【必見】日本大使館に聞いた、クロアチアの治安&日本人が遭いやすいトラブル
「治安が良く、安心して旅を楽しめる」と評判のクロアチア。
近年メディアなどの影響で日本での認知度もぐっと上がったため、ひと昔前と異なり、クロアチアで日本人旅行者の姿を見かけることも珍しくなくなりました。
筆者もクロアチアに住み観光業に携わっている者として、クロアチアを訪れてくださる日本人旅行者が増えるのはとても嬉しいことです。ですが、一方で旅行者数の増加とともに、クロアチア現地で様々なトラブルに遭う日本人の数も増えています。
筆者はいつも「クロアチアへお越しになるみなさんには、旅行中、トラブルに巻き込まれて悲しい思いをしてほしくない。たくさんの楽しい思い出を作って、笑顔で帰ってもらいたい」という想いを込めつつ、当サイトで日々現地より情報発信を行っているので、クロアチアで日本人観光客がトラブルに巻き込まれたと聞くと、いつもとても心が痛みます。
ところで、海外で何か困った時、相談窓口となってくださる心強い存在が日本大使館の領事担当官の方。
現地在住の邦人支援業務の他、旅行中に病気、事故、ケガ、様々なトラブルに巻き込まれた日本人のサポート業務や、パスポートに関する手続きの業務などなど、幅広い業務を日々行っていらっしゃいます。
このように、クロアチア現地で様々な邦人サポート業務を行っていらっしゃる、在ザグレブ日本大使館の領事担当官の方も「トラブルに巻き込まれることなく、日本人の方にクロアチアの旅を楽しんでほしいですね」と、常日頃仰っています。
そこで今回は、クロアチアで日本人が遭いやすいトラブルについて熟知されている、在クロアチア日本大使館の領事さん(領事担当官の方)に詳しくお話しをお伺いしました。
これからクロアチアへお越しになるみなさんの、安全で楽しい旅のヒントにしていただければ幸いです。
クロアチアで日本人が巻き込まれやすいトラブル
「クロアチアを訪れる日本人旅行者のトラブルで最も多いのがスリ被害と病気・ケガです。
クロアチアはとても美しい国で、安全な観光地ですが、特にこの2点には気を付けて旅を楽しんでくださいね」と領事さん。
まず最初に、スリ被害状況について、詳しくお話をお聞かせいただきました。
スリ被害状況について
「治安が良く安心して旅を楽しめる」と評判のクロアチア。
筆者も実際にクロアチアで暮らしていますが、物騒な事件に遭遇したこともありませんし、日本とほとんど変わらない感覚で安心して街を歩くことができる国です。
ですが、平和な雰囲気に包まれたクロアチアだからこそ、旅行者ついつい油断してしまいがちに。
領事さんも「”クロアチアは治安が良い美しい国”と聞いて訪れる方も多く、実際に街を歩いていても、のんびりとした時間が流れているのを感じられる、平和な空気に包まれた所。なので、みなさん、ついつい油断してしまうのです。
ですが、非常に残念なことに、それが故に、近年、観光客を狙ったスリが多発しています」と仰っていました。
それでは、次に実際にスリ被害が多数報告されているクロアチアの地域や具体的な場所をチェックしてみましょう!
■スリが多発している地域・場所
クロアチア全土で、特に日本人のスリ被害が多く報告されているスポットや町を一挙にお伝えします!
【ザグレブ】
・長距離バスターミナル付近
ザグレブ空港に到着後、空港シャトルバスを利用する方がまず到着するのが長距離バスターミナル。
ザグレブに到着したばかりで、右も左もわからない旅行者を卑劣なスリは狙っています。
・トラム内
ザグレブのトラムで一番旅行者が利用するのが6番線のトラム(※6番トラムは長距離バスターミナル=市内中心部を結びます)。特に6番線トラム内でのスリ被害が多発しています!
「気づかぬうちに被害に遭った」というケースもあるようですが、「トラム内で話しかけてくる人がいて、それに気を取られていると、気づいたらカバンのチャックが全開だった(スリ被害に遭った)」というケースも多数報告されているとのこと。
長距離バスターミナルに到着後、市内中心部に向かうために6番線のトラムを利用する人も多いはず。くれぐれもご注意ください。
(関連記事: 【保存版】ザグレブ市内から長距離バスターミナルへの行き方)
・イェラチッチ総督広場
いつもたくさんの人で賑わうザグレブの中心部、イェラチッチ広場。スリもよく行き来しているそうなので、ご用心を!
・ドラツ市場
いつも地元民で活気づいているドラツ市場。お財布の出し入れも多い場所なので、スリが狙っています。
・大聖堂
ザグレブの大聖堂周辺もスリ多発エリア。
大聖堂周辺では「寄付をしてください」としつこく声をかけてくる女性の姿もよく見かけますが、相手にしない方が賢明です。
・ロトルシュチャック塔
大聖堂に続き、スリ集団がよく目撃されているのがロトルシュチャック塔周辺。近くにある聖マルコ教会付近も要注意です!
ロトルシュチャック塔付近は美しい景色も多く、ついつい注意力散漫になってしまいがちですが、観光客に扮した女スリ集団がたびたび目撃されているエリアですので、くれぐれもご用心ください。
・ザグレブ中央駅
ザグレブ中央駅構内や付近でもスリ被害が報告されています。
特にチケットを購入した後、お財布をきっちりとカバンの内ポケットなどにしまってくださいね。
【プリトヴィッツェ湖群国立公園】
特にエントランス1からヴェリキ・スラップ(大滝)に向けて続くスロープ(下の写真)や遊歩道上でのスリ被害が多発しています。
特に5月から8月にかけては、園内が大変混雑する時期。リュックサックを背負って散策を楽しむ方が多いプリトヴィッツェ。
美しいプリトヴィッツェの景色に心を奪われて楽しむ観光客を、卑劣なスリは人混みに紛れて狙っています。
また、プリトヴィッツェ園内を走るバスの中でもスリ被害が報告されています。特に注意してほしいのは、降車・乗車時。みんなが「われ先に・・・」と出入り口に押し寄せて、混雑しがちなプリトヴィッツェのバスは、スリにとって好都合の環境。
背後からぴったりとくっついてきて、ぐいぐい身体を押し付け、もみくちゃになっている間にカバンを開けて、お財布を抜き取る・・・という手口が横行しているそうです。
【ザダル】
ザダルで特に注意してほしいスポットがシーオルガン付近。特に夏の観光シーズン中は「世界一美しい夕日」を楽しもうと、たくさんの人が夕日スポットでもあるシーオルガンに集まってきますが、人がたくさん集まる場所にはスリが必ずいます。
「シーオルガンに腰かけて、夕日に見惚れてうっとりしている間に、身体の横に置いてあったバッグから財布が抜き取られていた・・・」なんて悲しい目に遭わないよう、ご用心を!
【その他】
その他の町でも、旧市街内を中心にスリ被害が多数報告されています。
ついつい美しい景色に夢中になってしまいますが、貴重品にはくれぐれもご注意ください。
・ドブロブニク(旧市街エリア全体)
日本人観光客に断トツで人気のクロアチアの観光地といえばドブロブニク!
城壁に囲まれた、いわゆる「旧市街」エリア全体でスリが横行しています。
・オパティヤ(市内中心部)
団体ツアーの宿泊地として訪れる日本人が多いオパティヤ。クロアチアの他の観光地と比べると、夏でも比較的混雑が少ないように感じる町ですが、油断は禁物です。
・トロギール(旧市街エリア)
世界遺産の町、トロギール。旧市街エリア全体にご用心ください。
・スプリット(旧市街エリア)
日本人に人気のローマ遺跡の町、スプリット旧市街エリア(ディオクレティアヌス宮殿エリア)でもスリ被害が多く報告されています。特に旧市街内や周辺にある有料トイレでの被害が多発しているそうです。
■スリに遭いやすいバッグとは?
ここまでスリ多発エリア・スポットについてお伝えしてきましたが、領事さんのお話によると、スリに遭いやすいバッグには特徴があるようです。
「リュックサックを背負っている場合や、ショルダーバッグ等を背中に回している場合、または口が開いたトートバッグを持っている場合の被害がほとんどです」と領事さん。
死角となる場所や、カバンを開けてすぐに手が届く場所に貴重品を入れない、というのが鉄則です!
また、言うまでもないかもしれませんが、上の写真のように(↑)簡単にチャックが開けられる外ポケットには、なくなると困るような大切なものは絶対に入れないでくださいね。
■犯人像について
クロアチア各地で暗躍するスリ。その犯人像について、次のようなお話をしてくださいました。
「若い女性のグループや子供が犯人であるケースが報告されています。スリの犯人は観光客や一般市民に扮していることが多く、ぱっと見た印象では”不審者”だとわかりません」
筆者も実際に観光客に扮した女スリ集団をザグレブのロトルシュチャック塔付近で何度か目撃したことがあります。
【関連記事】
⇒ 【クロアチア治安情報】ザグレブでこんな集団を見かけたら要注意!
⇒ 次のページでは、実際にクロアチアでスリ被害に遭ってしまった日本人観光客のエピソードや、旅行中に遭いやすい怪我や病気についてのお話をお伝えします。
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