先日、久しぶりにザグレブのミロゴイ墓地を散歩してきました。

「お墓を散歩なんて・・・」と驚かれるかもしれませんが、「ヨーロッパで最も美しい墓地」と謳われるミロゴイ墓地は、ザグレブの秘かな人気観光スポット。

紅葉した蔦に覆われるミロゴイ墓地の外壁

ミロゴイ墓地の外壁や回廊には蔦（つた）が生い茂っているのですが、特に秋、10月中頃になるとそれらが真っ赤になることから、ザグレブの美しい紅葉スポットとしても知られています。

この日はミロゴイ墓地の紅葉を見るために、ぶらりと一人で訪れてきました。

いつ訪れても美しいミロゴイ墓地。

「お墓」ですが、おどろおどろしい雰囲気はなく、美しい回廊や景色を見ながらを歩いていると、不思議と心が休まります。

広大なミロゴイ墓地。

ぶらぶらひとりで歩いていると、時折、お墓参りに来られている方々と目がちらっと合うことが。きっとアジア人が一人で歩いているのが物珍しかったのでしょう。

そんな時は「ドーバル・ダン（こんにちは）」と挨拶すれば、みんな「ドーバル・ダン」と、にっこり笑顔でほほえみかけてくれました。

その中に、筆者に対してとても関心を示してくれたおばちゃんがいたのですが「どうしてクロアチア語が話せるの？」から始まり、しばらく立ち話に。

「ここに住んで何年なの？」「ザグレブの住み心地はどう？」と、目をきらきらと輝かせながら尋ねてくるおばちゃん。

「ザグレブは大好きですよ。人もみんな親切で優しいし、とても住み心地が良いです。第二の故郷だと思ってます」と答える筆者に、おばちゃんは「そう言ってもらえて本当に嬉しいわ！」と満面の笑み。

今日でザグレブに住み始めてぴったり5年が過ぎましたが、本当にそう思っています。「お世辞でもないのに、そんなに喜んでもらえて嬉しいなあ・・・」と、おばちゃんの笑顔に思わず癒されました(*^^*)

日々「やっぱり、日本でまた暮らしたいなあ・・・」と夢見ることも多いのですが、ザグレブでの生活がとっても心地良いのも事実。

その大きな理由のひとつは間違いなく、ここに住む人たちの「温かさ」です。

とても気さくでフレンドリーな人が多いクロアチア。

今回ミロゴイ墓地で出会ったおばちゃんのように、街角や店先で「どこから来たの（出身は？）」などと、下心などはかけらもない、ただただ興味に満ちたワクワクした目で話かけられることがよくあります。

その度にここに住む人たちの「人の良さ」や「温かさ」を噛みしめ、思わずほっこりとした気持ちになります。

熱心なカトリック教徒が多いクロアチアですが、ここミロゴイ墓地にはユダヤ教徒は正教徒の方々のお墓もあり、宗教の違いを超えて共に眠っています。

こんなに美しく静かな場所なら、きっと心穏やかに眠れることでしょう。

もうすぐ三十路の筆者。まだ「永眠の地」を考えるには、ちょっと早いかもしれませんが、「もしも」それが日本ではなくクロアチアになるなら、ここがいいなぁ・・・なんて思っています。

・・・「紅葉のミロゴイ墓地」をお伝えするつもりが、つい話が逸れてしまいました(笑)💦

別れ際「あなたとお話できて楽しかったわ。ザグレブでの暮らしを楽しんでね」と筆者の手をぎゅっと握りしめてくれるおばちゃん。

「そうそう、知ってると思うけど・・・せっかくここ（ザグレブ）に住んでいるなら「万聖節」の夜にまた、ミロゴイへいらっしゃいね。とってもきれいだから・・・！」と笑顔で手を振って立ち去って行きました。

毎年当ブログでもお伝えしていますが、万聖節（または「諸聖人の日」とも呼ばれます)とは11月1日のカトリックの祝祭日。

クロアチア語で”Svi sveti（スヴィ　スヴェティ）”、英語で”All Saint’s Day”と呼ばる日で、カトリック教徒が多いクロアチアでは、多くの人にとって大切な祝日。

「諸聖人の日」はもとは「1年に１度すべての聖人と殉職者を祝うための日」だそうですが、クロアチアではこの日にキャンドルや花を持って親族のお墓参りをする日本のお盆のような習慣があります。

そのため11月1日には多くの人々が、この墓地に眠る親族のために、たくさんの人々がキャンドルやお花を持ってお墓参りに訪れます。

国が違っても、宗教が違っても故人、先立ってしまった愛する家族や友達を偲ぶ気持ちは皆同じ。たくさんのキャンドルが光り輝く光景はとても幻想的です。

幻想的な雰囲気に包まれる11月1日

（お天気がちょっと心配ですが・・・）11月1日にザグレブへ滞在される方は、ぜひミロゴイ墓地に足を運んでみてくださいね！

なお、ザグレブ市内からミロゴイ墓地への行き方はこちらをヒントにしてもらえると嬉しいです。

（2018年10月30日　小坂井真美）

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