大な円形の作品。ニコラ・バシッチ(Nikola Bašić)さんというクロアチア人建築家が手がけたこの巨大なモニュメントは、「シーオルガン」と共に、ザダルのシンボルとして人々に愛されています。(シーオルガンを手がけたのもニコラ・バシッチさんです)
ガラス板の下にはソーラーパネル(太陽電池パネル)が埋め込まれており、夜になるとカラフルな光を放ちます(↓)。
次々と色を変えて光る「太陽の挨拶」は、まるで屋外クラブのよう。
夏の夜になると、光のダンスを楽しもうと、たくさんの人がここに集まります
ちなみに、上下の写真は冬に撮ったもの。観光オフシーズンで人が全くいなかったため、光のショーを独り占め気分で楽しむことができました。
このように夜、光を放つ「太陽への挨拶」は「夜に行くべきザダルの観光スポット」として有名ですが、夕暮れ時の美しさも格別!
下の写真(↓)は別のカメラマンさんが撮ったものですが、条件さえ揃えば、実に幻想的な夕暮れの風景を見ることができます。
また夜のインパクトが強すぎるせいか「“太陽への挨拶”には夜行くべき」という旅人の口コミが多く、昼間はあまり人が集まらないスポットなのですが、筆者は個人的には夜よりも朝や昼間の「太陽への挨拶」の方が好きです。
上の写真は、7月、雲がほとんどない、晴れた日の真昼間にクロたびスタッフが取った写真。
夕暮れ時になると徐々に人が集まってくる「太陽の挨拶」ですが、(もちろん、日により状況は異なりますが)観光客が多い真夏でさえ、真昼間に行くと人はまばらです。
下の写真も同様。7月のある日、お昼に取った写真です。
白い石畳と青いパネルのコントラストがとても美しいです。
上の写真は同じく7月に撮影したもの。これを撮ったのは18時頃。徐々に日が傾いてくる時間で、パネル近くにも人が集まり始めます。
人がたくさん映り込んだ様子も素敵ですが、やはり人が少ないと、写真にすると幻想的な風景になります。
上の写真を撮ったのは、ザダルが観光オフシーズン真っ只中の2月上旬の朝。つい先日、クロたびスタッフがザダルに行ってきた時に撮影してきました。
この日は明け方まで小雨が降っていて、ガラス板が少し濡れていたせいもあり、「太陽の挨拶」全体がまるで巨大な天空の鏡のようになっていました!
周囲には朝の散歩を楽しむ地元の人がちらほらいるだけで、とても静か。
聞こえてくるのは波とシーオルガンの音色だけです。
季節や空の様子、太陽の光の強さなど、様々な条件にもよりますが、白い雲が浮かぶ青空の日なら、このような幻想的な写真を撮ることができます。
パネルの継ぎ目が見えるので、ボリビアのウユニ塩湖のような「天空の鏡」とはいきませんが、ザダルでもこのような素敵な風景に出逢うことができます。
このように面白い写真を撮れる「太陽の挨拶」は、実は地元ザダルでは人気のウェディング・フォトスポット。お天気の良い日の昼間には、幸せそうな笑顔で写真撮影を行うカップルの様子をよく見かけます。
しかもウユニ塩湖で「天空の鏡」を見るには、時期が限られている上、かなりの条件が揃う必要があると聞きますが、ザダルのこのスポットなら、基本的には太陽さえ出ていれば「天空の鏡」で写真を撮ることができます。
ちなみに、このページに掲載しているクロたびスタッフが撮った写真(※)には加工処理などは一切施していません。(※「© Zadar Tourist Board」とクレジット表記を入れいている写真以外は、すべてクロたびスタッフが撮影した写真です)
おもしろい写真が撮れる「太陽への挨拶」。ザダルへお越しの際は夜だけではなく、ぜひ朝や昼間にも足を運んでみてくださいね!
(2018年2月8日 小坂井真美)
DATA
■太陽への挨拶(Pozdrav suncu)
※パブリックスペースなので、24時間いつでも楽しめます!
モニュメントがある場所(地図):
Special thanks to Zadar Touris Board