【コラム】ドラゴンが棲む神秘のポストイナ鍾乳洞
ヨーロッパ最大の規模を誇るポストイナ鍾乳洞。スロベニアにある全長約20kmのこの鍾乳洞は、1つの鍾乳洞の中でたくさんの種類豊富な鍾乳石が見られることから「鍾乳洞の女王」と称えられています。
トロッコ列車に乗って冒険気分
洞窟内を走るトロッコ列車があるユニークなポストイナ鍾乳洞。冒険気分で入り口から洞窟内へ、列車に乗って颯爽と進みましょう。
その先は、別の惑星にに迷い込んだような不思議な世界。幻想的な空間が暗闇の中に浮かび上がります。
トロッコ列車を降りた後は、約1.7㎞程ガイドさんと一緒に洞内を歩いて見学します。
大自然が造りだした壮大なアート
ぴしゃり、ぴしゃり・・・と水滴が床に落ちる音が響き渡る幻想的な鍾乳洞内。こうして1滴1滴、何百万年以上という途方もない時間をかけて造り上げられたのです。
ところで鍾乳石をよく観察すると、それぞれ微妙に色が異なることに気が付きます。それは水に含まれるミネラルの成分や量が異なるため。真っ白に輝くものから、煉瓦色や銀杏色に染まるものまで、様々な色が生み出されます。
上の写真からもわかるように、隣り合って立っている石柱でもかなり色が異なります。写真右はポストイナ鍾乳洞のシンボルのひとつである有名な「ブリリアント鍾乳石」。白い石柱が暗闇でキラキラと輝くその美しい姿から「ポストイナのダイヤモンド」と呼ばれています。
様々な形をした鍾乳石は見方によっては動物に見えたり、モノに見えたり・・・まさに、大自然が作り出したアート。細い管上の鍾乳石は「スパゲッティ」、向こう側が透けて見えるものは「カーテン」など、様々な名前がつけられており、幻想的な美しさに感動するばかりではなくワクワク想像力を掻き立てられます。
ドラゴンの赤ちゃん
昔、人々はこの洞窟には獰猛なドラゴンが棲むと信じていたのだとか。
ここには人の肌のような色をしたことから「類人魚」と呼ばれる、大変珍しいホライモリが生息しているのですが、人々はこのイモリのことを「ドラゴンの赤ちゃん」と信じていたそうです。
暗闇と静けさが広がる神秘的な鍾乳洞。現在のように洞窟内が光に包まれることがなかった時代、ここに足を踏み入れた人々は恐怖心と共に想像力をさぞかし掻き立てられたことでしょう。
ホライモリは珍しい生き物で滅多に目にする機会はありませんが、鍾乳洞ツアーの最後に水槽で見物することができます。暗闇に生息するため目が退化し、人のような肌色をしたホライモリ。驚くことになんと1年近く何も食べずに生きることができるそうです!
地球という大自然の壮大なパワーと神秘が渦巻くポストイナ鍾乳洞。光が暗闇を照らすようになった今、ドラゴンは岩陰にひっそりと息を潜めるようになりましたが、訪れる者の好奇心と想像力を刺激し続けてくれます。
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